【福利厚生費?それとも交際費?】忘年会の勘定科目はどちらが正解なのか
会社の忘年会
会社で年末に忘年会を実施するというところも多くあります。部署で忘年会、関係部署との忘年会、プロジェクト単位での忘年会、そして取引先との忘年会。忘年会続きで疲れたという人もいれば、忘年会ラッシュを満喫している人もいるでしょう。
忘年会の費用は福利厚生費?交際費?
忘年会の費用ですが、会社が経費として扱ってくれる場合も多いでしょう。ただ、これはどういった勘定科目で計上されるのでしょうか。すべて福利厚生費でよいのでしょうか。それとも交際費となるのでしょうか。
そこについては、税法によって、きちんと線引きがされているのです。
そもそも交際費とは
福利厚生費を理解するには、まず、交際費を理解することから始まります。法人税において、交際費等というのは、交際費、接待費、機密費その他の費用を指します。「法人がその得意先や仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待・供応・慰安・贈答その他、これらに類する行為のために支出する費用」、というふうに定められています。これは、理解しやすいところかと思います。
交際費の例外が、福利厚生費
ただし、先ほどの交際費の中で、次のものについては、交際費から除かれ、つまりは福利厚生費となるとされているのです。
一つ目が、専ら従業員の慰安のを目的として行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用。二つ目が、飲食等のために要する費用(専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用。よく5,000円で計上をわけているのは、このためですね。
そして三つ目が、広告宣伝費に該当するもの、四つ目が、会議費に該当するもの、そして最後に取材費用に該当するもの、となります。
忘年会が福利厚生費となる場合
つまり、忘年会においても、従業員等におおむね一律に供与される通常の飲食に要する費用、であれば、福利厚生費とすることができるというわけになります。
そのため、従業員全員を対象としていることが、大きなポイントとなります。一部の社員だけでは、ダメなのです。もちろん、一般的に考えて常識の範囲内のものであることも必要です。それであれば、福利厚生費として処理できるようになります。
忘年会が交際費となる場合
よって、すべての忘年会は福利厚生費とはなりません。たとえば、役員のみで忘年会を実施した場合は、交際費となります。
また、もし二次会があったとしても、その二次会は、全ての社員ではなく、有志のみだけが参加だったという場合には、この二次会の費用というのは、やはり交際費となります。
忘年会の費用は福利厚生費と交際費をうまく使い分けよう。
忘年会の費用、どういった基準で福利厚生費にするか、交際費にするか、理解できたでしょうか。逆に、どういった忘年会もすべて交際費で計上していた、というような場合には、ここで今一度見直してみましょう。
そうして今後はかしこく福利厚生費と交際費を使い分けていきたいものです。
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