「拝見させていただく」はNG!「拝見」の正しい使い方
敬語としては「拝見します」が正しい使い方
「拝見」の正しい使い方は、「拝見します」です。「拝見する」といった意味の敬語を使う際には、ついつい「拝見いたします」と言ってしまいがちになりますが、それは厳密にはNGとなるのです。ですから、これから「拝見する」といった敬語を使う際には、「拝見します」という風にシンプルに使っていくと良いでしょう。でもなぜ、「拝見いたします」はNGなのでしょうか?
「拝見いたします」は二重敬語になる
例えば、「資料を拝見いたします」は、二重敬語になります。ですから、「拝見いたします」というのはNGなのです。「拝見」が既に、「見る」の謙譲語となっています。それなのにそこに、「する」と言う言葉の謙譲語である「致す」が入ってくると、謙譲語に謙譲語がついて二重敬語になり、回りくどくなってしまうのです。ですから、シンプルに「拝見します」と使うのが一番なのです。
「拝見させていただきます」も敬語としては間違い
「拝見いたします」がNGということは、当然、「拝見させていただきます」も敬語表現としては間違いになります。「拝見させていただく」も、「拝見」と「させていただく」という謙譲語がくっついた言葉となっているので、これも当然二重敬語と言えます。ですから、回りくどい表現になってしまうので、敬語表現としては正しくないのです。
二重敬語は相手をバカにしていると思われる
そもそも二重敬語だと何故いけないのかと思う方もいるでしょう。多少回りくどくなったとしても、丁寧に表現しているのだから良いではないかと思うものですが、あまりに丁寧にしようとすると、相手はバカにされていると感じてしまう場合があるのです。よって、二重敬語は良くないとされています。こんな理由から、拝見を使う際にも、二重敬語にならないように気をつけないとならないのです。
「拝見」は自分が見る時にだけ使う
「拝見する」という敬語は、謙譲語です。という事はつまり、自分を下げて相手を高めるような言葉だと言えるのです。それがどういう事かと言いますと、その言葉を自分以外に対して使ってしまうと、すごく失礼になってしまうのです。例えば上司などに「こちらの書類は拝見されましたか?」と聞くと、逆に上司を下げて自分を高めている表現になってしまうのです。
自分以外には「ご覧になる」という表現が適切
謙譲語である「拝見する」は、自分にしか使えない敬語です。では、「見る」という意味の敬語を自分以外に使いたいときにはどのような表現をしていくのが良いのでしょうか?自分以外の人が「見る」を敬語で表現するのであれば、「ご覧になる」や「ご覧くださる」等が適切です。こちらの書類は「ご覧くださいましたか?」と聞けば、相手を高めているので失礼になることはありません。
「見る」の敬語である「拝見する」は二重敬語にならないように自分に対して使う
「拝見する」という敬語の正しい使い方のご紹介でした。「拝見する」を敬語として使う際には、二重敬語にならないように気を付けて、自分だけに使うようにしてください。そうすれば自然と正しい使い方をしていけることでしょう。ちょっとした言葉遣いの違いで印象が悪くなるのがビジネスの世界ですので、ぜひ参考にしてみて下さい。
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