年末調整後やってくる扶養控除等の是正の仕方
是正方法①:該当社員が辞めてしまっていた場合
扶養控除申告書は自己申告が前提です。なので、そのまま年末調整する会社がほとんどなのですが、時間が経ってから税務署よりお尋ね用紙が送られてくる事があります。年末調整の際の数値が誤っていれば扶養控除等申告書を正すだけでも良いのですが、それ以外の場合を見ていきましょう。まずは社員がすでに在籍していない場合です。
退職の事実が確認できる書類を添付して郵送
まずは扶養控除等の是正結果回答書にある受給者氏名欄に書いている人が在職しているかどうかを確かめます。年末調整時にはいたとしても、その後、該当社員が退職してしまっていた場合には、○年○月○日退職と書き、退職所得の源泉徴収票等の退職の事実が確認できる書類を添付して郵送する必要があります。年末調整後、本人が会社に在籍していなくても扶養控除等申告書の是正は提出する必要がありますので注意しましょう。
是正方法②:是正済みの場合
扶養控除等の是正結果通知書にある誤りと認められる箇所をまずは確認しましょう。年末調整の際に間違ったまま提出していたかもしれません。氏名や控除の種類、誤りの内容と誤り年数分をちゃんと確認して、その当時の年末調整の際に実際にその所得控除を適用したのかどうか判断します。確認したうえで是正されていると判断された場合、どうしたらよいのでしょう。
是正済みと記入し是正後の源泉徴収票などを添付して返送
まずは社内に保管されている源泉徴収簿および給与所得者の扶養控除等申告書を見て確認する必要があります。また、記載されている年の年末調整だけに限らず、過去3年間の処理も確認しましょう。追加で納付する税額は受給者から徴収して扶養控除等の是正結果回答書に同封されている納付書によって是正を行った年分の12月分として納付する必要がありますので注意して下さい。年末調整が終わってからもこのように扶養控除等申告書を利用することがありますので、内容をすぐに確認できるように資料はきちんと整理しておいておくようにしましょう。
もし、確認後に是正済みだと分かった場合には、摘要の欄に是正済み○年○月○日○円納付済みと記入して是正後の源泉徴収票などを添付して返送します。また、扶養控除等申告書の是正によって納付額が発生しないのであれば是正済みだけを記入して返送しましょう。
是正方法③:誤りがない場合の具体的処理方法
会社で保管している書類でまずは確認をしますので、その際に、書類自体に計算ミスがない場合は直接本人が是正をする必要があります。年末調整の際に本人がミスをしている可能性もあります。受給者本人に扶養控除等の是正通知書の内容を説明した上で事実確認しなければなりません。
適用の欄に適正と記入し返送
年末調整の際に誤りがなかった場合には適用の欄に適正と記入して返送しましょう。もし、年末調整後に自分自身で適正額を計算して確定申告していた場合には、摘要の欄に○年○月○日○○税務署確定申告済みと書いて返送しましょう。
扶養控除等申告書の是正の手続きというのは事実確認のために資料が必要になったり、年末調整の計算をまた行う必要があったりとかなり余計な手間がかかるものです。年末調整を行う時には各従業員に対して配偶者や扶養親族の所得見積額をしっかり行う必要があるという事です。
忙しい時期ではありますが、のちのち確認作業が増えますので、年末調整の際は注意して作業するようにしましょう。
年末調整後の扶養控除等申告書などの是正では事実確認をしたうえで返送をする
年末調整後に扶養控除等申告書の是正についてお尋ねが来た場合の対処方法について書いてみました。理解して頂けたでしょうか。それぞれまずは本人と書類を確認し、必要な言葉を記入したうえで返送すれば大丈夫です。
しかし扶養控除等申告書是正の手続きは結構面倒なので、年末調整の際には慎重に申告書などを確認しておくといいでしょう。従業員から提出された際には扶養親族の所得見積額の見積もり額などをしっかり確認しておきましょう。
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