フリーランスライターが抱える不安と成功のポイント
フリーランスライターの実態とは
フリーランスの定義とは、従業員がおらず、事業者本人が技能を提供することで成り立つ状態を指します。フリーランスライターとなると、WEBメディアや雑誌、書籍等で文章を書くことが主な業務となりますが、それ以外にも、リサーチ・打ち合わせ・各種連絡や調整・取材・テープ起こし・経理関係・営業などの業務も含まれます。そんなフリーランスライターの実態とは、どのようになっているのでしょうか?
フリーランスは40・50代が全体の75%を占めている
2015年版小規模企業白書(中小企業庁)によれば、フリーランスの年代構成は、50代が全体の38%、40代が36%となっており、全体の約75%を40~50代の人が占めていることになります。また、全体の約8割の人がフリーランスで生計を立てており、さらに約半数が、10年以上のフリーランス経験があると回答していました。
フリーランスライターが抱える不安
フリーランスという働き方には、どうしても不安がつきまとうのが現実です。それは、一言でいえば「安定していないから」ですが、具体的な内容をご紹介しましょう。
不安①:「健康・気力がつづくのか?」
これは、フリーランス以外にも言えることですが、年齢を重ねると、どうしても体力が衰えてきます。肩こりや腰痛、老眼、更年期障害のような症状が出やすくなり、睡眠時間を削っての無理な労働が、どんどんできなくなっていきます。さらに、ガンなどの病気にかかりやすくなるリスクも高まります。
20代、30代の頃にできた働き方が40代以降になるとできなくなる可能性は十分にあります。そういった体力面の衰えとともに、時代の激しい移り変わりなどによる精神的な疲れも感じやすくなるかもしれません。また、年を重ねるにつれ、年下の担当者と付き合うことも増え、やりづらさを感じてしまう場合も。
このような不安を解消するには、早いうちから体に負担をかけない働き方を探り、無理なく稼げる仕組みを作る努力をする必要があるでしょう。
不安②:「社会保障が薄い」
フリーランスライターとして働く場合、個人事業主となり、国民年金に加盟することになります。会社員などの場合は、厚生年金または共済年金に加盟しており、国民年金に上乗せする形で保険料を納めているため、受けとれる年金の額がフリーランスよりも多いのです。これは、フリーランスにとっては、非常につらいところですよね。
そんな社会保障に不安を抱えるフリーランスが受けられるサービスとして、以下の2つをご紹介します。
① 文芸美術国民健康保険組合
国内で美術や文芸、音楽など著作権活動に従事し、各組合に加盟していることが条件で健康保険を利用可能です。収入金額に関わらず、保険料が一定料金となり、収入が多い人にとってはメリットがあることでしょう。
② クラウドワークスが提供するフリーランスライフサポート
フリーランスライターの場合、国民健康保険に加入することになりますが、その場合、病気やケガで休んだときの「傷病手当金」の制度がありません。そのため、医療保険への加入を検討する必要がありますが、国内のクラウドソーシング会社「クラウドワークス」が提供するフリーランスライフサポートでは、「就業不能保険」のサービスを扱っています。こちらも、一度チェックしておいてもいいでしょう。
不安③:「収入が不安定」
フリーランスライターの不安の種になっている、もっとも大きな要因は「収入が不安定であること」です。これは、原則、毎月決まった額の給料が支払われる会社員とは、大きく異なる点でもあります。フリーランスライターの場合でも、毎月決まったお仕事をこなすこともありますが、単発で入ってくるお仕事も多く、収入の波は大きなものになってきます。
フリーランスライターが成功するためには
では、そんな不安を抱えることが多いフリーランスライターが成功するための勝因はどこにあるのでしょうか? とくに資格などがなくてもできる仕事だからこそ、戦略的な働き方が必要になります。
自分の売り出しポイントを見極める
フリーランスライターは、正直専門分野がなくても始めることができます。ただ専門分野がないと、後々苦労することにはなるでしょう。なるべく、趣味や特技、今までの職業経験などから得意分野を割り出し、専門分野としてアピールできるようにしておきましょう。また、その際、自分が将来的にやりたいことも意識することが重要です。自分がやりたい分野、できる分野を見定めて、営業をするよう心がけてください。
ポートフォリオを作成する
フリーランスライターとして実績を積んできたら、ポートフォリオを作成する必要があります。一番良いのは、プロフィールやこれまでの実績、ブログなどのリンクも貼ったホームページ。現在では、素人でも簡単にホームページが作成できますので、デザイン性が高いものでなくても、わかりやすい内容で作成してみましょう。
また、ポートフォリオを作成したら、更新も頻繁に行うことが重要。当然、ほったらかしていてはダメです。そういったこまめな作業によって、受注できる案件がランクアップする可能性が高まります。
複数の収入源を作っておく
フリーランスライターになると、複数社と取引するのが当たり前になりますが、場合によっては1社から大きな収入を得られることも考えられます。しかし、そうなったとき、収入源を1社に絞ってしまうのは非常にリスクがあります。なぜなら、その会社の業績不振やプロジェクト中止などにより、依頼が打ち切られる可能性があるからです。
そういったリスクを回避するためにも、できるだけ複数社から収入を得られるようにしておいたほうが安心。自身のスケジュール状況にもよりますが、営業も継続して行っておくといいでしょう。
自己管理能力を高める
フリーランスライターは締切こそあるものの、いつ、どこで仕事をするかは比較的自由です。そのため、ついつい締切ギリギリまで後回しにしてしまったり、サボりたい衝動に駆られることも少なくありません。現に、締切を守れないライターは世の中に大勢います。逆にいうと、締切をきっちり守って漏れのない原稿を納品できるライターは、それだけでも優秀と判断されるのです。
フリーランスには有給休暇もありませんので、自身で体調管理やスケジュール管理を徹底させなければ、継続的に安定した売り上げを保っていくのが、非常に難しいのです。
断る勇気を持つ
フリーランスライターは「選択する自由」がひとつの特権だといえます。フリーランスになりたてのころは、仕事を探すことに必死になっているかもしれませんが、そのうち軌道に乗ってくると、1人では対応しきれない仕事量を受注する可能性も出てきます。そうなったとき、自分自身と相手先のどちらの都合も考慮し、断るべきだと判断した仕事については、きちんと断らなければなりません。
たとえば、締切に遅れて先方に迷惑をかけたり、自身が体を壊してしまっては、いい結果にはつながらないですよね。安請け合いはやめましょう。
フリーランスライターの不安は多いが、成功は自分次第
フリーランスライター1本で生計を立てていくことは、決して簡単ではありません。人によっては、いばらの道という人も…。それでも、フリーランスライターになってよかったという意見も多くあります。2015年度版小規模企業白書でも、「仕事の自由度や裁量の高さ」、「仕事の内容ややりがい」、「プライベートとの両立」では、満足しているとの回答が約7割を占めていました。
年収の高さを求める人には、フリーランスライターはあまりお勧めしませんが、仕事の自由度ややりがいなどを求めるならば、満足できる仕事と言えるかもしれません。数々の不安はどうしても抱えてしまいますが、戦略的に仕事をこなしたり、フリーランスだからこそ使えるサービスを利用するなど工夫することで、その不安をひとつずつ消していきましょう。
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