「お勤めご苦労様でした」を言うときの目上の人への正しい言葉使い

2016年12月9日敬語

「お勤めご苦労様でした」の「お勤め」は上司が部下に対して使う言葉

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「お勤めご苦労様でした」の「勤め」を丁寧にした言葉が「お勤め」です。ビジネスにおいて使われる「勤め」には、主に当然しなければならないこと、雇われて働くことの意味があります。ここで詳しく見ていきましょう。

お勤めの意味① 当然しなければいけないこと 

この意味は当然しなければならないことで、同義語では「任務」は果たさなくてはならない勤め「責務」金銭を払ったり物を渡したりすべき法律上の義務。といった言葉があります。漢字は「務め」を使う方が一般的です。政治家が演説においてよく使っています。

お勤めの意味② 雇われて働くこと

この意味では、上司から部下に対するねぎらいの言葉であれば、「お勤めご苦労様でした」と言っても問題がないように思えますが、少々上から目線のきつい印象を与えてしまう可能性はあります。「どちらへお勤めですか」といった使い方がよくされます。

「お勤めご苦労様でした」の「ご苦労」も目上の人には使ってはいけない言葉

「ご苦労」を丁寧に表現した言葉が「ご苦労様」です。「ご苦労」とは、相手の労に敬意を払った言い方です。たとえば、自分のために何かをしてくれる目上ではない人に対して、「ご苦労をおかけします」とねぎらうことができます。自分と同じ立ち位置か、若しくは目下の人に対してのみ用いることができます。仕事を依頼したときなど、相手の苦労を思いはかって使う表現でもあります。新入社員が残業をがんばっているときなど、「遅くまでご苦労さまでした」といった声掛けに使うことができます。

「ご苦労様」と「おつかれさま」は意味が違う

「おつかれさま」という表現もまた、相手の労苦をねぎらう意味で用いられます。職場で先に帰る人へのあいさつにも使います。「ご苦労様」は目上の人から目下の人に使うのに対して、「おつかれさま」は同僚、目上の人に対して使う言葉とされています。しかしながら、最近ではこの「おつかれさま」も目上の人に使うべきではないという議論が頻繁にされています。

「お勤めご苦労様でした」は刑務所から出所した際に使われることもある

「お勤めご苦労様でした」という言葉を聞いて、裏の世界、反社会的組織において使われる言葉を連想する人は多いものです。年配の人ほど、ドラマや映画で、刑期を終えて出所してきた親分に対して子分が、「お勤めご苦労様でした」と表現をセリフとして言っているのを耳にしたことがあるのではないでしょうか。この場合、「お勤め」とは刑務所での作業を「当然すべきこと」として表現しているわけです。不要な連想や誤解を与える可能性が高い表現は、ビジネスの場においては避けた方がよいのです。

一般的には目上の人に「おつかれさま」というが必ずしもそうではない

目上の人に対してねぎらいの言葉を失礼のないように伝えたいときは、どのように表現することが適切なのでしょうか。もっとも無難な表現としては、「遅くまでご指導いただき、ありがとうございました」などお礼の気持ちを伝えることです。「おつかれさま」は一般的な辞書では、目下の人から目上の人にねぎらいの表現として使える言葉と定義されていますが、最近ではそうした使い方を好ましくないと感じる人が増えています。そもそも、上司に対してねぎらいは不要、というのが常識であるという見方もあります。いずれにしても、ビジネスにおいては論争の余地がある表現は避けるにこしたことはありません。

言葉の代替表現については会社の風習に合わせる

目上の人に対して失礼のないよう発する表現としては、ほかに次のようなものがあります。営業先から帰社した先輩に対して、何も言わずにいることは逆に失礼に当たります。「おかえりなさいませ」という丁寧であたたかみのある表現ができます。「お暑い中、ありがとうございました」とお礼の表現にすることもできます。先ほどの「おつかれさまです」をさらに丁寧に「おつかれさまでございます」という表現を目上の人に対してすることが慣習となっている会社も多くあります。また、会社の風習に合わせたり、前々からいる社員が多く使っている表現を取り入れると、目上の人への対応としては失敗がありません。

「お勤めご苦労様でした」は目上の人には使わず会社の風習に合った言葉を使いようにしよう

「お勤めご苦労様でした」という言葉を日本語が得意な外国の人が聞いても、なぜ目上の人に言ってはいけないのかわからないかもしれません。「お勤めご苦労様でした」の苦労も努めも丁寧語で表現し、表面上は何ら失礼のないようにも思えるからです。長年日本で生活をして、娯楽を通して日本文化にも触れていなければ、「お勤めご苦労様でした」表現の違和感はなかなかわかるものではないでしょう。似た表現の「おつかれさまです」も、目上の人への使用は避ける傾向にあります。日本人として日本の企業で仕事をする上では、不要な誤解を与える表現を避けるといった気配りをすることが当然に求められます。普段から新聞や本を読む機会をもつことで、適切な表現を自然と身に着けることができます。

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2016年12月9日ビジネス

Posted by BiZPARK