「肩たたき」の意味とは?会社で使われるビジネス用語の怖さ
肩たたきは退職勧奨の意味で強制的なものではない
まず知っておきたいのは、肩たたきは強制的なものを意味しないということです。
あくまで勧められるだけで、法律用語でも「退職勧奨」の意味があります。
労働者がそれに応じることによってはじめて成立します。
また、この場合は解雇とはならず、合意解約となります。
退職の強要や執拗な肩たたきは違法となる
・応じる義務はない
退職勧奨に応じるかどうかは労働者の自由裁量であり、会社側が強要することや、執拗に勧奨を繰り返すことは違法となります。
違法な場合は損害賠償を請求することができる場合もあります。
・どのように行われるのか
本来は会社側から辞めてほしい旨を伝えられるものですが、近年はひどい仕打ちを受けて退職に追い込まれるケースなども多く、社会問題化してきています。
例としては、
・何もない狭い部屋で仕事をもらえず何もせずに座ることしかできない
・複数人の上司から数十回にわたる退職勧奨を受ける
・約8時間にわたって面談をされる
などといったものがあります。
他にも、追い出し部屋という会社に居辛い環境に追いやられることによって精神的に追い詰められ、自分から退職するように仕向けられるケースもあります。しかし、これは違法であり、肩たたきに強制退職の意味はありません。
日本では会社の事情で解雇をすることは困難な為に労働者に退職勧奨する肩たたきが出来た
日本では正社員は法律で手厚く保護されており、経営悪化などの会社側の事情で人員削減のために解雇する整理解雇を行うことは非常に困難となっています。
そのため、会社側から行う整理解雇ではなく、労働者の側から辞めてもらいたいという意味が含まれています。
不景気の近年では肩たたきが横行して労働者も退職することが多い
かつては、会社側が時間をかけて労働者のケアを行い、退職後のことも考えてから退職という時代もあったようですが、不景気が続く近年では余裕のない会社も多く、乱暴なやり方が横行しています。
また、労働者も肩たたきがどういった意味のものかということを知らずに、応じて退職してしまうこともあるようです。さらに、会社に必要ないと言われることで精神的に弱くなってしまい、会社にいわれるままに、退職に応じてしまいがちです。
そこで、肩たたきを受けないようにする対策、受けてしまった時の対策はあるのでしょうか。
肩たたきの対策はないのでどこでも通用するスキルを身につけて広い人脈を築く
肩たたきにびくびくするよりも、どこでも通用するスキルを身につける、広い人脈を築く事に力を入れた方が、意味があります。
会社ではなく自分自身に価値のある人間になることが最高の自己防衛となるのです。
また、会社と交わした就業規則はよく読んで意味を理解しておきましょう。
違法な肩たたきは弁護士や関係窓口に相談して退職する場合は転職先を見つけてからにする
・肩たたきされた場合
しかし、実際に肩たたきをされたらどうすればいいのでしょうか。
まず大前提として忘れてはならないのが、退職勧奨(肩たたき)に応じる義務は全くないということです。
会社側は、労働者が断ればそれ以上どうすることもできません。肩たたきには退職を進める意味しか含まれていないのです。それにもかかわらず、しつこく退職を迫る場合や、精神的苦痛を受ける場合など、違法性を感じたら弁護士などの専門家や関係窓口に相談しましょう。
・退職に応じる場合
退職に応じる場合は、絶対に転職先が決まってからにしましょう。そもそもどれだけ退職を強要されても、自分から辞めるといわない限り解雇されることはありません。
しかし、その会社にいるのは現実的ではないので、転職活動をしたほうがよいでしょう。
そして、転職先が見つかるまでは何があっても自分からは退職しないようにしましょう。なぜなら、自分から退職した場合、会社の都合で退職した場合よりも、失業保険の適用が不利となるからです。
転職先も見つからずに退職し、失業保険で生活するのは大変です。
絶対に転職先を見つけてから退職しましょう。
会社で肩たたきをされる意味を知って転職先を見つけてから退職するなど冷静に対処しましょう
肩たたきは決して他人事ではありません。
誰もが知っているような大手企業でも、退職の強要が行われてニュースなどで報じられています。大切なのは、肩たたきがどういう意味のもので、労働者はどのように行動できるのかを知ることです。そして、もし自分の身に起きても冷静に対処できるように日頃から備えておきましょう。
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