同族経営の世代交代を上手に行う方法
同族経営の世代交代は内部分裂に注意する
中小企業などの形態であれば同族経営だと細々したところまで目が届き、家族の力を合わせることで成長していけます。また意思決定と伝達が早く、経営が厳しいときは状況を共有できるので給与カットなどがしやすくなります。トップの融通が利きやすいというのも経営者側にとっては利点です。しかしながら親族関係で組織するので、全ての言動が争いの種となり、世代交代の際に内部分裂してしまう可能性があります。
兄妹に地位を譲るか子どもに譲るかで揉める
祖父母を会長と呼び父母を社長と呼ぶ、子どもの数があれば可愛がりに差も出てきて、小さな頃に受けた記憶が大きくなって同族経営の組織に入ったときに「自分がこのような境遇を受けるのはあのときのせいだ」と思うこともあるでしょう。特に世代交代の際はトップから兄弟姉妹へと横へスライドするか、また子どもに譲るかという構図で揉めることが多いようです。
世代交代前に必要な資格は必ず取得する
スムーズな世代交代を図るには、まず後継者には組織に必要な資格は必ず取得させます。例えば幼稚園も同族経営が多い業界ですが、現園長も後継者も幼稚園教諭免許がない場合が多いですが、やはり業界で生き残っている園は親族全員が免許を取得しているケースが目立ちます。全員が同じレベルでまとまれば、衰退産業であっても業界の上を目指すことも出来るし、牽引役の候補にもなり、大学で外部講師などをして副収入を得る選択肢も出てきます。
同族経営の会社で世代交代をした際には後継者のサポートを整える必要がある
では資格が通用する業界でなければどのような手を打つか。どの業種でも必要なことは弁護士・会計士を含めた専門チームを組織することです。現在の資産状況、事業の継続見込み、新規事業の展開、金融機関との交渉、世代交代の際に後継者の障害となる人物を辞めさせることはできるか等、経営者とはいえ自己判断ができないことが多くあります。外部の人間を通すことで反発をそらし、法令順守で出来る最大限の段取りをスムーズに行うことができるのです。
世代交代をすると組織のリフレッシュにつながる
新年を迎えたときに気分が一新するように、やはり世代交代の一番の効果は「組織のリフレッシュ」でしょう。前経営者が足踏みしていた新規事業への展開が進む期待や、IT化、新たな取引先の拡大など従業員にとっては不安と期待の入り混じった心情かもしれません。ゆえに譲る側は浮足立つ雰囲気の重石となる人材の配置と各取引先への根回しを入念に行う必要があります。また同族経営ではトップが取引先と個人的に親しい間柄であることも多いため、何かあれば一報もらえるよう手配しておくべきでしょう。
同族経営の世代交代のタイミングで回りの企業の対応も変化するので注意する
同族経営の世代交代の時期は、どれだけ入念に準備しても内部反発が出てくるなど予想できないことが起こりやすく、シェア拡大を狙う外部にとってもチャンスとなります。信頼していた同業者が手を組んで潰しにかかるのは、よくあることです。また保有不動産価値が高く、負債額が大きい場合は金融機関が手のひらを返したように後継者に引き継がれた途端に貸し剥がしへと進むケースもあります。
同族経営の会社で世代交代をする場合は後継者のサポートで内部分裂を警戒する
同族経営の世代交代のメリットは生活が重なりやすく、取引先の紹介や会合への出席、また一度他社で経験をさせてから自社に呼び戻すなど計画的に後継者を育てることが可能な点にあります。とにかく様々な経験を積むことで人間性が広がり、狭い人間関係の同族経営でも精神面で負けずに経営に専念する力をつけることができるでしょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません