支援という言葉を丁寧な敬語に言い換えた伝え方
敬語の基本は相手の気持ちになること
支援される側は何らかの事情で困っているのです。このような時に、たとえば「ご支援させていただきます」と、精一杯丁寧な言葉をかけても、「支援」という言葉自体に上下関係を感じさせるニュアンスがありますから、支援される側の心情としては、施しなどは受けたくない、と反発の気持ちを持ってしまうことも考えられます。
支援を謙譲語や尊敬語に置き換えるのは難しい
丁寧語である「ご」をつけたり、謙譲語である「させていただく」をつけたりしても、相手の気持ちに寄り添う言葉にはなりそうもないので、別の表現を考えてみましょう。「来る」を「いらっしゃる」、「言う」を「おっしゃる」というように言い換えるのを尊敬語と言いますが、支援にはこの例のような言い換え表現はありません。まったく別の言葉を探してみます。
支援の言い換え言葉を探そう
例えば、助ける、援助、手助け、助力などは、まだ少し上から目線なニュアンスがあります。力添え、手を貸す、お手伝い、力になる、サポート、バックアップなどはどうでしょうか。「お力添えさせていただきますから、どうぞ遠慮なくお申しつけください」という表現なら、支援したい気持ちが伝わり、お世話になろうかなという気持ちにもなるでしょう。
支援を表すその他の表現には「お手伝いさせていただきます」などがある
支援と同義語で言い換えた、その他の表現例です。「必要ならいつでも手を貸しますから言ってください」、「私にできることはお手伝いさせていただきますから、おっしゃってください」、「いつでも力になりますよ」、「サポートさせてもらいます」、「あなたの行動をバックアップさせてもらいます」などは、相手を立てた表現ですから、気持ちが伝わるのではないでしょうか。
支援を受ける場合の敬語を知ろう
支援する側からの敬語表現を考えてきましたが、支援を受ける側にも敬語を使うべき状況が起こります。支援を受けるのですから、へりくだった謙譲の姿勢が大切ですし、感謝の気持ちが伝わらなければいけません。逆に、あまり遠慮が過ぎる表現になると、卑屈な感じになり、かえって、支援する側に負担を感じさせることになりかねませんから、注意が必要です。
支援を受ける側はストレートな表現を
支援という言葉そのものが上下関係を感じさせる言葉です。支援を受ける側は、「お力添えに感謝します」、「お手伝いいただき、ありがとうございます」などのように言葉探しをするのではなく、「ご支援ありがとうございます」、「ご助力に感謝します」というように、言葉自体が持つ上下関係をそのまま使うほうがいいでしょう。
支援を敬語で言う場合は「お手伝いさせていただきます」など丁重な言葉を選ぼう
支援という言葉を丁寧な敬語に言い換えた伝え方について紹介しました。敬語の使い方は、なかなか難しいものです。慇懃無礼(いんぎんぶれい)という言葉がありますが、ごくごく親しい友人などには敬語ではないほうが、かえって心が通じたりするものです。途上国支援などもよく耳にする言葉ですが、これも、丁寧過ぎると、押し付けがましく受け取られたりします。支援という言葉に限らず、敬語はTPOをわきまえて使うことが大切です。
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