暑中お見舞い・残暑見舞いの正しい書き方と例文
暑中お見舞いの書き方
暑中お見舞い、残暑見舞いは縦書きが一般的です。
右から、
①冒頭の挨拶(「暑中お見舞い申し上げます」など)
②時候の挨拶と先方を気遣う言葉
③近況報告
④先方を気遣う終わりの言葉
⑤日付(「平成○○年盛夏」「平成○○年七月」などの書き方で)
以上の順に書いていきます。暑中お見舞い、残暑見舞いには「拝啓」「敬具」などの言葉は使いません。
暑さを見舞う趣旨から外れないように注意しつつ、簡潔に近況を報告しましょう。
暑中お見舞いの時候・先方を気遣う挨拶
暑中お見舞いの時候の挨拶、先方を気遣う挨拶は以下の通りです。
・炎暑ことのほかきびしい中、皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。
・厳しい暑さの毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
・連日猛暑が続いておりますが、ご家族の皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
・蝉の声が日増しに賑やかになって来ました。いかがお過ごしでしょうか。
・盛夏の候、皆様方におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
・平素はひとかたならぬご厚情にあずかり、心から御礼申し上げます。
・貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
梅雨明けから立秋前までに送る
暑中お見舞いは、梅雨明けから立秋の前日までに送るお見舞い状です。1年の中で最も暑い時期に相手の健康を気遣うために送るものでしたが、最近では単なる社交辞令となっています。 梅雨明けは場所によって異なり、立秋も毎年同じ日というわけではないため、送るタイミングには注意してください。
暑中お見舞いの文例
暑中お見舞いの文例を紹介します。暑中お見舞いは、長々と書く必要はありません。相手を気遣う言葉と、簡単な近況報告を書きましょう。
文例①
暑中お見舞い申し上げます
炎暑ことのほかきびしい中、皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。
おかげさまで家族一同元気に過ごしております。
酷暑の折から、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
文例②
暑中お見舞い申し上げます
厳しい暑さの毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
昨年にもまして暑さが厳しく感じられます。
これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。
文例③
暑中お見舞い申し上げます
今年は冷夏といわれ、はっきりしない天気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私たちは元気に過ごしています。
平年より気温が低いとはいえ、まだまだ暑さも続きます折、体調にはくれぐれもお気をつけ下さいませ。
上司に送る暑中お見舞いの文例
暑中お見舞い申し上げます
連日猛暑が続いておりますが、ご家族の皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
私たちも、暑さに負けぬよう頑張っております。
まだしばらくは厳しい暑さが続きますが、体調にはくれぐれもお気をつけ下さいませ。
まずは、暑中お見舞いまで。
お中元の送り状を兼ねた暑中お見舞いの文例
暑中お見舞い申し上げます
平素より何かとお世話にあずかりまして、心より御礼申し上げます。今後とも何とぞご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
本日心ばかりの品を別送させていただきました。ご笑納いただければ幸いに存じます。
これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。
ビジネスにオススメの暑中お見舞いの文例
暑中お見舞い申し上げます
いつも格別のお引き立てにあずかり、誠にありがとうございます。
炎暑の折、皆様方のご自愛のほどお祈り申し上げます。
今後共なお一層ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
夏季休業を知らせる暑中お見舞いの文例
暑中お見舞い申し上げます
平素はひとかたならぬご厚情にあずかり、心から御礼申し上げます。
これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。
誠に勝手ながら、当社では以下の期間で夏季休暇を実施させていただきます。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご配慮の程宜しくお願い申し上げます。
夏期休業 ○月○日(○)~○月○日(○)
暑中見舞いの返事の文例
暑中お見舞い申し上げます 暑い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 ご丁寧に暑中お見舞いをいただきまして、誠に恐縮に存じます。 おかげさまで、私ども家族一同もこの暑さに負けることなく、相変わらず元気に暮らしております。 酷暑の折から、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
残暑見舞いの書き方
残暑見舞いの書き方は上述した通り、暑中お見舞いと同じように書きます。暦の上で「暑中」になるのか「残暑」になるのか気をつけてください。
残暑見舞いで使う時候・先方を気遣う挨拶
残暑見舞いで使う時候の挨拶、先方を気遣う挨拶は以下の通りです。
・残暑なお厳しき折から、お健やかにお過ごしでしょうか。
・立秋とは名ばかりの暑さが続きますが、お元気でお過ごしでしょうか。
・このところ猛暑が続いておりますが、お元気でお過ごしのことと拝察申し上げます。
・夏の疲れが出る頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
・夏も終わりに近づきましたが、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
・猛暑が続いておりますが、皆様にはますますご健勝のことと存じます。
・まだまだ残暑厳しき折ですが、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
立秋を過ぎてから8月末頃までに送る
残暑見舞いを送る時期は立秋を過ぎてから8月末頃までに送ります。
9月6日頃までは送っても送ってもよい、とも言われていますが、地域によっては9月以降に残暑見舞いを送るのは失礼に当たります。
さらに、いくら暑さが残っているとはいえ、9月は「秋」のイメージがあります。残暑見舞いは季節の挨拶状ですから、8月末までに送るのが無難でしょう。
実際には猛暑が続いていても、立秋以降は暑さの度合い関係なく「残暑見舞い」となります。
残暑見舞いでは「盛夏」は使わない
注意したいのは、残暑見舞いでは「盛夏」という言葉は使わない点です。代わりに「晩夏」「立秋」などを用います。
季節の挨拶状は、送る時期の寒暖や四季の情感に合わせた言葉や表現を用いることを意識してください。
「お体ご自愛ください」は重複表現になるので注意
「ご自愛ください」は相手の健康を祈る文章でよく使われる言葉ですが、「自愛」にはそもそも身体や健康という意味も含まれています。そのため、一見丁寧な表現に見える「お体ご自愛ください」という書き方は重複表現になるため間違いなのです。
「ご自愛ください」とだけ書くのが正解です。
残暑見舞いの文例
残暑見舞いの文例を紹介します。立秋はだいたい毎年8月6日から8日あたりです。その年によって立秋の日は変わるので注意してください。
文例①
残暑お見舞い申し上げます
立秋とはいえ、連日の猛暑にいささか参っておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
夏休み、久しぶりに家族で田舎でのんびりと過ごしてきました。
秋風を感じる頃はまだ少し先になりそうですが、○○様もどうかご自愛下さい。
文例②
残暑お見舞い申し上げます
残暑なお厳しき折から、お健やかにお過ごしでしょうか。
本物の秋が待ち遠しい今日この頃、私どもは京都へ出かける予定です。しばし涼風に憩えることを今から楽しみにしております。
暑さはまだしばらく続きそうですので、どうかくれぐれもご自愛下さい。
文例③
残暑お見舞い申し上げます
立秋とは名ばかりの暑さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで、家族一同つつがなく過ごしております。
この暑さも当分続きそうですが、くれぐれもご自愛ください。
上司に送る残暑見舞いの文例
残暑お見舞い申し上げます
このところ猛暑が続いておりますが、お元気でお過ごしのことと拝察申し上げます。
おかげさまで、私どももつつがなく過ごしております。
夏の疲れが出やすい頃ですので、どうぞご自愛のうえお過ごし下さい。
残暑見舞いの返事の例
残暑お見舞い申し上げます ご丁寧に残暑見舞いのお葉書をいただき、ありがとうございます。 おかげさまで家族一同元気に過ごしております。 秋風を感じる頃はまだ少し先になりそうですが、○○様もどうかご自愛下さい。
暑中お見舞い・残暑見舞いの宛て名の書き方
暑中お見舞いと残暑見舞いの宛名の書き方を説明します。最近では社交辞令として送られますが、送る相手に失礼のないよう、本文の言葉の使い方だけでなく宛名の書き方にも注意してください。
特に決まった形式はない
暑中お見舞い、残暑見舞いだから特別な宛名の書き方をする必要はありません。特に決まった形式はないですが、敬称の使い方や「御中」の使い方が間違っているケースが少なくありません。ビジネス上で付き合いのある人に送る時は、特に注意しましょう。
会社の個人宛に送る場合は名前にのみ敬称をつける
会社の個人宛に送る場合は、会社や部署名には敬称をつけません。
「×××株式会社御中 田中太郎様」と書くのは間違いです。さらに「×××株式会社 □□部 田中太郎部長様」というように、会社内での肩書きに敬称をつけるのも間違いとなります。
正しくは、
「×××株式会社 □□部 部長 田中太郎様」
と書きます。敬称はつければ良い、というわけではないのです。
会社・部署宛の場合は「御中」をつける
会社や部署宛の場合は「様」ではなく「御中」を使用します。
しかし、「×××株式会社御中 □□部御中」は間違った書き方です。会社の部署名に宛てて送る場合は、部署名にのみ「御中」をつけます。
「×××株式会社 □□部御中」
「×××株式会社御中」
このように書くのが正解です。
連名で複数人宛の場合は一人一人に敬称をつける
家族や会社の複数人に宛てて1枚の暑中お見舞い、残暑見舞いを送ることもありますよね。
この場合は一人にだけ敬称をつけるのではなく、一人一人に「様」をつけます。「田中太郎・花子様」という書き方ではなく、
「田中太郎様・花子様」
「田中家御一同様」
と書きましょう。
出していない人から暑中お見舞い・残暑見舞いが届いた場合
自分が暑中お見舞いや残暑見舞いを送っていない人から、暑中お見舞いや残暑見舞いが届く場合もあります。この場合はどう対応すべきでしょうか?
必ず礼状を出す
自分が送っていないのに暑中お見舞いや残暑見舞いが届いた時は、必ず礼状を出すのがマナーです。礼状といっても特にかしこまったものではなく、一般的な暑中お見舞いや残暑見舞いにお礼の一言を添える、あるいはお礼と挨拶を兼ねた一文を添えるだけでかまいません。
礼状の書き出し例
礼状の書き出し例は以下の通りです。
・暑中お見舞い申し上げます
ご丁寧に暑中見舞いをいただき、御礼申し上げます。
・暑中お見舞い申し上げます
厳しい暑さの毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
ご丁寧なお見舞い状をいただきまして、誠に恐縮に存じます。
・残暑お見舞い申し上げます
夏の疲れが出る頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
ご丁寧なお見舞い状をいただきまして、誠に恐縮に存じます。
暑中お見舞いと残暑見舞いは両方出すべき?
暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらも相手を見舞う挨拶状であり、違いは立秋の前に出すか後に出すかです。暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらを出すべきでしょうか。それとも両方を出した方がよいのでしょうか?
どちらか片方だけ出せばOK!
暑中お見舞いか残暑見舞いのどちらかを出せば問題ありません。暑中お見舞いを出したのに「立秋が過ぎたから」といって残暑見舞いを出す必要はないのです。 ビジネスシーンにおいてどちらを出すか悩んだ時は、上司や先輩の意見を聞き、参考にしましょう。
暑中お見舞いが立秋直前に届いた場合
暑中お見舞いは立秋前にやり取りするお礼状ですが、立秋直前に先方か暑中お見舞いが届いた場合はどうすべきでしょうか?
立秋直前に届いたとなると、暑中お見舞いを送り返しても届くのは立秋よりも後になり、残暑見舞いを送る時期に暑中お見舞いを送ってしまったという状況になりかねません。
残暑見舞いに切り替えて送ろう
この場合は無理に暑中お見舞いを送り返すのではなく、立秋が過ぎてすぐに残暑見舞いを送れば問題ありません。暑中お見舞いをもらったことに対するお礼の言葉を添えて、残暑見舞いを送りましょう。 相手から届いたお見舞い状に合わせるのではなく、暦から見て適切なお礼状を送るのが正解です。
暑中お見舞いと残暑見舞いの違いは出す時期!文例を参考に内容と送る時に注意
暑中お見舞いと残暑見舞いの正しい書き方と例文をまとめて紹介しました。
メールでのやり取りが主流となっている今、社交辞令とはいえ、お見舞いの手紙をもらうのは嬉しいものです。相手を気遣う気持ちをこめて、暑中お見舞いや残暑見舞いを送りましょう。
暑中お見舞いや残暑見舞いは季節のお見舞い状になります。ですから、その時期や天候に合った文面の作成を心がけてください。
例えば、冷夏なのに「連日猛暑が続いておりますが」という文面は少しずれていますよね。時期や天候を考慮した暑中お見舞い、残暑見舞いを送って、相手に気遣いの気持ちを伝えてください。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません