「ご辞退申し上げます」の文例とお断りの表現方法
「ご辞退申し上げます」の表現が不自然に感じる人もいる
「辞退」は自分自身が主体になっているのに「ご辞退申し上げます」のように「ご」を付けるのは不自然だと思う人もいらっしゃるようです。確かにこれが尊敬語なら敬語として問題がありますが、「お手紙」「ご挨拶」「ご説明」のような例の表現が日本語にはありますよね。これは謙譲語と言われるへりくだる表現です。同様な使い方をする敬語の例として美化語や丁寧語があります。
ご辞退申し上げますの「ご辞退」は向かう先への敬意
謙譲語の「お」や「ご」は対象になる人への敬意を示す表現になります。ちなみに「ご飯」、「お菓子」、「お茶」などの表現が美化語で、「です」、「ます」、「ございます」などの表現が丁寧語です。謙譲語で注意すべき点は「私のお考え」や「私のご活躍」など行動の方向性が自分自身へ向かう場合は使用できないという点です。行動の主体のみならず、行動の方向性を考えなければならないので日本語は難しいですね。
「ご辞退申し上げます」の用例と示す意味を知ろう
例えば、葬儀で「故人の遺志により、ご供物、ご供花の儀はご辞退申し上げます」との表現を見かける事があります。
また、「ご厚志ご辞退申し上げます」この2つの違いとして、前者は香典の受け取りが可能、後者は香典の受け取りも不可能ですよ、という状態を表現している点です。「ご辞退申し上げます」は丁寧に拒否、拒絶を意味しているため、相手側の意向を可能な限り尊重しましょう。
「ご辞退申し上げます」を面接や内定辞退でも使う
ビジネスシーンでは、例えば面接や内定を断る場面で使われます。「誠に申し訳ありませんが、一身上の都合により、面接(または内定)のご辞退申し上げます」などの用例があります。もちろん、日常業務で目上の人に対してお断りの意を示す時にも使えますので、このフレーズを覚えておくと何かと役に立つのではないでしょうか。
「ご辞退申し上げます」以外のお断りの表現
類似した表現に、「ご遠慮いたします」、「お断りいたします」、「見送らせていただきます」などがあります。ただし、いずれも表現としては「ご辞退申し上げます」とイコールにはならないので注意が必要です。例えば「見送らせていただきます」は先方企業からのお断りの表現として使われますし、「ご遠慮」は相手からの誘いを断る表現になります。また、「お断りいたします」も同様ですが、強い表現になりますね。
「ご辞退申し上げます」以外で目上の人の頼みごとを断る場合の例
今度は具体的な文例で、辞退の表現を見てみましょう。
「お申し出ありがたいのですが、ご希望に添いかねます」これは要望に応えられないケースですね。
「私ごとき若輩者の出る幕ではございません」力不足の場合の辞退表現です。
「身に余るお申し出光栄ではございますが、私などにはとても務まりません」こちらもへりくだり、辞退する表現です。
使用例をもとに「ご辞退申し上げます」の敬語としての役割と関連表現を知ろう
「ご辞退申し上げます」との表現は謙譲語にあたり、相手への行為を円滑に行うための敬語の1用法です。この表現は葬儀やビジネスなど社会生活の多様な場面で使用され、汎用性が高い表現方法です。また、これに類似するお断りの表現がありますが、それぞれに用途の違いがありますので、場面ごとに的確に敬語を選択する必要があります。「ご辞退申し上げます」などの表現例を上手に使って、円滑なコミュニケーションをとりましょう。
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