夏季休暇が労働基準法で休日ではなく休暇扱いになる理由
労働基準法における休日と休暇とは?
夏季休暇が労働基準法で休日ではなく休暇扱いになる理由をご存知ですか?実は、労働基準法によって、休暇期間中に休暇扱いになる基準が決まっているのです。
まず労働基準法に基づいた夏季休暇について説明する前に、休日と休暇について知っておきましょう。
休日:労働の義務がない日
休日には法定休日と法定外休日の、2種類があります。労働基準法では1週間で1日の休日、4週間で4日の休日を定めており、これを法定休日と呼びます。
そしてそれ以外に会社から与えられる休日を、労働基準法では法定外休日と呼びます。土日が休日の会社で考えるならば、土曜は法定外休日であり、日曜は法定休日といった具合です。簡単に言うと、労働の義務がない日という事ですね。
休暇:労働義務がある日に会社が労働を免除する日
休日に対し、労働の義務はあるが労働者が求めることにより労働の義務を免除する制度を「休暇」と呼びます。休暇とは労働者に労働する義務がある日に、会社がその労働義務を免除する日のことです。
主に年次有給休暇、慶弔休暇が挙げられます。労働基準法により定められている休暇は年次有給休暇であり、夏季休暇は労働基準法の定めるところではありません。そのため夏季休暇がある会社もあれば、夏季休暇がない会社も存在するのです。このように夏季休暇については、まず「休日」と「休暇」について知っておきましょう。
なぜ多くの会社が夏季休暇を曖昧にしている?
慶弔休暇や結婚休暇など、個人に起きた出来ごとによる休暇を労働規則で定めている会社は多くあります。当然、「慶弔休暇も結婚休暇もないような会社では働けない!」なんて反発が起きてもおかしくないので、会社としては定めざるを得ない事情があります。
しかし夏季休暇に関しては、労働規則で定めず曖昧にしている会社が多いのが現状です。休日に対し、労働の義務はあるが労働者が求めることにより労働の義務を免除する制度を休暇と呼びます。
主に年次有給休暇、慶弔休暇が挙げられます。労働基準法により定められている休暇は年次有給休暇であり、夏季休暇は労働基準法の定めるところではありません。そのため夏季休暇がある会社もあればない会社も存在するのです。
夏季休暇は会社にとってメリットが無いから
労働基準法で定められている以上、年次有給休暇について労働基準法で定めるのは会社の義務ですが、前途したように夏季休暇は義務ではありません。つまり会社から従業員へ「善意で付与される休暇」となります。会社からすればメリットはありませんね。
メリットがない上に労働規則で定めてしまうと変更の自由度がなくなるため、万が一労働力が必要というときに夏休み休暇期間中で人出が足りないなんて状態を避けることができます。
夏季休暇を曖昧にしているとトラブルになる可能性が
初めから「うちには夏季休暇はない!」と定めていればトラブルになることはありませんが、曖昧に夏季休暇を定めているとトラブルの原因となる可能性があります。夏季休暇が法定外休日に分類されるのか、休暇に分類されるのかにより会社の対応も変わるのです。
従業員は労働基準法に基づいた夏季休暇を理解しておくべき
もしも夏季休暇が法廷外休日ならば、夏季休暇中に出勤すると休日出勤の割増賃金が発生します。そして休暇ならば、もともと労働の義務がある人を休暇にするので割り増し賃金が発生しません。夏季休暇の線引きを曖昧にすることで、上記のようなことから労使トラブルへと発展することがあります。
そのため会社は夏季休暇について労働基準法で明確に定める必要があり、従業員はそれをしっかりと理解しておく必要があります。労働基準法を含めて、ないのかあるのかをハッキリさせておくことが大切です。
労働基準法で夏季休暇は定められていない!休日扱いにはならないので注意
夏季休暇が労働基準法で休日ではなく、休暇扱いになる理由をお教えしました。多くの労働者が夏季休暇は労働基準法で定められていると勘違いしていますが、実際はそうではないので注意しましょう。
もしも労働規則を確認しても夏季休暇についての定めがなければ、労働基準法を把握したうえで、上司もしくは人事に相談することが大切です。会社は労働規則にて夏季休暇をしっかりと定め、労働基準法にのっとって定めていきましょう。
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