職場いじめに負けるな!適切な相談窓口
職場いじめはパワーハラスメントにあたり不法行為になる
職場のいじめというと、ただの嫌がらせなら無視をすればいいとか、世の中色んな人がいるからと、問題提起することを非難する人もいます。しかし、これは大きな誤りです。職場いじめを発端とするうつ病の発症や自殺の増加を踏まえて、厚生労働省はパワーハラスメントの認識強化に乗り出しています。多くの人は生活のために、嫌でも職場に行って仕事をしなければいけません。その職場でいじめが行われていれば、容易に追い詰められてしまいます。特に職場いじめの加害者が上司である場合には、周囲も止めにくい雰囲気になってしまい、大変悪質です。職場いじめにあったら我慢などしないで、然るべき相談窓口にすぐに相談するべきなのです。
会社はパワハラから労働者を守る責任がある
会社は法律を遵守する社会的責任と義務があります。労働者に安全な環境で仕事をさせることは、会社の義務として民法に定められています。これを安全配慮義務といいます。職場でいじめに遭ったら、上層部にパワーハラスメントの相談をした方がいいのです。会社としても労働者を守る責任を果たさなければいけないので、相談を受ければ通常は配置転換や厳重注意など、パワハラの再発防止に動いてくれるはずです。パワハラをするような人はこれまでにも同様の行為をしてきている可能性が非常に高いので、会社としても被害を未然に防ぐための情報提供を望んでいるはずです。ただし、会社ぐるみの職場いじめの場合は話は別です。
いじめ・パワハラの相談窓口:公的機関
職場の上司に相談しても解決ができないような、いわば会社ぐるみの職場いじめが横行しているときは、外部の相談機関を検討します。会社の外部にも、パワハラから労働者を守ってくれる機関は沢山存在します。公的機関としては、労働局や労働基準監督署があります。それぞれに総合労働相談センターが設けられていて、電話でも対面でも予約なしでいつでも相談することができます。公的機関なので、わからないことも遠慮なく聞くことができます。
無料で相談できるのが最大のメリット
公的機関に職場いじめを相談する最大のメリットは、費用がかからないことです。ただ相談して話を聞いてもらうだけでは意味がないと思うでしょうが、労働局や労働基準監督署には会社が労働法に違反した行為を行っている場合は指導ができる立場にあります。職場いじめの延長でサービス残業を強いられているような場合は、民間機関よりも公的機関に相談した方が直接的な対処をしてくれます。労働法違反とまではいかない職場いじめでも、解決のための無料あっせん制度や助言制度があります。弁護士などの専門家が間に入って、会社と労働者が話し合いで解決できるように仲立ちをしてくれる制度があっせんです。
いじめ・パワハラの相談窓口:民間機関
無料が魅力の公的機関が提供するあっせんや助言は、残念ながら強制力はありません。会社が話し合いを拒めば、強制して来所を求めることもできないのです。そこで、明らかといえる労働法違反行為が会社になく、かつ公的仲介を会社が拒否した場合には民間機関への相談が必要になります。もちろん公的機関同様に最初から相談することも可能です。社内に労働組合がない人のために、誰でも加入できる労働組合が多くあります。個々の労働組合に連絡をして相談すると、親身に話を聞いてくれます。また、弁護士に依頼すると、解決に導くことが仕事でその報酬を受けている分、会社に対して迅速に働きかけてくれます。
弁護士費用がなくてもあきらめない
職場いじめを外部機関に相談することで、悪質な会社はさらにパワハラをエスカレートする場合もあります。そういったときのために、やはり弁護士を依頼していると安心です。全ての会社との交渉を法律のプロの弁護士がしてくれることで、安心感が断然ちがいます。職場いじめの相談は、労働問題に精通した弁護士がよいでしょう。最寄りの弁護士会で無料の労働相談を弁護士が行っていることも多いので、相談した上でフィーリングが合う弁護士に決めることもできます。着手金は50万円程度が相場ですが、費用が賄えないときは法テラスという弁護士費用を立て替えてくれる機関があります。理不尽なパワハラに屈せず、勝利を勝ち取りましょう。
職場いじめは決して我慢せず適切な公的・民間機関に相談すると良い
職場いじめに負けない、適切な相談窓口を紹介しました。日本企業の大半は中小企業なので、職場いじめを放置することが会社の安全義務違反になるという認識に欠ける経営者も多くいます。職場いじめを我慢せず適切な機関に相談することで、被害者1人を守るだけでなく、今後の新たな被害者の発生も食い止めることにも繋がるのです。立場を利用した職場いじめは悪質です。我慢していると心の健康を害してしまうこともありますから、適切な機関に相談して、今後の対処法を専門家と共に考えるようにしましょう。
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