地方公務員の仕事内容とやりがい
地方公務員の職務と仕事内容
地方公務員の仕事内容と一言でいっても、その内容は職務によってさまざまです。都道府県や市区町村の上級(大卒程度)試験では、自治体の幹部候補生として職員を採用します。内定後は、幹部に必須である「幅広い角度から自治体の状況を理解できる力」を養うべく、2~3年ごとに部局を異動しながら勤務します。
そのようにして、さまざまな分野の業務を経て、ゼネラリスト公務員として活躍します。国家公務員には仕事のスケールでは及ばないものの、住民と密接に関わるまちづくりなどに携わることができる魅力的な仕事内容です。
地方公務員の仕事内容①都道府県(地方上級)
都道府県の仕事内容は、市区町村単位では処理がむずかしい業務や国と市区町村間の調整など、広域的行政サービスとなります。具体的には、総合開発計画、治水・治水事業、産業立地条件の整備、道路・河川・公共施設の管理及び建設、都道府県全体で統一する必要がある業務として、義務教育の水準維持、社会福祉の水準維持、各種認可など。都道府県ごとに、課題や政策はさまざまです。
地方公務員の仕事内容②市町村
市町村の仕事内容は、地域住民の行政窓口として、住民の生活に密着した基礎的行政サービスを担当します。具体的には、戸籍住民登録や諸証明の発行などの基礎手続き、消防、ごみ処理、上下水道の整備、公園や緑地の整備やまちづくり、各種施設(公民館・保育所・小中学校・図書館)の運営管理など。
数々の公務員のなかでも、地域との密な関わりが多く、住民と協力しながら幅広い業務を行います。こちらも、自治体により課題や政策は異なってきます。
地方公務員の仕事内容③東京特別区(23区)
東京特別区とは、東京23区を指します。23区それぞれが、区長公選制、区議会、条例制定権、課税権を持ち、区民に対して第一義的に責任を負います。勤務先は区役所など。受験時に3つまで希望の区を申請することができます。最終的には、各区の採用面接を経て、区ごとに採用内定をもらうことになります。
地方公務員の仕事内容④学校事務
学校事務の仕事内容は、公立小中学校などにおいて、一般事務(総務・人事・財務・福利厚生など)を行います。地域によって、仕事内容は変わってきますが、主に教育・技術業務以外の学校事務の統括や、公立学校の経営資源管理担当職員を担当します。
地方公務員の仕事内容⑤警察事務
警察事務の仕事内容は、警察本部や各警察署で、犯罪データの整理や分析、人事や会計などを担います。警察官が自分の職務に集中できるよう、警察官のサポート役として活躍します。
※警察事務は、警察官採用試験とは別枠での実施となります。試験問題の内容や出題科目は、地方上級レベルと同様程度です。
地方公務員の仕事内容⑥理系公務員(技術職)
理系公務員の仕事内容は、職種によりさまざまですが、土木、建築、情報など、特定分野の専門家として採用されます。交通網や通信ネットワークの整備、災害に強い都市計画、再生可能エネルギーの開発などの幅広い分野で活躍する職員です。
地方公務員の仕事のやりがい
地方公務員と一言でいっても、多彩な職種や仕事内容があることがわかります。では、実際の地方公務員の体験談をもとに、仕事のやりがいを探ります。
地方公務員の勤務時間
地方公務員の勤務時間は、1日8時間、原則として土・日曜日と祝日等の休日が休みとなります(完全週休2日制)。ただし、近年はフレックス制を採用している自治体も増えています。また、採用職種や配属先によっても異なるので、一概には言えないのが現状です。とはいえ、一般的にはしっかりと休日をとることもでき、仕事とプライベートのメリハリを持って働ける環境であると言えます。
世の中を良くしていると実感できる
実際に地方公務員として勤務している人からは、「自分のやっている仕事が世の中を良くしていると実感できる点が、民間企業とは異なる大きなやりがいだと感じる」との声が聞かれました。
具体的には、小学校で英語教育が始まるという歴史的瞬間に関わることができ、子供が外国人を相手に英語で会話をしている姿を目にしたときは非常に感動したそうです。世の中を良い方向に変えるために尽力できることは、大きなやりがいにまちがいありません。
市区町村の役にたてる喜び
地域が元気になっていくために、最初のキッカケ作りに携われるのも、地方公務員の仕事の大きなやりがいです。補助金を交付したり、制度を整えたり、行政にしかできない支援に関わり、地域の役に立っていると実感できたとき、「やってよかった」と心から感じるそうです。
人との信頼関係を築き仕事に活かす楽しさ
行政の仕事は、決してひとりでできるものではありません。お願いできるパイプをたくさん持っておくことが非常に重要。どんな場面でも、一緒に仕事をする相手と真摯に向き合い、信頼関係を作っておくことが、次にいい仕事をすることにつながります。
また、同期や上司とのつながりも大切です。多くの人脈を作って、仕事に上手に活かすことができると、大きなやりがいを感じられるそうです。コミュニケーションの楽しさを直に感じられる仕事ということですね。
地方公務員の仕事内容は多岐に渡る、やりがいは十分
地方公務員の職務や仕事内容、そして仕事のやりがいをさまざまご紹介してきましたが、地方公務員の仕事内容は多彩であり、市区町村を支えるやりがいの大きな仕事と言えます。
決して楽な仕事ではなく、幅広い業務に携わったり、さまざまな人と関わるなかで、たくさんの苦労があることでしょう。しかし、その苦労を超えるやりがいを実感できるはずです。同時に、自身の飛躍的な成長も期待できるでしょう。
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