賞与引当金戻入益について知っておきたい仕訳の処理
賞与引当金戻入は事前に見積もり計上されたもの
まずは、賞与引当金戻入の基礎的知識を知っておきましょう。賞与引当金戻入は、賞与引当金の戻入です。そして賞与引当金とは、会社が従業員等に支払う賞与のために、事前に見積もり計上するためのもので、仕訳の処理もその名前が勘定科目名です。つまり、賞与引当金戻入を理解する前に賞与引当金の性質を理解しておく必要があります。会社にとって賞与は多額の出費となるため、そのための引当金が必要となるのです。
賞与引当金は震災や事故に備えるためにも重要
賞与引当金戻入が発生するためには、賞与引当金があるのが前提です。そして、賞与引当金は、将来発生する可能性がある大きな損失などに備えて、費用として予め仕訳や会計で計上し、処理するものです。震災や事故、機器の故障など様々な要因で会社にとって予想外の出費が考えられますので、そのために準備しておくのが引当金であります。会計上、仕訳で処理する際は賞与についての引当金を賞与引当金というのです。
賞与引当金戻入は負債とするのが会計上の処理
賞与引当金戻入とはどのようなものでしょうか?詳しく見ていきましょう。まず、賞与引当金戻入は財務会計上の処理です。税法上は、1998年の法人税法の改正により会計上、費用として認められなくなりました。そして、現在は会計上、賞与引当金は負債として処理されます。そして、実際に賞与を支給するときに賞与引当金を取り崩し、賞与引当金と賞与との差額を会計上処理します。仕訳も引当金の取り崩し、差額の計上を処理する流れです。
賞与の定めと賞与引当金戻入益
賞与の基準については、会社ごとに定められています。多いケースは6月、12月など年に2回賞与を支給するようです。就業規則や労働協約書などで賞与の支給が定められている場合には、賞与引当金が定められるのですが、実際に賞与を従業員に与えるときに賞与引当金を取り崩します。その取り崩し額の仕訳の勘定科目は賞与引当金戻入益と呼ぶのです。仕訳の処理もこの勘定科目を使いましょう。
予想していた費用や損失が発生しない場合には仕訳を行う
賞与引当金戻入益の仕訳ですが、手当金を準備した場合には予想していた費用や損失が発生せずに終わる場合があります。例えば会社の工事を予定していたがしなくてすんだ等です。その時に、賞与引当金として費用計上していた金額と賞与との差額が発生します。それが賞与引当金戻入益です。賞与引当金を取り崩したときが会計上の計上時期となります。仕訳では、取り崩し額が収益だと間違って処理してはなりません。
未払い賞与が引当金より少ない場合は特別利益として計上する
賞与引当金戻入益の仕訳、また会計処理するときの注意点も知っておきましょう。税法上は益金ではありません。負債として仕訳では処理しましょう。借方科目としては賞与引当金繰入として処理する方法だと、月末にその月分の賞与見積もりを計上できます。未払い賞与が賞与引当金より多い場合は、当然賞与引当金戻入益は発生しませんが、未払い賞与が賞与引当金より少ない場合は貸方科目に特別利益として計上できるのです。仕訳の際は自社がどういった計上した金額との差額をしっか確認して処理しましょう。
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