【義務ではない!?】決算における減損処理の役割とは?
決算における減損処理とは?
決算期には、普段あまり使われない用語がたくさん出てきます。普段あまり経理や会計に携わらない立場の方は、聞きなれないでしょう。しかし、どれも重要となってくる言葉ばかりです。その中で、減損処理、減損会計とは、どのようなものなのでしょうか?おおざっぱではありますが、以下のようなものだと言われています。
減損処理の意味は?
減損処理の対象となるのは、土地や建物、備品などの固定資産です。その資産の価値が下がったり、生み出す収益が少なくなったりした時、その分生じてしまった損を、帳簿価額に反映されるというものです。ちなみに決算期のみに関わらず、減損の事実があったときに認識する必要があると言われています。平成17年4月1日以降に監視される事業年度から、このような会計処理を行う減損会計の適用が開始されました(ちなみに、平成16年4月1日以降開始の事業年度からの早期適用も可能とされていました)。
適用となる企業と、そうでない企業がある
減損会計を適用しなければならない企業としては、上場企業や、商法特例上大企業とされる会社などが挙げられます。もちろん、これらの条件に当てはまらない企業も多数存在します。すべての会社が絶対に行わなければならない、というものではないのです。
減損会計が義務づけられていない会社
では、このような条件に当てはまらない、中堅・中小企業については、減損処理を適用する意味はあるのでしょうか?
会社の規模によっては、経理担当者の数が少ないことも考えられます。経理が一人しかいない場合や、社長や他の仕事をしている社員が兼任しているという場合もあるのではないでしょうか?
義務でないならやらない方がいい?
ただでさえ忙しい決算の時期、なるべく仕事を増やしたくないと思うのは自然なことでしょう。ただ忙しくなるだけでなく、業務が煩雑になることによって、思わぬミスをしてしまうかもしれません。
義務付けられていないなら、減損処理はしなくてもいいんじゃないか、と考える方も少なくないのではないかと思います。
義務でなくても減損処理を行う意味は?
しかし、適用が義務付けられていない企業にとっても、減損処理を行うことがメリットとなる場合があると言われています。ではそのメリットとは、どのようなものが考えられるでしょうか?
減損処理を行うことは、経営実態を把握することにつながると言われています。減損会計について知ることは、経理担当者だけでなく経営者にとってもためになることだ、と言われることも少なくありません。
経営実態の把握や融資の際に役立つ可能性が
例えば、減損処理を行うためには、ある資産が今後どれだけの価値を生み出すことができるかを知る必要があります。その判定をしたことが、今後のビジネスプランに影響を及ぼすことになるかもしれません。また、銀行などから融資を受ける際にも役に立つと言われています。
含み損がたくさんある決算書は、融資を受ける際に不利になってしまうことが考えられるからだと言われています。これから銀行などからの融資を積極的に活用していきたいとお考えの場合は、減損会計の適用を検討されてみるといいかもしれません。
決算時の減損処理は義務ではないが、企業規模により行う意味はある
減損会計の適用が義務付けられていない企業でも、減損処理をすることが経営のヒントになったり、決算書の信頼度が上がったりすることが考えられます。
ただし、どのような資産があるかなど、それぞれの企業の状況によって減損会計の必要性の高さは変わることでしょう。まずは税理士や会計士など、専門家に相談されることをおすすめします。
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