蕁麻疹発症におけるストレスの関係性と対処法
蕁麻疹とは?
今回は蕁麻疹の種類と対処法をみてきます。はじめに注意していただきたいことがあります。この記事は医学・医療に関する知識や情報、理解を深めるものです。特定の治療法や医学的見解の支持、推奨する記事ではありません。さっそく蕁麻疹についてみていきます。
皮膚の一部が蚊に刺されたように赤く膨らみ、かゆみを伴う病気
蕁麻疹とは皮膚の一部が蚊に刺されたように赤く膨らみ「膨疹(ぼうしん)」、かゆみを伴う皮膚の病気です。皮膚がぶつぶつや赤い斑点、ミミズ晴れになるのが蕁麻疹です。
蕁麻疹の病名は昔、人が蕁麻(イラクサ)の歯に触れると表れた皮膚症状に似ているからつけられたという説があります。
蕁麻疹の原因は、皮膚の表層の浮腫性の変化が起きたため、皮膚に多数存在するマスト細胞の活性化してしまうからと言われています。
数分から数時間で跡形もなく消えるのが特徴
人の体質によりますが、蕁麻疹は症状が出て数分、数時間で跡形もなく消えるのが特徴です。半日や一日蕁麻疹の症状が続く場合もありますが、おおむね数分から数時間の間で蕁麻疹は消えます。
あらゆる場所に広範囲で広がることも
蕁麻疹の症状が現れる場所は決まっていません。腕、足、顔にも出る場合もあり、初めは小さな点だったものが、広範囲で広がることもあります。広がる形も円状や直線型など、さまざまです。二の腕の一か所だけと思いきやもう片方の腕にぼつぼつ出現したりと、パターンはまだわかっていません。
蕁麻疹はかゆみを伴うと説明しましたが、人によってはチクチクと焼けるような痛みを感じる場合もあります。
蕁麻疹の種類
蕁麻疹の症状や特徴をみてきましたが、いかがでしたか。蕁麻疹の症状は長くは続かないといっても、辛いことには変わりませんよね。一口に蕁麻疹と言ってもさまざまな種類があります。大きくわけて4つの種類に分けられます。
慢性蕁麻疹
蕁麻疹を発症して症状が一ヶ月続くものを慢性蕁麻疹と呼びます。慢性的な蕁麻疹は蕁麻疹独特のかゆみや痛みが長く続くため、ストレスにより精神的にもダメージを受けます。ちなみに日本では蕁麻疹の症状が4週間以上続くと慢性蕁麻疹としていますが、イギリスでは6週間以上になっています。
慢性蕁麻疹という言葉から勘違いしていますかもしれませんが、症状が出る時間ではなく、期間が慢性という意味です。
急性蕁麻疹
急性蕁麻疹は慢性蕁麻疹からわかるように、症状が1ヶ月で治まることを指します。体調不良のときに二の腕にブツブツと出て、体調がよくなると同時に消えるのが急性蕁麻疹です。
何か突発的なことが原因で起きる場合があります。病院の治療で改善されるケースもあります。
急性蕁麻疹の原因は明らかになっていない場合が多々あります。原因がわからないと不安になってしまうかもしれません。いつから蕁麻疹の症状が出たかをきちんと把握しておく必要があります。熱が出たときに必ず発症するや、強いストレスがかかると症状が出るなど、「いつ・どこから?」が重要です。
アレルギー性蕁麻疹
アレルギー性蕁麻疹はアレルギー性結末炎やアレルギー性鼻炎など同じようにアレルギー性の1種です。アレルギー性蕁麻疹も病原性のないものに対して過敏に反応する状態・現象です。
予防策はアレルギー(アレルゲン)に接触しないことです。原因が不明の場合は、病院・皮膚科でかゆみなどの薬が処方されるケースが多く、医師の話を聞いて、従ってください。
物理性蕁麻疹
物理性蕁麻疹は物理的に刺激を受けた箇所が蕁麻疹の症状がでます。例えば、物理性蕁麻疹の寒冷蕁麻疹や温熱蕁麻疹はエアコンなどが体を刺激することによって、膨疹がでます。
物理性蕁麻疹はアレルギー体質ではない人でも発症する場合があります。エアコンの寒冷が原因ではなく、巻き上がるハウスダストの影響かもしれません。物理性蕁麻疹だと思ったときは、症状が出る特定の状況をきちんと把握しておきましょう。
何がきっかけ(トリガー)で蕁麻疹の症状が出るのか。ただし、医者に説明する際は客観的事実だけ伝えるようにしてくださいね。
蕁麻疹の原因とは?
蕁麻疹にはさまざまな種類があることはおわかりになりましたでしょうか。蕁麻疹に種類がある分、原因もあります。果たしてどのようなことが蕁麻疹の原因になるのでしょうか。
アレルギー性蕁麻疹の場合は食べ物や植物
アレルギー性蕁麻疹は食べ物や植物、昆虫、そして薬剤などが挙げられます。
●食べ物
肉類、乳製品、たまご、エビ、小麦、そば、野菜、魚介類、食品添加物
●食べ物・昆虫
杉、松、蕁麻、いもむし、ハチ
●薬剤
抗生物質、弛緩剤、麻酔、咳止め、解熱鎮痛剤など
●そのほか
カビ、細菌、ウイルス、寄生虫、発汗
物理性蕁麻疹はエアコンやお風呂が原因
物理性蕁麻疹の原因は種類が多いです。
寒冷蕁麻疹:エアコンの冷気などによって、皮膚の一部の温度が下がるため
温熱蕁麻疹:お風呂や布団のあたたかい刺激によって皮膚の一部の温度が上がるため
機会性蕁麻疹:腕時計のバンドの締め付けやバッグの持ち手など、皮膚が外部からの刺激によるため
日光性蕁麻疹:紫外線の強い季節に直射日光があたって、皮膚を刺激するため
ストレスが原因で蕁麻疹が発症する場合もある
蕁麻疹の原因がストレスという場合もあります。ストレス社会と言われている昨今。ストレスがない場所はないとも言われています。
ストレスの限度を超えてしまうとさまざまな病気を引き起こします。ストレスが原因と聞くと真っ先に胃腸系を連想してしまうかもしれませんが、蕁麻疹も発症する可能性は十分考えられます。
蕁麻疹の対処法
蕁麻疹の原因をいくつか紹介してきました。続いて蕁麻疹の対処法をみてきましょう。原因は食べ物や外因性の刺激、ストレスなどありました。はたして蕁麻疹にはどのような対処法があるのでしょうか。
ストレスの原因を突き止める
蕁麻疹の原因がストレスの場合はまずはストレスの原因を突き止めましょう。職場の上司や同僚などの人間関係なのか、立地的なストレスなのかを突き止める必要があります。
ストレスの原因を突き止めたら、次は向き合いましょう。
そのストレスは解消できるものなのか、付き合い続ける必要があるのか、そうした場合、自分はどうストレスを付き合っていけばいいのか考える必要があります。
アレルギー性は「いつから・どんな時にかゆくなる」を理解する
アレルギー性蕁麻疹の場合は「いつからかゆくなったか」、「どんなときにかゆくなった」などの蕁麻疹の症状がでる状況を理解する必要があります。
状況が理解できれば、アレルギー反応を起こしてしまうものから避けることができます。
症状が出たら安静にして冷やす(寒冷蕁麻疹は除く)
蕁麻疹の症状が出たら、出来るだけ安静にして皮膚を冷たいタオルなどで冷やします。ただし、寒冷蕁麻疹は冷やすことで発症するので避けてください。摩擦や圧迫刺激などの刺激はなるべく与えないでください。なぜなら血行がよくなると蕁麻疹が活発になってしまうからです。
症状がひどい場合は病院に行く
蕁麻疹の症状がかゆみだけで終わらない場合があります。体質によって蕁麻疹の症状が異なり、呼吸困難に陥ってしまうケースも。そのような蕁麻疹の症状が出たら我慢せずに病院にいきましょう。もちろん蕁麻疹の症状がひどくなくても病院にいくことをオススメします。無理に我慢してストレスが溜まってしまうと、別の病気を誘発してしまうかもしれないからです
蕁麻疹に関する注意点
蕁麻疹の対処法をみてきましたが、参考になりましたでしょうか。最後は蕁麻疹に関する注意点をみていきましょう。蕁麻疹は誰にでもかかる可能性がある病気です。まずは病院で治療し、原因を解明しましょう。
どんなにかゆくてもかかない
蕁麻疹の症状が出るとかゆいです。しかし、だからといってひっかいてはいけません。かけばかくほど、蕁麻疹の範囲がひろがり、かゆみが強くなります。そのループに入らないようにかゆみを感じたら、冷やす処置をしましょう。
人に移らないので過剰反応しない
蕁麻疹は人にうつりません。また遺伝もアレルギー体質を除いてありません。ですので、蕁麻疹だから人に会わないという配慮は不要です。また蕁麻疹の症状が出ても人にはうつりません。過剰に反応しないようにしましょう。
薬の投薬を自分で判断しない
蕁麻疹治療には薬物療法を行う場合があります。薬のおかげで症状が出ないからと言って、自分で判断して薬の内服を中止しないでください。必ず担当医の指示にしたがってください。
大事なのは治療を諦めないことです。薬の効能はひとそれぞです。一回の治療で治る人もいれば、治療期間が長く続くこともあります。蕁麻疹の治療は根気強く続けましょう。
蕁麻疹の原因はさまざま!ストレスの可能性もある
今回は蕁麻疹発症におけるストレスの関係性と対処法についてみてきましたが、いかがでしたか。ストレスが原因で蕁麻疹になる場合も十分考えられます。その場合はストレスの原因を見つけて、向き合って改善する努力が必要です。そのままストレスをためておくと違う病気を発症してしまうかもしれません。
蕁麻疹の原因は一つではありません。まだまだ解明されていない原因もあります。まずは病院で治療しましょう。
自己判断を行わずに、症状が出たらまずは落ち着いて、自分ができる最大限のことをするのが大事です。
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