子会社から親会社への”逆出向”で生まれる2つの問題点
出向とは親会社から子会社に出向いて働くこと
逆出向という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。グループ企業に勤務されている方なら体験されたことがあるかもしれません。通常の出向とは親会社から子会社へ異動し、子会社で働くことを指します。この場合、子会社で働いていますが、所属は親会社になります。
逆出向とは逆に子会社から親会社で働くこと
逆出向とはグループ会社内で子会社から親会社に異動することを指します。この場合、親会社で働いていますが、所属は子会社になります。逆出向が行われる理由としては、親会社で経費削減のため、人員整理や派遣社員・契約社員の解雇が行われ労働力が不足したときに、子会社から人を派遣してもらうことにより、親会社の労働力を確保しようというのが狙いになります。子会社も人が少ない状況かもしれませんが、親会社の都合で振りあわされる可能性があります。そして、この逆出向による問題がいくつか噴出しています。
逆出向による問題 ①:親会社の給与体系が適用されない
逆出向による問題のひとつめは、月収の問題です。子会社から逆出向で来た社員は、親会社で、親会社の社員と同じ業務をこなします。しかし、親会社の社員と子会社の社員の給与を比較したときに、親会社の社員の給与の方が高いことは誰もが知る周知の事実です。同じ業務をしていても、子会社の社員は親会社の社員と比較し、低額での勤務を強いられることになってしまいます。
子会社の社員は親会社では肩身が狭い思いをする
子会社の社員は所詮子会社の出身です。親会社というアウェイで親会社の社員と働いていかなければなりません。いつも親会社の社員に気を使いながら働いていかなければなりません。歴史の古い会社ほど、親会社と子会社の立場の差は歴然としています。配属される職場にもよりますが、出向と逆出向では大きな違いがあります。
逆出向による問題②:子会社の管理職も親会社では一般社員に
逆出向による問題の2つ目は、子会社で管理職だった人が親会社で管理職扱いにならなくなった場合です。もし、親会社に逆出向になり、残業が頻発する部署に配属になったときに、親会社での立場は役付きではないため、親会社の上司に命令されるまま、残業をさせられるかもしれません。そして、残業代の扱いはどのようになるのでしょうか。
親会社で残業しても子会社の管理職なら残業代は出ない
親会社に逆出向になっても、所属は子会社のままです。給与体系は子会社の給与が適用され子会社で管理職であれば、残業代は支給されません。よって、親会社でいくら残業しても管理職扱いのため、残業代が支給されなくなってしまいます。この問題を解決しようする場合は、親会社の担当と子会社の担当と本人とで話合って解決します。仮に労働基準監督署が親会社に入った場合は、この逆出向の社員に対して残業代を支払うよう、親会社と子会社に指導が入る可能性があります。
逆出向では親会社で働いても給与面では子会社の待遇にされてしまうという問題がる
子会社から親会社へ異動するという、逆出向による問題を2点あげました。出向については良待遇ですが、逆出向は悪待遇になる可能性があります。弱い立場の人間が強い立場の集団の中で働くので何かと気を使うことになりますし、子会社の社員は親会社で肩身の狭い思いをしなければなりません。ちなみに、逆出向により親会社に登用され出世することは、残念ながらあまりないようです。
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