「失礼させていただきます」の言葉の意味と表現のポイント
「失礼させていただきます」の意味と表現ポイント①上司よりも先に退社するとき
「ご苦労様です」「おつかれさまです」「失礼させていただきます」上司よりも先に会社を出るとき、どの表現が適切でしょうか。まず、「ご苦労様です」この表現は明らかに誤りです。これは目上の人から自分と同列の立場以下の人に対してかけるねぎらいの言葉です。次に「おつかれさまです」これは辞書で調べると上司にも使える表現ですが、ごく最近の調査によると、目下の人から言われて不快に思う人も多いということがわかりました。「失礼させていただきます」は、このビジネスシーンにおいて最も適切な表現です。「お先に失礼いたします」「お先に失礼させていただきます」どちらでも構いません。
目上の人よりも先にその場を去る際に重宝
まだ仕事をしている上司がいるにもかかわらず、家庭の事情などで先に帰らなくてはいけない状況はよくあることです。こんなとき、何の言葉もなくその場を立ち去ると相手に不快に思われてしまうかもしれません。どう言えばいいのか、と考えている間に時間は過ぎてしまいますし、会社にも余分な残業代が発生してしまいます。「お先に失礼させていただいてよろしいでしょうか。」と相手に伺う表現にすると、より丁寧で相手を配慮する気持ちが伝わります。応用のきく、スマートな活用例です。
「失礼させていただきます」の意味と表現ポイント②軽い謝罪のとき
「失礼させていただきます」という言葉を活用できる具体的な場面を紹介していきます。まず、先に席についている人たちの場に遅れて到着した際、何も言わずに席に座るのではなく「失礼させていただきます」と一言告げることで、相手への軽い謝罪を伝えることができます。デパートで接客中に、他のお客様から呼ばれてしまった際にも、「少々失礼させていただきます」と言葉を添えることで、その場を離席することと申し訳なく思う気持ちを同時に表現することが可能です。このような気の利いた表現が出てくるか否かが、プロの接客との分かれ目ともいえます。
似た表現に「恐れ入ります」がある
会話においては、同じ表現の繰り返しはなるべく避けた方がよいといわれます。「失礼させていただきます」と一度使ってしまった後におすすめの表現が、「恐れ入ります」です。この言葉は、「失礼させていただきます」と同様に相手への謝罪の気持ちを表します。また、相手の好意に対して感謝する気持ちも表現することができるますので、同様に大変便利な言葉です。セットで覚えておくと便利でしょう。
「失礼させていただきます」は多用しすぎないように注意する
便利な「失礼させていただきます」ですが、使い方には気をつけるべきことがいくつかあります。まず、第一義的な意味として謝罪の意があることです。「失礼」には他人に接する際の心得をわきまえておらず、礼儀にかける、失敬、という意味があるのです。あまりにも多用してしまうと、失礼なことをしているわけではないのに、そのような印象を相手に植え付けてしまう言葉になる可能性があります。どのような場面においても応用のきく便利な表現であるだけに、ワンパターンになってしまわないよう注意しましょう。便利なビジネスは相手を立てつつも対等に物事を進めるべきことが多いので、時と場合に応じてこの言葉を使い分けるようにしましょう。
「させていただきます」の使用法にも要注意
「失礼させていただきます」のさせていただく、という表現は、明治時代の文献にも見られる昔から日本で使われてきた言葉です。しかし、現代においては賛否両論があり、「卑屈に聞こえる」「慇懃無礼だ」などと批判的な意見もあります。「させていただく」には、相手に配慮しながら自分が行動する、という意味があります。とても丁寧な表現なので、TPOを考えて端的に「失礼します」で済ませるべきことも多くあるのです。音の聞こえ方としても、さ行が続いてしまう言葉ため「失礼いたします」を好んで使う人もいます。
「失礼させていただきます」という言葉には謝罪の意味とへりくだる表現があり多用には注意が必要
「失礼させていただきます」という言葉には、相手への軽い謝罪の意があり、他人のもとを立ち去るときの丁寧な言い方として使うことができます。また、人に何かを尋ねるとき、依頼する際、別れのあいさつの言葉としても用いられます。昔から日本人に使用されてきた表現で、相手への配慮を示す美しい日本語表現の一つのです。最近では「させていただく」という表現に異論を唱える人もいますが、解釈が難しいところもありますので、何が正しいという断定はできないのです。心を込めて発することで、「失礼させていただきます」という言葉の真意はきちんと相手に伝わるでしょう。
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