労働協約と就業規則はどちらが優先?労働基準法との関係
労働協約とは労働組合と会社側が労働条件に関して合意したもの
労働協約は、労働組合と会社側が労働条件に関して合意した内容を文書にします。そのため、就業規則が会社側が一方的に決めたものであるのに対し、労働協約は労働者と会社側の協力、調整によって出来上がる合意なのです。
労働協約は原則として、それを締結した労働組合員にのみ適用されます。しかし、労働組合が一定の規模を満たすと、その締結した労働協約は社員全体に適用される場合も。
労働協約の期間は最長3年で廃止する際は90日前に予告する
労働協約に期間を定める場合は、上限は3年と規定されています。期間を定めず、労働協約を廃止する際には、予告を90日前にしなければいけないと定められています。
他にも、労働協約の内容に関してはその内容を尊重しなければいけない、といった「平和義務」という制約も労働協約に存在します。
労働協約の方が就業規則よりも効力が強い
労働者が気になるのは、就業規則と労働協約の効力関係にですよね。一体両者が齟齬をきたした場合には、どちらが優先されるのでしょうか。
その順位はまず労働基準法です。労働基準法が最も優先されます。ついで労働協約、そして会社の就業規則になっています。実は労働協約は就業規則よりも効力が強いのです。
労働契約は就業規則よりも優先度が低い
個別に労働者と雇い主との間で契約される労働契約は、就業規則よりも優位性が低くなっています。そのため、仕事をする際に必ず取り交わされる労働契約は、数々の就業規則や協約などの制約の上に作成されているのです。
逆に言えば、それだけ労働基準法の内容は大事であるとも言えるでしょう。雇い主は特に、労働基準法に違反しないよう努めることが大前提です。
労働基準法の内容を踏まえて労働協約は作成・合意される
労働協約は、労働基準法の内容を越える条件で合意することはできません。例えば、労働基準法で1日の労働時間が8時間とされていたら、労働協約でも労働時間を8時間以上にすることは不可能です。
そのため、労働協約を考える上においても、労働基準法の条文が大事になってきます。
労働協約や就業規則の大本が労働基準法
労働協約にしても会社の定める就業規則にしても、労働基準法がその大本です。一度労働基準法をしっかりと学んでおくと、色々な規定が見えてきます。
労働環境で曖昧になりがちな部分を、きちんと明示しているのが労働基準法なのです。労働基準法自体は短い法令ですから、空いた時間にでも読んでみましょう。ビジネススクールなどでも、労働基準法の読み合わせ等が行われていますから、参加してみるというのもおすすめですね。
労働協約は就業規則より効力が強いが最優先されるのは労働基準法
労働協約と就業規則はどちらが優先?労働基準法との関係と題して、労働協約と就業規則、そして労働基準法との関係について説明しました。
労働協約は言わば、会社と労働者での取り決めです。就業規則はこの労働協約の制約を受けるもので、労働協約を越える就業規則は作れません。労働基準法は全ての基礎になりますから、自分自身で理解しておくと、規則への理解が更に上がってきますので一度は勉強しておきましょう。
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