終身雇用制度に隠されたメリット&デメリット

2017年11月29日

終身雇用制度とは

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終身雇用制度は、日本の雇用制度の特徴の1つです。

終身雇用制度とは、企業が正社員として採用した新卒者を定年まで雇い続ける制度です。企業は労働者が働きやすい環境を整え、たとえ経営が苦しくなっても、労働者を解雇できません。

終身雇用制度にはメリット・デメリットが存在しますが、終身雇用は安定を手に入れられると考える労働者が多く、企業選択の面ていまだに根強い人気があります。

パナソニックの松下幸之助が始めた終身雇用制度

上で述べたように同一の企業で定年まで働き続ける制度を、「終身雇用」制度と言います。この終身雇用をはじめたのは、、パナソニックを築き上げ、経営の神様とまで謳われた松下幸之助なのです。

それ以外にも、現代に根付いている「週休二日制」を取り入れたのも松下幸之助で、労働者の働き方に大きく影響を与えているといえます。

日本的雇用慣行である終身雇用制度

終身雇用制度は厳しい環境下でも、従業員を守るという松下幸之助の信念のもとに生まれ、その後日本式経営の象徴の1つとして浸透しました。

終身雇用とは、同一企業で定年まで雇用され続けるという、日本独自の正社員雇用における慣行といえます。長期雇用慣行ともいいますが、労働者が保護されるというメリットは、働き手にとっては魅力ですね。

現状から見た終身雇用制度はどうなのか?

ある年の厚生省の調査では、実に9割の人が終身雇用を希望しているという結果もでているほど、働き手にとって職業選択の重要なカギとなる終身雇用制度。

しかし、そう希望する一方で、「それが可能かどうか」という企業側の問題も、現代の経済状況では浮き彫りになっている現状なのです。

終身雇用制度を希望する人は増加傾向にある

最初に述べたように、終身雇用とは1つの会社で定年まで働き続ける意味で、ある年に厚生労働省が行った調査によると、終身雇用について「良いと思う」「どちらかと言えば良いと思う」と答えた人は87.5%となりました。

特に最近では、就職氷河期とも言われる時代に生きる20代で、終身雇用を希望する人は増え続けている現状があります。

厳しい社会情勢のなか、働き方について保守的になっているのだと考えられます。

しかし、崩壊の一途を辿っている終身雇用制度

労働者の多くは、終身雇用制度を希望していることが分かりました。しかし現状では、企業側が終身雇用制度を廃止する動きを活発化させており、崩壊の一途を辿っています。

最近では、退職金以外の金銭を支払い解雇する「金銭解雇」という制度が徐々に広がりを見せています。

労働者としては、そのお金をもらって退職するか、またはそれを固辞して会社と戦うか、という二者択一となります。当然ながら、今後のリスクを考えると、ほとんどの人が退職という道を選んでいるという事実も浮き彫りになっています。

終身雇用制度が労働者にもたらすメリット

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それでは最後に、終身雇用制度がもたらすメリットとデメリットを考えていきましょう。

終身雇用制度は「定年まで安定した収入が確保できる」という点が労働者側の最大のメリットでしょう。雇用する企業側にとっ

ても、長期的な展望で人材の育成ができる、その労働力こそが会社にとっての資産になるというメリットがあります。

もちろん、メリットばかりでなくデメリットもありますが、まずはメリットから見ていきます。

終身雇用制度には企業・労働者双方にメリットが存在

終身雇用制度のメリットは、企業側が社員を教育して自社のカラーに染められるため、社員は企業にとっての資産になります。また労働者側にとっても、定年するまで同じ会社で働き続けることができるため、精神的にも経済的にも不安材料がなくなりますし、住宅ローンなど長期的なローンも会社から融資を受けられます。

終身雇用制度の最大のメリットは「安定」

終身雇用制度の最大のメリットは、安定といえます。

終身雇用制度があることで、労働者は目先にとらわれず、時間をかけて仕事の成果を上げられます。そして、会社は従業員の意欲や企業風土を高く維持できます。

安定的な収入が従業員の心理的な安心感になり、経営者目線では、長期的な展望で人材育成への投資が行いやすいのです。離職率の低下による教育費用、採用費用をおさえられるというメリットもあります。

終身雇用制度のデメリットは従業員の質の低下

終身雇用制度のデメリットは安定による企業と従業員の意欲の低下です。

よほどの出来事がない限り職を失わないので、中にはサボったり努力しない人が出てきます。また、社会常識とは相容れない社風が継承されてしまう場合もあります。

例えば、クレーム隠しなどもデメリットといえるでしょう。外部の血が入りにくく、組織の体質が保守的になりがちなのは懸念材料として挙げられます。

最大のデメリットは「人件費の調整」

終身雇用制度の最大のデメリットは、人件費の調整です。労働力の高齢化にともない、賃金コストの上昇が大きな負担となります。解雇なく継続雇用のため雇用調整が難しくなり、満性的な余剰人員や時代に適さない能力を持った労働力を抱える恐れがあります。

終身雇用制度のデメリットは、企業側にもたらさせる場合がほとんどなので、制度そのものを廃止にする流れが加速しているのは、ある意味当然と言えるかもしれません。

終身雇用のメリットは安定! デメリットは「人件費の上昇」

終身雇用制度のメリットとデメリットについて見てきましたが、いかがでしょうか。

終身雇用制度というと確かに聞こえは良いですが、実際にその制度を導入する企業側には、様々なメリットとデメリットがある事を理解していただけたかと思います。

経営の神様と言われた松下幸之助氏の恩恵にあずかれるかどうかは、企業次第といえますが、そもそも制度そのものが廃止の方向に向かっている企業が多い点は考慮せねばなりません。

それほど、現代日本の経済状況は芳しくないという表れです。労働者も、終身雇用を軸に就活や転職活動を進めるのは、危険といえる時代かもしれませんね。

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Posted by BiZPARK