危険物取扱者の難易度と取得メリット【甲種・乙種・丙種】
危険物取扱者の資格とは
ガソリンなどの石油類や金属などを大量に「製造・貯蔵・取扱」する場所で必要とされる危険物取扱者。モノ作り大国と言われる日本には欠かせない資格となっています。石油、ガスなどの工場が多い地域、または企業では、危険物取扱者の資格を持った人材は一人でも多く求められるものです。また、若いうちから危険物取扱者の資格を持っておくと、キャリアアップも見込めます。危険物取扱者の資格には甲種・乙種・丙種があるので各種難易度と資格取得のメリットについてまとめてみたので紹介していきます。
危険物取扱者は"燃焼性の高い物品の専門家"です
ここで言う危険物とは、ガソリンなどの石油類、金属粉など"燃焼性の高い物品"を指します。これらを大量に「製造・貯蔵・取扱」する場所で必要とされ、管理責任を担うのが危険物取扱者なのです。言わば"燃焼性の高い物品の専門家"ですね。危険物取扱者は、薬品・化学工場・燃料・印刷・塗料、ガソリンスタンドなど様々な業種で活躍の場があり、それだけ必要とされる資格でもあるのです。
危険物取扱者の業務
危険物取扱者の資格を持っていると様々な危険物の取り扱い・定期点検・保安の監督ができます。化学工場やガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設など一定数量以上の危険物を貯蔵している施設には危険物取扱者の資格保有者が必ず必要です。ですが、甲種・乙種・丙種と持っている資格によって取り扱える危険物の難易度も変わってきます。
危険物取扱者の種類によって扱える危険物は変わる
危険物取扱者の資格には甲種・乙種・丙種とあり、資格の持っている種類により取り扱える危険物も変わってきます。それではこれから各種類ごとに紹介していきますので見ていきましょう。
甲種危険物取扱者が扱える危険物
「甲種危険物取扱者」は全種類の危険物、乙種危険物取扱者は指定の種類の危険物について取り扱いが可能になります。
また、6か月以上の実務経験があれば、危険物保安監督者になれます。
丙種危険物取扱者が扱える危険物
「丙種危険物取扱者」は、ガソリンや灯油・原油などを除く特定の危険物(第4類危険物のみ)に限り取り扱いが可能となります。
また甲種で紹介したような、実務経験を積んでも危険物保安監督者にはなれませんのでご注意ください。
乙種危険物取扱者が扱える危険物
「乙種危険物取扱者」は第1類〜第6類のうち自分が免状を交付されている類の危険物の取扱いと立会いができます 。
下記に第1類〜第6類の情報をまとめます。
・乙種第1類
酸化性固体(塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムなど)
・乙種第2類
可燃性固体(硫黄、赤リン、マグネシウムなど)
・乙種第3類
自然発火性物質及び禁水性物質(ナトリウム、リチウム、黄リンなど)
・乙種第4類
引火性液体(ガソリン、灯油、軽油、エタノールなど)
・乙種第5類
自己反応性物質(ニトログリセリン、トリニトロトルエン、アジ化ナトリウムなど)
・乙種第6類
酸化性液体(過酸化水素、硝酸など)
危険物取扱者資格の取得難易度は
これまでにも、危険物取扱者資格には甲種・乙種・丙種と種類があると紹介してきましたが、ではそれぞれの危険物取扱者資格の取得難易度はどのようになっているのでしょうか。これから資格の取得を目指す人としては、気になる所かと思います。それでは見ていきましょう。
危険物取扱者資格:甲種の難易度
ではまず、甲種危険物取扱者の取得難易度から見ていきましょう。
甲種危険物取扱者は受験資格がある上、試験範囲も広く、試験難易度としては「やや難しい」レベルと言えます。
危険物取扱者資格:柄種の難易度
続いて、丙種危険物取扱者について見ていきます。
丙種危険物取扱者はごく基本的な問題を扱うので、比較的取りやすい資格です。中には、ガソリンスタンドでアルバイトをするのにあると便利な資格として取得する人もいるようです。ですので、試験難易度としては「かなり易しい」レベルと言えそうです。
危険物取扱者資格:乙種の難易度
最後に乙種危険物取扱者を見ていきます。
こちらは、甲種危険物取扱者と比べ、一部科目の免除制度というものがあります。これは、1つの類の免状取得後は受験科目が一科目となり、合格率が一挙に上がるので、試験難易度としては、「やや易しい」レベルと言えます。
資格取得までの勉強時間は…
危険物取扱者の資格は他の国家資格に比べると難易度は高くなく、知識がなくても比較的取りやすい資格になります。独学での取得も十分可能で、柄種、乙種であれば2ヶ月ぐらいで十分取得できる資格です。ですので勉強法によっては短期間での合格も可能なのです。但し甲種危険物取扱者の場合、しっかりと勉強しておかないと合格できないので余裕を持った勉強時間を持つといいでしょう。
危険物取扱者資格をとるメリット・デメリット
燃焼性の高い物品や危険物を取り扱い際には必ず必要となる危険物取扱者。資格を取得するにあたっては、将来的な面でのメリットもあれば、資格取得に必要な時間や費用といった面のデメリットもあります。危険物取扱者の資格であっても、それは同様です。実際のビジネスシーンにおいて、資格取得のメリット・デメリットをみてみましょう。
デメリット:出題範囲が広く取得に時間がかかる
危険物取扱者資格のデメリットといえば、甲種危険物取扱者において言えば独学だと時間がかなりかかるので非効率である点、また一定の受験資格が必要であり、試験範囲が広がり覚える内容が膨大になるという点です。とはいえ、危険物を扱う管理者ともなると、専門知識を持っていてほしいのでこれは仕方がないとも言えますよね。
メリット:実用性の高さと資格手当が魅力
危険物取扱者は、国家資格試験として代表的な資格である点からもわかるように、実用性が高く、必要とされる業種が多く存在しています。そのため、多くの企業は危険物取扱者資格保有者には、資格取得手当を支給しています。ですので、業種によってはかなり期待できる資格であると言えます。
危険物取扱者(甲種・柄種・乙種)資格は実用性があり比較的難易度も低めなので取っておくべき
ここまで危険物取扱者(甲種・柄種・乙種)資格の詳細や難易度、また資格取得のメリットやデメリットについて紹介してきましたがいかがだったでしょうか?危険物取扱者の社会的評価は非常に高く、資格手当がつく企業もあります。この資格を有していることで、扱える業務の幅は大幅に広がり、昇進にも役立つでしょう。その業界で長く働く事を考えているのであれば、早いうちに危険物取扱者の資格を取得することにより、さらなるキャリアアップも見込めるようになるでしょう。
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