日本の法律で定められている定年退職の年齢と再雇用の関係
定年退職制度は日本の法律で義務化されている訳ではない
日本の定年退職制度は、法律で設置が義務化された制度ではありません。なので、定年退職制度の有無から定年退職制度の内容まで、会社が自由に定めることができます。
定年退職制度を定めなくてもよいし、定年退職年齢を80歳に定めてもよいのです。ただ、社員をいつまでも雇っておくわけにはいかないですよね。
定年退職制度は会社ごとに異なるので就業規則を確認する
しかしながら、日本の会社の多くは定年退職制度を定めています。定年退職制度がなければ、70歳80歳の社員に退職してもらうために、場合によっては「リストラ」や「解雇」といった強硬手段をとらなければならなくなりますよね。
労働協約などで、あらかじめ退職年齢をとり決めておけば、スムーズに退職手続きをとることができるのです。定年退職制度については、入社するときの労働協約や社内の就業規則、定年退職規定に記載がありますので確認しておきましょう。
定年退職年齢は下限が法律で決められている
上で、日本では定年退職制度について定めた法律はなくすべて会社の裁量による、と書きました。しかし、一つだけ「定年退職年齢の下限」については法律で定められているので、会社は法律で定められた下限年齢を下回る退職年齢を定められません。
法律では「60歳を下回る定年年齢を定めることはできない」と決められており、日本の会社の多くが定年退職年齢を60歳と定めています。
法律では誕生日の前日が定年退職の年齢
ちなみに、法律ではその年齢に達するのは「誕生日の前日」となっているので、正確にいうと、60歳の誕生日の前日以降が定年退職日となるわけです。4月1日生まれの方であれば、前日の3月31日に60歳となり、その日以降に定年退職となります。
定年退職日については「誕生日に退職」や「誕生日以降の最初の月末・年度末」など、会社によって様々です。自分が勤めている会社の定年退職年齢や定年退職日については、就業規則などで確認しておきましょう。
日本の会社は65歳まで雇う義務がある
日本では、長らく60歳での定年退職が主流となってきましたが「高年齢者の雇用の安定等に関する法律」の成立により、会社は希望する社員全員を65歳まで継続雇用する義務を負う運びになりました。
この法律により日本の会社は「定年制度の廃止」「定年年齢の引き上げ」「再雇用制度の導入」のいずれかの方法で社員を65歳まで雇わなければいけません。会社の多くは、人件費の負担を軽くするために「再雇用制度の導入」を選択しています。
65歳までの雇用が保証されるようになって
この場合、60歳を定年年齢とした定年退職制度は維持したまま、正社員雇用だった社員をパートや嘱託社員に切り替えて雇うことができるので、人件費の負担を軽くできるのです。
法律成立により、再雇用後は定年退職前よりも待遇や給与は下がるものの、労働者は65歳までの雇用は保障される運びになりました。
日本の再雇用制度で65歳まで雇用が保証される!会社の定年退職年齢は就業規則を確認しよう
以上が、日本の定年退職年齢と再雇用制度についてです。上記の通り、定年退職年齢やや再雇用制度は、会社の裁量が大きいので、自分が勤めている会社の定年退職制度や再雇用制度がどのような内容になっているのか、あらかじめ確認しておきましょう。
定年退職後の生活設計をするうえで、定年退職時の退職金や再雇用後の給与や待遇は、正しく把握していなければいけないからです。
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