地域手当が地方公務員に支給される意味と問題点
地域手当は地方公務員の給与を適切にするために支給される
地域手当とは、その地域にある民間企業で受け取れる賃金水準に、地方公務員の賃金水準を合わせて支給するために存在するものです。地域ごとに賃金水準は異なっているものです。そのため、特に賃金水準の高い地域の場合は、地方公務員の賃金が不当に低くなっていることがあるのです。これを是正するための処置として地域手当が支給されるようになりました。
地域手当の支給が多いのは東京都特別区
日本で最もその地域の賃金水準が高いのはやはり東京都特別区です。したがって、この区域の地方公務員が最も地域手当をもらっているということになります。その他にも、大阪府や横浜市、名古屋市、さいたま市といった大都市において、地域手当が支給されています。基本的に多くの人が暮らしている地域では地域手当が支給されている傾向にあります。
地域手当は地方との給与格差を広げてしまう
地方公務員への地域手当については、さまざまな問題点が指摘されています。たとえば、支給率に矛盾のあるケースです。その自治体に賃金水準の高い業種が集まっている場合には、地域手当の支給率が高くなりやすいです。そのため、その地域の生活水準や物価などを考慮にいれると、地域手当に矛盾が出ることがあるのです。この点は問題視されています。
地域手当導入で全国的に地方公務員の給与が削減された
もともと調整手当というものが存在していました。これがなくなり地域手当が支給されるようになったのですが、その際に一律で全国の自治体の地方公務員の給与が削減されました。これによって、東京都のような一部の自治体を除くと、全国的に地方公務員の給与が削減されたのです。結果的に地域手当を支給することによって、公務員の給与の地域格差が広がることになりました。
同じ地域に住んでいて極端に地域手当が異なるケースもある
地域手当の不満点として、たとえば同じ地域に住んでいてそれほど物価に差がないのにも関わらず、地域手当が大きく異なるケースがあります。このような状況を放置しておくと、当然地域手当の恵まれている自治体により多くの人が集まりやすくなるでしょう。人材確保について大きな支障が出る可能性があるため、問題視されているのです。
多くの自治体は地域手当の廃止を求めている
地域手当によって利益を得ているのは一部だけという現状から、各自治体でも地域手当の廃止を求める声が大きくなっています。地方分権をするべきだという風潮があり、その点からも地域手当のような制度というのは果たして本当に意義があるのか疑問に思われているのです。公正な基準によって地域手当が決定されない限りは、問題は解決されないでしょう。
地域手当は地方公務員と民間との格差を埋めるために支給されるが別の格差も生まれている
地域手当というのは、その地域の民間の賃金水準と地方公務員の賃金水準の差を埋めるために支給されています。ただし、この制度の恩恵を受けているのは一部の地域のみであり、しかもその基準が不公平であるという批判が増えています。そのため、今後は地域手当の見直しや、場合によっては廃止も検討される可能性があるのです。地方公務員の給与はさまざまな問題点があります。
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