労働安全衛生法で定める高所作業の年齢制限と企業がとるべき防止策

2016年12月9日2020年3月31日

労働安全衛生法における高所作業とは2ｍ以上での業務を指す

労働安全衛生法における高所作業とは2ｍ以上での業務を指します。そして地上1.5ｍからは昇降する為の設備が、労働安全衛生法により必要になります。作業場所や作業内容によって細かい規定が労働安全衛生法にありますが、高所作業に慣れているから、邪魔になるからといって安全措置を怠ってはいけません。高所作業に関わらず、仕事上で100％大丈夫という事はないのです。高所作業の現場監督官だけでなく、個々の労働者も労働安全衛生法にあるように安全確認や年齢制限の徹底をおこなってください。

18歳未満は年齢制限があるので作業できない

労働基準法第62条「満18歳未満の危険有害業務の就業制限」がありますので、危険業務である高所作業は、年齢制限のため18歳未満の人は働けません。しかし、年齢制限に何歳まで、とは書かれていません。高齢者における高所作業の年齢制限は、使用者が判断しているようです。一概に年齢制限が気になる高齢者といっても健康状態は様々ですし、ベテランの方は作業効率が良い場合もあります。

高齢者の健康チェックで高所作業が可能か判断する

年齢制限の上限がないので、高所作業を高齢者に任せるとします。その判断材料として、定期健康診断や作業前の健康チェックが必要です。年齢制限がなく、本人がいくら大丈夫と言っていても、医師の意見に基づいて、それが可能な高所作業かどうか、企業の責任者や現場監督官が労働安全衛生法に基づいて確認しなくてはいけません。高所作業が無理と判断されると、就業場所の変更、作業の転換や労働時間の短縮などの措置が、労働安全衛生法に基づいて講じられます。

高齢者の安全を図るために安全帯の使用などを徹底する

労働者本人、または現場監督官が高所作業前にするべきこととして、安全帯を使用する事、適切な足場の確保、作業前安全打合せ（危険予知ミーティング等）などがあります。特に危険予知ミーティングは、職場や高所作業に潜む危険要因を話し合って対策を考え、実践につなげるものです。危険度の高い高所作業ほど、しっかり行っていかなければなりません。

労働安全衛生法に基づいて高所作業での環境整備をおこなう

安全に高所作業を行う上で、企業として整えて欲しいのは、労働安全衛生法に記されている危険防止のための安全対策です。例えば、墜落の危険がある場所には必ず囲い、手すり、柵などを設置する。危険が予想される場合に無理に働かせない。危険を避ける為の設備の購入など、労働者が用心するだけでは防げない事故防止策は企業として準備しておくべきです。

高所作業における安全衛生教育も大切

高所作業を安全に行うには、その方法を知る必要があります。場所や状況が違えば、危険の度合いも変わってきます。慣れた作業ほど確認が大切になってきます。企業側としては雇用時・作業変更時に「安全衛生教育」を行わなければいけません。また、「危険有害特別教育」「職長教育」「能力向上教育」も同じように、必要に応じて実施しなければいけません。

労働安全衛生法では高所作業をする労働者の年齢制限は18歳未満と定められており上限はないが高齢者を雇用する際には健康チェックが必要

労働安全衛生法で定める高所作業の年齢制限と企業がとるべき防止策について見ていきました。労働安全衛生法では、18歳未満の高所作業は認められていませんが、年齢制限の上限の定めはありません。労働安全衛生法だけでなく、労働基準法にも高齢労働者の年齢制限は見当たりません。労働安全衛生法に年齢制限の上限がないとはいえ、無理がきかない年齢の場合も考えられます。年齢制限を把握して企業が健康状態を把握し、十分高所作業が出来る状態であるのを確かめてから作業を進めましょう。