会社の健康診断は義務?発生する費用は自己負担か会社負担か
正社員に限らず健康診断を行うのは会社の義務!
会社にて健康診断を実施する義務がある
これに当てはまらない会社はそうはないと思いますが、”常時使用する労働者が一人以上いる場合”には、会社にて健康診断を実施する義務があります。つまり、労働者は基本的に”会社で健康診断を受けられる”はずなのです。
もしも、在籍している会社が健康診断を行っていないのであれば、必ず依頼するようにしましょう。
健康診断を受けるかどうかが、生死につながるケースだって大いにあり得るのですから。
事業者が健康診断を実施する責任を負っている対象者は、「期間の定めをなしとしている契約者(つまり正社員)」「労働時間が通常の労働者の労働時間の4分の3以上の者(アルバイト・パートなど)」です。
健康診断の義務は労働安全衛生法で定められている
会社に対する健康診断の義務は、厚生労働省が定める労働安全衛生法にて以下の通りに規定されています。
■雇入時健康診断(労働安全衛生規則第43条)
常時使用する労働者(一定のパートも含む)を雇入れる直前又は直後に実施する。
■定期健康診断(労働安全衛生規則第44条)
常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断を実施する。
■特定業務従事者健康診断(労働安全衛生規則第45条第1項)
坑内労働、深夜業等の有害業務に常時従事する労働者に対して、6ヶ月以内ごとに1回、
定期的に医師による健康診断を実施する。
健康診断の受診対象者は限られている?
会社で健康診断を受けられる労働者はどこまでが受診対象となるのでしょうか?答えは単純です。簡潔に言うのなら「1週間のうち4分の3以上を勤務」すれば受診可能です。
この条件を満たせば誰でも会社の義務で健康診断を受けられます。会社には、雇い入れている労働者の『健康管理の一環』として、定期的に健康診断を受けさせなければなりません。
正社員は全員が健康診断実施義務の対象者
正規雇用されている労働者、つまり正社員については全員が健康診断実施義務の対象者です。
契約社員などの場合は契約の更新によって1年以上の雇用が見込まれるなら健康診断の対象者です。
上記の「1週間のうち4分の3以上を勤務」というのはアルバイトやパートに対する決まりで、この条件を満たせば社員と同様に健康診断実施義務の対象になります。
健康診断を実施するタイミングって?
会社の義務として実施される健康診断の時期というと、5月頃をイメージする人が多いでしょう。これは、年度初頭の4月、健康診断のシーズンに病院の予約が殺到するためズレ込むケースが多いからです。
基本的には、実施の時期は会社の裁量によるので、決まった時期にやらなければならないという決まりはありません。
ちなみに、オフ・シーズンの冬場は安くなるので、経費節減ということで12月から2月にかけて健康診断を実施する会社もあります。
半年に1回受けなければならない健康診断もある
定期健康診断以外のも会社で義務付けられている健康診断が存在します。
それは、「雇入時健康診断」「特殊健康診断」「臨時健康診断」「深夜業従事者の自発的健康診断」「海外派遣従業員の健康診断」等です。
これらは定期健康診断よりも条件が厳しく、「雇入時健康診断」読んで字のごとく入社時に行うものですが、それ以外の健康診断は基本的に半年に1回受けるよう義務づけられています。
健康診断の費用って自己負担?会社負担?
現状、健康診断の費用を自己負担としている会社も確かに存在します。
しかし、条件を満たしている常勤の労働者に対しては、法律で定められている会社の義務ですから会社負担であるのが普通です。
自己負担でに費用を支払って受けるのではなく、会社に依頼し、会社負担で健康診断を受けられるようにしましょう。
法律上で健康診断の費用は会社負担と定められている
労働安全衛生法第66条に「第1項から第4項までの規定により実施される健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものであること」としています。
そもそも、会社が健康診断を定期的に実施しなければならない事になっているわけですから、費用だけ自己負担というのはおかしな話です。
健康診断の費用で理不尽な思いをしている方は直ちに改善を願い出ましょう!
健康診断は会社の義務!費用も自己負担ではなく会社負担で実施すべきもの!
雇用契約を結んでいる労働者である以上、会社に義務を通してもらうのは必然のことです。自分の身体のことに関する”健康診断”ならなおのことです。
そう高いハードルでもない「受診資格」を満たしているならば、正社員じゃなくても健康診断を受けられます。今まで、自己負担で健康診断を自分で受けてきていたという方、しなくてもいい損と手間をかけてしまっています!
支給される給料には、そういった費用も含まれつつ計算されているので、キッチリと会社負担で実施してもらう事をお勧めしますよ!
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