年収1億円を得た場合にかかる税金【パターン別】
年収1億円を得る会社勤めの人が増えている
会社勤めで年収1億円稼いだ場合の税金はどうでしょう。企業業績次第で賞与インセンティブやストックオプションが大きく変動はしますが、最近はアベノミクスに支えられ、年収1億円を超える上場企業の役員は500人を数えるまでになりました。ちなみに、1億円を超える取締役については、金融商品取引法により、有価証券報告書への開示が義務付けられています。
給料や賞与の合計が1億円だと税金は230万円
大企業の役員で「我々宮仕えは企業オーナーと違って、税金計算で必要経費が認められない」と言う方もいますが、会社勤めには実額ではなく概算での必要経費、すなわち給与所得控除額が認められています。ちなみに会社から受け取る給料や賞与の合計が1億円の場合、給与所得控除額は、上限いっぱいの230万円(平成29年度からは220万円)とされています。
所得控除から引かれた給与に対して課税される
年収1億円に直接税金が課されるのではなく、上述の給与所得控除をはじめ、さまざまな所得控除が引かれて計算した給与所得に対して課税されるのです。代表的な所得控除には基礎控除(38万円)、配偶者控除(38万円)、扶養控除(一般は38万円、特定扶養親族の場合は63万円、同居老親等は58万円)、配偶者特別控除等があります。
所得税は超過累進課税制度が適応されている
年収1億円から、所得控除額を1,000万円と仮定すると、給与所得は9,000万円です。所得税は、いわゆる超過累進課税で、所得が増えるごとに段階的にその増えた部分について高い税率が課されます。ちなみに4,000万円を超える部分には、最高税率の45%の税金が課税されるのです。この他に10%の地方の税金(県民税及び市町村民税)が課されます。
配当・利子・株式譲渡益で1億円稼いでも税金が課される
働いて稼いでなくても、配当・利子や株式譲渡で年収1億円稼いだ場合にも税金が課されます。配当や利子の株式譲渡益に対しては、所得税・住民税を合わせて20%の税金が課されるのです。年収1億円であっても税金は1億円×20%=2,000万円で、手元には8,000万円が残ります。給与所得に比べると金融取引は税金計算上優遇されています。
退職金で年収1億円になったら税金負担が軽くなる
40年勤め上げた会社の退職金で年収1億円に対する税金はどうでしょう。退職所得控除額は800万円+70万円×(勤続年数-20年)で計算されるので、2,200万円です。控除後の金額をさらに1/2を乗じるので退職所得は1億円の半分以下まで圧縮されます。退職金は老後の生活資金である点を配慮し、課税政策上、税金負担を軽くしているのです。
会社勤め・配当や利子・退職金で年収1億円を超えると税率は違うが税金が課せられる
年収1億円の税金について説明しました。給料・賞与が年収1億円の場合の税金は給与所得に応じて税金が課されます。配当・利子・株式譲渡が年収1億円の場合の税金も割合は低いですが、税金が課されるのです。また、退職金など特殊な年収1億円への税金は負担が軽くはなるものの同様に課税対象となります。いずれのパターンにせよ、年収が1億円あればその分、税金がかかることを覚えておきましょう。
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