「カウンターパート」の意味と使用する際の注意点
「カウンターパート」は類似した役職などで同じ仕事をするパートナーを意味する
「カウンターパート」とは、日本語の国語辞典にも載っているほど、実は日本で古くから使われています。対等の立場にある相手を意味するもので、通常2つあるもののうちの片方、という意味になります。こう説明されてもいまいちピンと来ないかもしれません。日本語で同じ意味を表す言葉としては「対応相手」となるでしょう。ただ、会話をしたりやりとりをする相手という意味ではなく、類似の立場、役職等で同じ方向で仕事をするパートナー的な意味で使われます。
英語だとcounter-part
日本語で意味がつかみきれない場合は、カタカナ用語の元となっている英語の意味を調べるとヒントになるケースがあります。カウンターパートとは、英語のcounter-partに当たります。これは、名詞で「対応する2つのものの一方」という意味になり、日本語と同義でしょう。ただ、英文での使われ方を見ると、意味がより分かりやすく見えてきます。
Belgian officials are discussing this with their French counter-parts. (ベルギー当局は、フランスの当局と討議している。)
国がちがえども、同じ役職の相手をカウンターパートと表すのは日本語でも同じです。
「カウンターパート」の使用例
日本のビジネス界においては、特定の業界においてしか使われない言葉ではあります。普段頻繁に見聞きする言葉ではないだけに、言葉の意味を理解しても実際にどのような文脈で使われるかがわからないと、なかなかイメージしずらいものです。ましてや、自分が「カウンターパート」という言葉を使いこなすためには、正しい用法を理解しておくことはマスト(must=絶対の)の条件です。それでは、例文と解説をみていきましょう。
「カウンターパートのSさんに相談しました。」
上記の例文は、発展途上国援助で知られるJICAの隊員の言葉です。国際色豊かなJICAでは、この「カウンターパート」が隊員同士で使われるケースも珍しくありません。自己紹介の段階から、「カウンターパートの○○です」と紹介されます。カウンターパートとは、その任務中は対になって仕事をしますが、行動を共にするわけではなく遠隔地にいながら同じ方向で仕事をする相手であるケースが多いでしょう。また、カウンターパートは物についても使用されるケースがあります。「日本の国会議事堂は、アメリカのキャピトルのカウンターパートだ」などと、表現できるのです。
「カウンターパート」はどこでも使えるわけではない
カウンターパートの意味はこれまで説明してきましたが、少し捉えにくい言葉であるのは確かです。JICAの例を挙げましたが、あのように組織や業界内で慣習的に用いているケースが多いのです。つまり、カウンターパートの意味を理解したから、新しい自分のビジネス用語の語彙としてどんどん使える、といった類のものではありません。今仕事をしている環境において、使用する人がいないのであれば、あえて自分から持ち出す必要はないといえるでしょう。
相手に通じない言葉は避けるべき
自分に知識があるのを誇示したいと考える人もいますが、コミュニケーションにおいて、相手に伝わる言葉を選んで話すのが配慮あるマナーであり、常識でもあります。ビジネスでは、正確に相手と意思疎通しなければ仕事に支障がでてきてしまうため、相手の理解力に合わせるコミュニケーションスキルが必要になるでしょう。語彙を増やして、相手が発する言葉を理解できるように準備しておくのは大切ですが、自分が話すときは、相手にわかりやすいように一般的に使われている言葉をチョイスする方が良いでしょう。
どこでも使えるわけではない「カウンターパート」は対等の立場のパートナーを意味する
「カウンターパート」の意味と使用する際の注意について見ていきました。「カウンターパート」は、国語辞典に載っているほど日本では古くから使用されています。ただ、一般的に使われているわけではなく、一部の業界や組織で慣習的に使用されているケースが多いです。対を成す物を指して使うこともありますが、正しく理解できる人は少ないので突然使用するのは避けた方が無難でしょう。ビジネスにおいては、相手の理解レベルに合わせて話す必要があります。難解なビジネス用語の意味を理解しておくのは良いですが、自分が発するときは、相手にわかりやすいように話すのがマナーでしょう。
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