「出向」を解説!栄転・左遷を見抜くポイントと返り咲き例
半沢直樹で話題に!そもそも「出向」の意味とは?
出向といえば、2013年にTBSドラマ日曜劇場枠で放映された「半沢直樹」が記憶に久しいですね。半沢直樹は銀行員でしたが、銀行以外でも「出向」はあります。
半沢直樹では、出向=片道切符で銀行員としてはオワリだ……、なんて言われていましたよね。そもそも「出向」とはどんな意味で使われるものなのでしょうか?気になる意味を見てみましょう。
雇用先に在籍のまま他の事業所で勤務すること
出向のそもそもの意味は、「従業員が雇用先の会社に在籍したままで、子会社や関連会社など他の企業の事業所で長期間にわたって勤務すること」を指します。
また、出向がある場合は、あらかじめ会社で就業規則、出向規定、労働協約で定められており、入社の段階で同意とみなされるケースが多いです。そのため、断る場合は辞職を考えなければなりません。
しかし、「出向=オワリ」のイメージが横行していますが、必ずしもそうとは限りません。栄転による出向もあるので、その場合は引き戻されるまで出向先で成果を出すために頑張るべきでしょう。
栄転?左遷?出向に隠された思惑を見抜くポイント
先程、出向には良い出向と悪い出向があり、良い出向で栄転する場合は引き戻されることもあるとお伝えしました。しかし、自分が栄転・左遷どちらの出向なのか分からなければ、転職するか出向先で頑張るかの判断をしづらいのも本音ですよね。
そこで、ここでは栄転の場合に見られる出向を見抜くポイント3つをご紹介していきます。出向を命じられて悩んでいる人は、ご自分の境遇と照らし合わせて是非参考にしてみて下さい。
ポイント①:出世の儀式
実は、出向は出世のための儀式として行われる会社がよくあります。例えば、出向=オワリのイメージがある銀行でも、「管理職に就く前に外の経験をさせて、勉強させてから」の意味合いで儀式的に出向させるパターンは多いです。
この場合は、出向先で成果を出した後にすぐに本社へ戻される可能性が高いですから、栄転の出向と受け取って良いでしょう。自分の会社の管理職ポストにいる人の経歴を調べたりして、出世の儀式として出向があるか確認してみると良いかもしれませんね。
ポイント②:給料が変わらない
出向先での給料が現職でもらっている給料と変わらない場合は、片道切符ではなく往復切符である可能性が高いです。
左遷による出向は、人員整理として自己都合退職をしてもらいたいが、退職金を多めに払う余裕もないというケースの手段として使われることが多いです。よって、左遷の場合は給料も出向先と同等になるのが一般的です。
そのため、給料が据え置きで出向という場合は、出向先での問題を解決してもらうために派遣されたと考えて良いでしょう。きちんと成果を出せば戻される可能性が高いです。
ポイント③:出向先で現職より上の役職に就く
出向先で現職より上の役職に就けるという場合は、栄転の可能性が濃厚です。可能性としては、優秀な人材であるので上のポストにおきたいが、本社では空きがないので出向先で上のポストに就けるというのが考えられます。
また、ポイント①の出世の儀式と同様に、本社で出世させる前に、出向先で上の役職に就かせてお手並みを拝見するというパターンもあります。どちらにしろ、成果を出せば本社に戻されるでしょう。
左遷の出向になりやすいタイプとは?
サラリーマンの皆さん、注目!実は、左遷の出向にはなりやすいタイプというものがあるのです。もし、自分がそのタイプだとしたら、出向を命じられる可能性は無きにしも非ず。
今すぐチェックして、できるだけ左遷の出向になりやすいタイプから外れるように注意しましょう。出向を命じられる前に早めに対策することが重要ですよ。
①:不満を言わないおとなしいタイプ
まず左遷の出向になりやすいのは、不満を言わないおとなしいタイプです。企業としては左遷することによってトラブルが起きることを恐れています。そのため、不満を言わないおとなしいタイプは左遷するのにぴったりといっても過言ではないのです。
企業にとって不満をいわないおとなしいタイプは扱いやすい社員というのは事実ですが、その結果左遷されては元の木阿弥です。時々は的確な指摘などをして、おとなしいだけではない印象を上層部に植え付けておきましょう。
②:実力はあるが上にズバズバいうタイプ
また反対に、実力はあっても上にズバズバ物言いをするタイプも左遷の対象にされやすいです。どんなタイプも上手く使える人やそうした挑戦的なタイプを好む人が上層部なら大切にされるかもしれませんが、そうでない場合は、ただの厄介者認定されるケースもあります。
上にズバズバ言ってしまうタイプの人は、だからこそ上司に可愛がられるタイプを目指しましょう。実力があって的確な指摘もできる上に、上層部に気に入られているとしたら社内でもかなりやりやすくなるでしょう。
左遷の出向から返り咲いた!?驚きの実例
今まで栄転の出向なら引き戻される可能性もあるが、そうでなかったとしても「オワリ」とは限りません。実力があれば買われるのが現実です。
ここでは、左遷の出向を経験しながらも、出向先で成果をだして返り咲いた驚きの逆転パターンを紹介します。左遷の出向でも本社への復帰を諦められない人は、出向先で頑張ってみるのもアリかもしれませんよ。
返り咲き例①:元トヨタ自動車社長「奥田碩」
左遷出向からの返り咲き例としてまず挙げられるのが、元トヨタ自動車社長の奥田碩氏。彼はドラマ「半沢直樹」で半沢と浅野に降りかかったマニラ出向を実際に経験しているのです。
奥田氏は40歳の時、人事部の評価は最低でマニラに出向させられます。駐在期間は6年半にも及びましたが、現地で困難とされた延滞金の取り立て任務に就きます。これは事実上の左遷でしたが、奥田氏は当時のマルコス大統領らとのコネクションを活かして未納金の回収に成功します。
この働きから豊田章一郎会長に一目置かれ、本社豪亜部長に抜擢されます。その後は49歳で取締役に就任しました。まさに左遷の出向からの圧倒的な返り咲きですね。
返り咲き例②:元東レ取締役「佐々木常夫」
続いて左遷出向からの返り咲き例として挙げられるのが、元東レ取締役の佐々木常夫氏。東レに入社して10年間、着実に実績を残しながらも33歳のときに取引先だった業績不振の繊維商社に出向を命じられます。
佐々木氏は出向先がかなりの危機的状況だったため、土日も出勤して残業時間は200時間越えの勢いで経営課題の解決に尽力したそうです。出向先の社員たちとは自腹で奢り飲みに行くことで、社員の能力や意向を理解して、信頼も掴みました。
結果的に、出向先の企業の業績をV字回復させて3年で本社に復帰したのです。その後は49歳で初めて部長になり、57歳のときに同期トップで取締役に就任しました。左遷による出向を受け入れて全力で出向先企業の経営回復に貢献したのが返り咲きのポイントですね。
出向から戻ってきた人に使える!気になる対義語
栄転出向で本社に戻ってきたり、先程紹介したように返り咲きで本社に復帰したりするケースもあります。このように出向から会社に戻ってきた場合は、何といえば良いのでしょうか。
出向から戻ってきた人に使える「出向の対義語」を見ていきましょう。ここでは、3つの対義語を使います。状況に合わせて使い分けると良いでしょう。
対義語①:復職
出向の対義語として、1つ目には「復職」が挙げられます。出向というのは、その会社から離れることを意味しているので、会社に戻るという意味で「復職」が採用されることがあるのです。
ただし、復職という言葉は会社に復帰した人全てに使われる言葉なので、他の意味でも使われます。そのため、対義語としては使いづらい面があるのです。
対義語②:帰任
出向の対義語としておすすめなのが、「帰任」です。会社から出ていくことを出向というので、逆に会社に戻って仕事をする意味の「帰任」は対義語として一番使いやすいと言えるでしょう。出向の対義語としては一番よく使われているようです。
対義語③:着任
出向の対義語として3つ目に挙げられるのが「着任」です。着任というのは立派な言葉の1つとされています。対義語として少し違和感はありますが、これなら失礼に当たることはありません。
出向でも給料据え置きで役職UPは栄転!左遷でも返り咲きを狙おう
TVドラマ「半沢直樹」で話題になった「出向」という言葉ですが、そもそもの意味は「従業員が本社に在籍したままで、子会社や関連会社など他の企業の事業所で勤務すること」でした。
そのため、ネガティブな左遷の意味だけではなく、栄転の可能性もあるとのことでした。とくに給料据え置きで役職UPなら栄転の可能性が高いと言えるでしょう。
また、紹介した元トヨタ自動車社長の奥田碩氏や元東レ取締役の佐々木常夫氏のように左遷の出向からの返り咲きパターンもあります。本社で働くのが諦められないなら出向先で成果を上げて復帰を狙うのもアリかもしれませんね。
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