農家の課題である後継者不足の原因と必要な対策
農家の後継者不足は深刻
農家の方が頭を抱える問題に、後継者不足があげられます。後継者がいなくて廃業を余儀なくされる農家の方も少なくないようです。今回は、農家が抱える後継者不足問題の原因と対策について詳しくご紹介していいきます。
農家の減少は高齢化と若者の流出にある
日本は農業大国といわれ、1960年には1454万人もの方が農業に従事し、農家として生計を立てていました。しかし、最近はその割合が大幅に減少しているようです。2009年には農家の数は289万人まで減り、減少数は1100万人以上に上ります。これほどまでに農家の数が減ったのには、若者の都市部への流失や働く人の高齢化が原因としてあるようです。
農家の平均年齢は68.5歳
農家の割合がこれほどまでに減少したのには、働く人の高齢化が原因の一つのようです。日本の農家における高齢化は深刻で、農家として働く人の6割以上が65歳以上といわれています。平均年齢は実に68.5歳で、高齢化が進む農家においては65歳でもまだまだ若手に入るのかもしれません。さらに後継者不足もあり、「日々の作業を自分中心で行っている」とする方の割合も非常に多いのが農家の現状です。
農業を支える若者の就農率は低い
さらに若者の農家離れも深刻で、農家人口における35歳未満の割合はわずか5%に留まっています。高齢化が進むなか、これからの農業を支える若者の就農率も低く、農家の後継者不足は深刻な状況に陥っています。ではなぜ若者は農家をやりたがらないのでしょうか。原因の一つとして農家として働き始めることの難しさがあげられます。
後継者不足の理由は初期投資と収入のバランスにある
若者の農家離れが増え後継者不足が進んだ背景には、農家の敷居の高さが原因としてあげられます。農業はサラリーマンと違い、仕事を始めるにあたって初期投資がかかります。必要な農具を揃えるのにはある程度まとまった資金が必要になりますし、肥料だってタダではありません。米農家の場合は農家を始めるにあたり平均690万円の資金がかかるともいわれています。また、初期投資に見合った収入の確保も最初の数年は特に難しく、このような背景から新たに農家として働きたいという人が増えず、農家の後継者不足が進んだといわれています。
後継者を増やすためにはネガティブなイメージの払拭が必要
農家の後継者不足の対策として、若年層や外国人就労者の獲得があげられます。若年層や外国人就労者を増やすには、農家に対しての「儲からない」「重労働できつい」といったどちらかというと、ネガティブなイメージを払拭する必要があります。特に天候などの自然環境に左右されやすい農家に対して、「収入が不安定」というイメージをもつ若者は多いようです。このようなイメージを払拭し1人でも多く若者や外国人就労者を確保することが、後継者不足の対策の一つとしてあげられます。
国や地域をあげて農業の魅力をアピールすることが大切
高齢化が進む農家において、若者や外国人就労者などの新たな働き手の確保は早急に行いたい対策の一つです。農家として働くメリットや魅力をさらにアピールしていかない限り、後継者不足の解消は難しいのが現状です。国の対策である収入保障の可能性を示唆することで、初期投資に見合う収入の確保も必ずしも難しくないことや、農家の仕事は人々の食を支える意義のある仕事であることを、国や地域をあげて積極的にアピールし一刻も早く農家における後継者不足の解消を図りたいものです。
農家の後継者不足の原因は高齢化と農業に対するネガティブなイメージにあるため働き手に対するイメージアップが重要
農家の後継者不足の原因と対策についてみてきました。みてきたように農家が後継者不足に陥った原因は、農家全体の高齢化が進むなか、新たに農家の仕事を始めることの敷居が高く、働き手が増えないことが原因としてあげられます。そのため農家として働くメリットや魅力を今以上に発信し、若年層や外国人就労者などの新たな働き手の獲得が後継者不足解消のために行いたい対策の一つです。
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