残業をした際のタクシー代の経費申請について
残業した際のタクシー代を経費申請できる法律はない
「残業をした際のタクシー代を経費申請できるか」について、法律的には、何の定めもありません。労働基準法でも交通費の支給を定める法律というものはありません。一般的には、通勤にかかる交通費については通勤手当として支給されます。ただしこの場合には、「公共交通機関を基本としてできるだけやすい手段で通勤した場合の交通費」しか支給されず、タクシーなど公共交通機関の料金を超える交通費が発生した場合には、「会社が認めた場合は経費」となり「認めない場合には自腹で支払う」ことになります。
残業でのタクシー代を経費で認めるかは会社次第
会社が「残業をしていたのだからタクシーを使ったのもやむをえない」と判断すれば、タクシー代を経費と認めてくれます。つまり、残業をした際のタクシー代を経費で落とせるかは会社次第だということです。経費になると考えてタクシーを使った結果損を可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
残業のタクシー代を経費で落とせる会社は4割以下
実際に残業をした際のタクシー代を経費申請できるのでしょうか。ビジネスマンを対象にしたアンケートで、残業のために終電を逃してタクシーを利用した際に、そのタクシー代を会社に落とせるか聞いたところ、「落とせる」と回答した人は全体の4割以下で、半数以上の人は「私の勤務先では落とせない」ということが分かりました。「落とせる」と回答した人の中でも、「実際に経費申請をして、タクシー代を受け取っている」という人は「経費申請をしていない」人よりも少ない結果となりました。
職場に気を使ってタクシー代を経費申請できない人が多い
経費申請できるのにしない理由は、経費申請の手続きが面倒くさいのと、「会社に気を使って」「職場が経費申請できる雰囲気ではないから」でした。アンケートでは、建前と経費申請の現状に隔たりがあることを示しています。職務を果たすための残業なのですから、タクシー代を堂々と経費として申請できる環境が求められます。
残業でのタクシー代を経費申請する際は上司に事前相談する
残業をしたうえにタクシー代まで自腹で出すのは嫌という方もいるでしょう。タクシーを利用するなど、例外的な行為をするときには、事前に上司に報告・相談するようにしましょう。このとき、「終電に間に合わないから、タクシーを利用する以外に帰宅する方法はない」ということを上司に納得してもらえれば、後日タクシー代を経費申請しやすくなります。
タクシー代は確定申告で「特別支出控除」として申請できる
事前に相談したにもかかわらず、経費として申請できなくても、タクシー代を確定申告時に「特別支出控除」として申請することはできます。特定支出控除の対象は、「通勤にかかる交通費のうち、会社が支給している交通手当を超える分」です。なので、残業をした際のタクシー代を控除してもらうためには、領収書が必要です。残業でタクシーを利用したときには、領収書を忘れずにもらいましょう。
残業でタクシー代を経費申請できるかは会社次第で事前確認が大事
残業をした際のタクシー代の経費申請ができるかは企業によって異なります。また、建前と実情が異なるケースも多いので、新入社員や転職者の方は「経費にできるのか」がわかりづらい場合があります。まずはタクシー代を経費として申請できるのかを同僚や上司に相談してみましょう。残業してタクシー代まで自腹というのはなるべく避けたいものです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません