「交誼」という言葉を目上の人へ使うときの注意点
「交誼」とは友人としての親しい付き合いの意味
手紙では多用される言葉ですが、手紙を書く機会が少ないと「交誼」を初めて見たと思われるかもしれませんし、読み方もわからないかもしれません。そこでまずは「交誼」という言葉の意味をおさらいしましょう。「交誼」は「こうぎ」と読み、漢字の誼の字に“よしみ”の意味が含まれています。したがって、「交誼」という言葉は“友人としての親しいつきあい・よしみがある”という意味になります。
「交誼」は友人の付き合いで使用されるため目上の方に使うと失礼にあたる
熟語では「交誼を結ぶ」があり、親しくて心の通い合った交流をしている、人や団体と友好関係を結ぶという意味合いで使用され、手紙や文書では『よろしくご交誼のほど、お願いいたします』というような表現で用います。ただし、相手を敬うというよりは対等に“友人としてのつきあいがある”という意味の言葉ですので、目上の方に使うと失礼にあたります。
目上の方に「交誼」を示すには別の言葉を使用する
それでは、目上の方に対して「交誼」の言葉の意味合いを含めて手紙や文書を出すにはどうしたらいいのでしょうか。実際には、「交誼」と同じ「こうぎ」と呼び、そして同じような意味合いの言葉が存在します。目上の方に対しては「交誼」ではなく別な言葉を使うことで、失礼に当たらないようにする必要があります。どのような言葉があるのか、確認しましょう。
「交誼」の類義語は3つある
「交誼」と同じ「こうぎ」と呼ぶ言葉は他に3つあり、意味合いが少し異なります。順に紹介していきます。「高誼」という言葉は、並々ならぬ深い思いやりがあり、目上の方から受ける好意をいいます。「好誼」は、心のこもったつきあいがある意味です。「厚誼」は、情愛のこもった親しいつきあいや厚いよしみがある意味です。このうち、目上の方に対しては「高誼」もしくは「厚誼」の言葉を使うのが一般的で、無難にいくなら「厚誼」を使うといいでしょう。また、「好誼」も「交誼」と同様に、目上の人に使うと失礼にあたります。
目上の方へ「交誼」を使用する場合は使い方に注意が必要
目上の人へ「交誼」やその類義語を使って手紙や文書を出す可能性があるとすれば、年賀状や喪中はがきを送るときや、お葬式のときの会葬礼状の文書を出す場合です。目上の人に対して失礼のない挨拶状を作成するには、「交誼」やその類義語の使い方に留意していく必要があります。具体的にどのような文章を目上の人へ作成すればいいのか、定型文を参考にして考えていきましょう。
目上の方に使用するときは「御交誼」という表現にする
通常、挨拶状や会葬礼状などでは『御高誼に与かり光栄です』『今後とも御高誼下さいますようお願いいたします』というように、言葉の頭に「御」をつけて「高誼」を使うことが多いです。一方で、喪中はがきでは印刷会社の定型文として『明年も一層の御交誼の程お願い申し上げます』と用意されていることが多いです。一般的に使われているとはいえ、言葉の頭に「ご」をつけても目上の人には失礼な表現のはずで、気になる場合は文章を入れ替えるほうがよさそうです。
「交誼」とは友人としての親しい付き合いの意味を持つため目上の方に使う場合は言葉の頭に「御」を付ける
このように、「交誼」という言葉は親しい友人同士や団体に対して使うのが一般的です。もし、喪中はがきなどで目上の人に使用しなければいけない場合には、言葉の頭に「御」を必ずつけるようにしてください。また、「高誼」や「厚誼」といった別な言葉がありますので、はがきを送るさい変更がきく場合などは定型文で「交誼」の有無を確認して、送った目上の方に対して失礼がないように心がけましょう。
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