気象予報士の気になる平均年収と4つの就職先
おさらい!気象予報士って?
まずは、年収や仕事内容を紹介する前に、気象予報士についてみていきましょう。知っている人も多いと思いますが、そもそも気象予報士ってなんなのでしょうか?おさらいも含めて紹介します。
注意:本当に空を見上げて天気を見ているわけではありません
気象予報士というのは、天気を読む仕事をしています。防災情報と密接な関係を持つ気象情報が、不適切に流されて社会に混乱を引き起こすことのないようにしています。まずは気象庁から提供される、高度な予測データを受け取ります。そして正しくデータを見て、その情報を正確にかつ分かりやすく加工して、一般の人へ届けているのです。
本当に空を見て予想しているのではなく、専門的な数値やデータを解読している技術者の様なものです。車を運転したり、船を運転したりした時に免許がいるように、気象予報士もその免許がいるということなのです。
気象予報士になるにはまず資格試験に合格する
気象予報士はそもそも資格の名前です。気象予報士になって就職するためには、資格試験に合格しなければなりません。では、気象予報士の資格試験はどのような内容で、合格率はどの程度なのでしょうか。まずはその点を見ていきましょう。
試験には「学科」と「実技」がある
気象予報士の資格試験には、学科試験と実技試験があります。さらに、学科試験は「一般」と「専門」の2分野に分かれます。この2分野は両方合格する必要がありますが、片方だけ合格したら、その後2回の試験まではその合格が引き継がれ、もう片方と「実技」合格すれば合格となります。
実技は実際の気象現象の資料を渡され、そのデータに基づいて天気を予報したり気圧配置を調べたりする試験です。
近年の合格率は4.5%前後
気象予報士の試験は学科と実技の合計点を判定する絶対評価です。その合格率は非常に低く、近年は4.5%前後で推移しています。3,000人が受験しても100人強しか合格しない、難易度の高い資格試験であるといえます。
資格取得後、気象予報士としての登録が必要
資格試験に合格しても、すぐに気象予報士としての仕事ができるようになるわけではありません。合格後、書面またはオンラインで、気象庁に登録申請をする必要があります。申請後審査が行われ、約2週間で気象庁長官に登録されます。このように登録してはじめて、業務としての気象予報が許可されるのです。
気象予報士の年収大公開!気になる収入って?
それでは、気象予報士の年収は、どれくらいなのでしょうか!?そこに関して調べてみましたので、見ていきましょう。
実は、平均的なサラリーマンとそれほど差はないようです。
初任給は一般的な総合職並みの18万円
気象予報士といえば国家資格でもありますので、給料もいいのではないか。そんな風に思っている方もいると思います。しかし、民間の気象会社に入社した場合には、平均的なサラリーマンとほとんど差がないようです。推定での初任給は18万円くらいみたいですが、気象庁になりますと、国家公務員の資格が必要ですが、公務員なりの収入になるそうです。
気象予報士の資格をとり、お天気キャスターになりたいと考えている人っていると思います。そのお天気キャスターの平均収入は、年収で約600万円くらいだそうですが、資格を持っていれば誰もがなれるわけではなく、需要も少ないので、お天気キャスターになれる人は極めてわずかだとも言われています。
基本的に正社員での平均は480万円
気象予報士の正社員の平均年収は、500~600万円とも480万円とも言われています。つまり、雇用形態や企業によって、違ってくるようです。基本的に、正社員での平均は480万円みたいです。
ボーナスが出たりする企業があるので、500~600万円の年収の人もいます。その他、アルバイトや契約社員の雇用形態もあり、その場合には平均年収も下がるようです。
気象予報士の就職先ってどこ?
気象予報士の資格試験と平均年収をご紹介しました。本当に空を見上げているわけではありません。きちんと高度なデータから情報を読み取って、私たちに性格な天気情報を教えてくれているのです。
では気象予報士の就職先とは、どういったところなのでしょうか?そこに関して調べてみましたので、見ていきましょう。気象予報士としての就職先は、大きく4つに分かれるようです。
気象予報士の就職先①:公務員として気象庁
気象予報士の仕事先の1つ目として、公務員になって働くケースがあります。公務員になるには公務員試験に合格しなければなりません。資格はそんなに簡単ではありませんが、資格をとった方が目指す就職先の選択肢が広がります。そして気象庁を仕事先として選ぶ方は多いようです。
ただ公務員試験には年齢による受験資格があります。そのため、就職したい場合はだいたい20代半ばぐらいまでに挑戦しましょう。
気象庁の予報官には気象予報士資格がなくてもなれる
気象庁では全国に気象観測施設を設置し、データを集めて気象予報を出しています。気象庁には気象予報官という仕事があり、その人たちが予報を出すのですが、この予報官になるためには、必要な研修と長年の経験が求められるので、気象予報士資格は不要となっています。
しかし、知識をつけるためにも気象予報士資格をとってから気象庁の予報官を目指す人もいるようです。また、気象予報官に限らず、気象に関係する仕事のために気象庁を目指す人も多いです。
気象予報士の就職先②:気象会社
気象予報士の仕事先2つ目は、気象会社に勤めるというケースです。就職しているという数では、比較的気象会社が多いのではないでしょうか。会社の概要としては、気象予報を行う許可を気象庁から受け、さまざまな業種の会社に気象情報を提供しています。
農業・漁業から建設業、小売業など、気象会社の取引業種は多岐にわたっています。そういった情報のサービス会社としての事業も行っていますが、あまり認知度は高くはないようです。
気象に影響を受ける様々な業種に情報を提供する
天気の状況を把握しておきたい業種は想像以上に多くあります。船の航路を決定するため、建設作業をおこなう時期を選択するため、飲料品がどの地域でいつごろ、どれくらい売れるかを予想するためなど、様々な人が気象情報を必要としているのです。気象会社では、このような需要にこたえるために情報を提供します。
気象予報士の就職先③:放送業界
気象予報士の仕事先として、一番認知度が高いのが放送業界ではないでしょうか?放送業界が気象予報士の仕事先として認知されていると思いますが、テレビやラジオなどの放送局へ就職して働くというケースです。
キャスターだけでなく原稿の作成などの仕事もある
ただ、放送業界に就職イコールお天気キャスターというわけではありません。お天気キャスターの中には、気象庁が発表した天気予報を解説しているだけであり、気象予報士ではないというケースもあります。
では、放送業界での気象予報士の仕事として他に何があるかというと、気象データを解析・分析し予報を作成したり、それを分かりやすく伝える原稿を作成するなど、スタッフの一員としての業務を行うことも多いのです。
気象予報士の就職先④:一般企業
実は気象会社でも放送業界でもない一般企業にも、気象予報士として就職し仕事をしているという人がいます。一般企業で気象予報士の専門知識が活きる理由は、気象情報が求められているために気象会社が存在するのと同じです。
社内に気象予報士を置きたいケースもある
例えば農業への投資が挙げられます。天候に大きく左右される農業に投資する際には、その年の天気をできるだけ早く把握し、農業が好調になるか不調になるかを判断して、リスクを避けリターンを求めていかなければなりません。
また、ときにはどうしても社内に気象予報士を置きたいケースもあります。アパレルメーカーは、次のシーズンの気候が商品のトレンドに影響します。しかし、どのような商品を作っていくかは企業秘密の一部です。そのため、できる限り外部に頼らず、企業内だけで気象情報を得たいのです。こういった企業に就職するケースもあるようです。
気象予報士資格だけでは就職安泰とはいえない
気象予報士の就職先をご紹介してきました。様々な選択肢がありますが、共通して言えるのはどれも大きな需要がある仕事ではないということです。毎年2回の資格試験で多くの気象予報士が生まれていますが、各社では多くの予報士を雇うことはあまりしません。難易度の高い気象予報士資格ですが、それだけでは就職安泰とはいえないというのが現状のようです。
目指す就職先に合わせたプラスアルファを身につけていこう
そのため、気象予報士の知識を活かせる仕事に就職したいという場合には、気象予報士だけでなく、目指す就職先に合わせたプラスアルファを身につける必要があります。たとえば民間の気象会社で働く場合、基本の仕事はオフィスワークになります。パソコンスキルやITリテラシーに長けていれば武器になるでしょう。また、放送業界でお天気キャスターや原稿を書く仕事に就職するためには、分かりやすく情報を伝える技術が必須になります。
技術・サービスの進化によって新たな需要が生まれる可能性もある
気象予報士は供給が多すぎて、資格だけでは就職が難しいのが現状ですが、気象情報そのものの需要は尽きることはありません。近年は技術の発達によって、取得できるデータや、そこから予報できる期間がどんどん大きくなっています。さらに、情報機器が普及したことにとって新たなサービスが次々に生まれています。台風など自然災害に対する関心の高まりも相まって、新たなサービス・需要が生まれることもあるかもしれません。
気象予報士の平均年収は480万円!プラスアルファを身につけて就職を目指そう
気象予報士の平均年収と就職についてご紹介しました。平均年収は480万円程度のようです。気象予報士の仕事先としては、気象庁、気象会社、放送業界、一般企業が挙げられます。しかし、気象予報士資格試験の難易度の高さに対してその需要は多くないのが現状で、気象予報士として仕事をするためにはプラスアルファのスキルが必要になるでしょう。目指す就職先に合わせて、追加の能力も磨いていきましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません