通夜で枕飯を用意する意味とご飯茶碗のルール
お通夜の枕飾りは魂が現世の誘惑に惑わされずあの世へ旅立つために必要
枕飾りをするのは、魂が現世の誘惑に惑わされずあの世へ旅立つために必要だからといわれています。亡くなったばかりの魂はとても不安定な存在で、生前にもっとも強かった欲。例えばご飯などの食事などに執着してこの世に残ろうとします。そこで、この世への執着心を浄化し現世の誘惑を断ち切って成仏させるために、お通夜で枕飾りを施したりお経を読んで魂を供養します。このような基本的な意味を知っておきましょう。
お通夜の枕飯はご飯に箸を 2 本垂直に立てたもので死者の物という印を表す
お通夜に参列すると枕飯を目にすることがあります。この枕飯は、お茶碗に盛り切りにした一膳かぎりのご飯に箸を 2 本垂直に立てたものです。普段の食事において、お茶碗に盛られたご飯に枕飯のようにお箸を立てると、縁起が悪いとされるので注意しましょう。これは、お箸を垂直に2本立てると死者の物という印であり、一膳飯は忌みの掛かった物と考えられているものだからです。
お通夜での枕飯は死者が蘇ることを期待したおまじない
枕飯を作るようになった理由は様々あります。一つは、死者を蘇らせる呪術的な役割を果たしていたという説です。昔は今と違い、白米であるご飯はとても貴重な品だったので、「お米を食べたさに蘇って欲しい 」 と願った魂呼びの呪法の意味がありました。その他の説は、食物が肉体と魂を養うという考えから、魂の形にして供えたという説。また、冥土へ出かけるお弁当として白米を山盛りにしたといったり、普段はぜい沢品だった白米をお供えすることで、故人がよみがえることを期待したなどと様々な説があります。
お通夜に必要な枕飯の作り方
お通夜で準備される枕飯は、故人が使用していたご飯茶碗を使って、すり切り一杯分の米を量って別釜で炊きます。炊いたご飯は残さず山盛りに盛りつけて箸を突き立てるようにします。炊きあがると水分を含んでふっくらするので山盛りに盛り付ける形になります。お箸は、生前に個人が使っていたものを二本垂直に立てます。二本の箸が一本に見えるようにする、一本は垂直で、一本は横に挿して十字にするなどさまざまな方法があります。この十字にするのは、立っている方の箸が火で、横になっている方の箸が水の意味で、火と水でお浄めをするという意味があるといいます。いざという時に困らないように、これらの作り方を知っておきましょう。
枕飯などの枕飾りを用意するのはお通夜の前
お通夜で使用される枕飾りの枕飯も枕団子も、火葬日まで毎日作りかえて、前日までの枕飯と枕団子は全て半紙等に包みお棺の中に入れます。作るのは、できることであれば他界したその日から作るものとされています。地域によっては、お通夜の日に作る地域もありますので、自分の地域などお通夜を行う地域の風習を調べてご飯など必要なものを用意しましょう。
枕飯に使用するご飯茶碗は使用後には必ず割る
故人が他界した日やお通夜の日から作った枕飯に使用したご飯茶碗は、使用後には必ず割ります。使用後に割ることの意味は、死者に決別を悟らせる風習です。なので、大切に保管することをしないようにしましょう。そのため、使用する器においては、故人が使用していたものの中でも、割っても良いような小皿やご飯茶碗を選ぶようにしましょう。
お通夜のときにご飯で作る枕飯は死者が蘇ることを期待したおまじないで茶碗は使用後には必ず割る
通夜で枕飯を用意する意味とご飯茶碗のルールについて紹介しました。家族が他界すると、枕飾りを用意する必要があります。枕飾りの中でも、枕飯はは故人のご飯茶碗や個人のお箸で作るという作業がありますので、用意する日に関してて地域で異なる場合があるので忘れることのないよう注意しましょう。このような基本的な意味や作り方などを理解して、いざという時に困らないようにしましょう。そして、恥の無いようお通夜をとり行いましょう。
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