お屠蘇気分って?お屠蘇の作り方と飲み方も伝授

2017年1月16日お屠蘇, 正月

お屠蘇(おとそ)とは元旦に飲むと健康と幸福を迎えられるお酒

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お屠蘇は、「おとそ」と読み、清酒の一種です。主に5~6主の生薬を使って作ります。元旦に飲む飲み物として、知られています。

お屠蘇は中国より伝えられ、江戸時代に広まった

お屠蘇は、平安時代に中国から伝えられ、当初は宮廷の正月行事で飲まれていました。一般市民に広まったのは、江戸時代だそう。屠蘇という言葉には、「邪気を屠(ほふ)り、魂を蘇らせる」との意味があり、お正月に飲むと、1年の邪気を払い、健康で幸福な年が迎らえると言われています。

お屠蘇に使われる「屠蘇散」の主な生薬

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では、お屠蘇に使われる生薬の主な種類や効能をご紹介します。もちろん、体にいいものではありますが、お屠蘇に使う分量では、医療効果は期待できません。

お屠蘇で使う生薬は主に5~6種類

●白朮(びゃくじゅつ)

キク科オケラまたはオオバナオケラの根茎。効能は、利尿作用・健胃作用・鎮静作用のほかに、体力や生命エネルギーを増やす効果も。

●山椒(さんしょう)

サンショウの実。主な効能は、健胃作用・抗菌作用。

●桔梗(ききょう)

キキョウの根。痰、鎮咳、排膿の効能があり、痰・咳・喉のはれ・化膿などに効果的。

●肉桂(にっけい)

ニッケイの樹皮。ニッキ・シナモンとも言う。

効能は、健胃作用、発汗・解熱作用、鎮静・鎮痙作用。

●防風(ぼうふう)

セリ科ボウフウの根。

発汗・解熱作用、抗炎症作用が主な効能。

●陳皮(ちんぴ)

ミカンやその他柑橘類の成熟果皮。

効能は、血流改善、肝機能を高める。健胃作用など。

お屠蘇のおいしい作り方を伝授

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お屠蘇の意味と生薬について把握したところで、お屠蘇のおいしい作り方をご紹介します。実は、お屠蘇はとっても作り方が簡単なのです。

お屠蘇の材料は「日本酒」「みりん」「屠蘇散」のみ

作り方の前に、用意する材料はこちら。

・市販の屠蘇散(通販でも薬局でも購入できます)

・日本酒と本みりん 合計300mlほど

※みりんは、昔ながらの製法で作られる「本みりん」を使いましょう。味わいが非常に良くなります。

作り方①日本酒とみりんをブレンドして量を調整

日本酒と本みりんをお好みでブレンドして、300mlになるように調整します。みりんが多いと、甘くまろやかになり、日本酒が多いとドライな味になります。お酒が苦手な人は、本みりんだけで作ってもOKです。

作り方②屠蘇散を浸し7~8時間ひたすら放置

日本酒と本みりんをブレンドしたものに、市販の屠蘇散を入れて、そのまま7~8時間放置します。

※浸しすぎると、濁ったり沈殿物ができてしまうことがあるため、注意してください。

作り方➂袋を取り出して完成

生薬成分が十分溶け出したら、屠蘇散を取り出します。これで、お屠蘇は完成です。作り方は単純で、1度聞いたら、すぐに覚えられますよね。

お屠蘇の伝統的な飲み方を覚えよう

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お屠蘇は、その飲み方に作法があります。飲み方は、地域や家庭によって異なるものの、今回は一般的な作法を覚えましょう。

飲み方①屠蘇散の袋を井戸の内側に吊るす

最初は、飲み方ではなく準備ですが、大みそかの夜に屠蘇散が入った袋を井戸の内側に吊るします。そして、元旦の早朝に取り出して、酒もしくはみりんに浸します。ですが、現在の家庭で井戸がある家は、そうそうないですよね? 井戸がない場合は、省略してもいいかもしれません。

飲み方②新年の挨拶を済ませたら、料理の前にお屠蘇を飲む

元旦の朝、若水(元旦の朝に汲んだ水)で身を浄め、初日や仏壇などを拝み、家族が顔を合わせて新年のあいさつをします。そのあと、おせちやお雑煮などの食事をいただく前に、お屠蘇を飲みます。その際の酒器は、漆塗りまたは白銀や錫などのお銚子と、朱塗りの三段重ねの盃を使いましょう。

飲み方➂東の方角を向いて年少者から順に飲む

お屠蘇を飲むときは、家族全員、東の方角を向きましょう。そして、お屠蘇は年少者から先に盃を進めるというのが特徴的な飲み方。これには、若者の精気を年長者に渡すという意味があるそう。飲むときは、「ひとりこれを飲めば一家苦しみなく、一家これを飲めば一里病なし」と言います。

飲み方④三が日の来客にはお屠蘇をすすめる

お屠蘇は、元旦の朝に家族だけで飲むわけではなく、お正月の三が日の来客にも、まずお屠蘇をすすめて、新年のあいさつを交わしましょう。

飲み方⑤松の内が過ぎたら井戸に投げ入れる

松の内が過ぎたら、袋のなかの生薬をもとの井戸に投げ入れます。この井戸水を飲むと、一代のあいだ無病でいられるとされたとか。井戸がないと、どうしようもないですが…。また松の内は、一般的にお正月の門松が飾られている間(大体元旦から15日頃まで)を指します。

お屠蘇気分とは「お正月の浮かれた気分」を指す

最後に、お屠蘇気分の意味を確認しましょう。お屠蘇気分とは、「めでたさから、ダラダラした気分で過ごすこと」を指します。たとえば、「正月も10日を過ぎたのに、まだお屠蘇気分が抜けない」などと使います。お屠蘇気分は仕事がはじまっても、なかなか抜けないのが現実ですよね。

とはいえ、お屠蘇は浮かれた飲み物ではない

お屠蘇気分は、ダラダラと浮かれた気分を言いますが、お屠蘇は浮かれた飲み物ではありません。お屠蘇には日本酒を使いますが、酔うほどの量は飲みません。あくまでも、邪気を払い、延命長寿・健康を願って飲む飲み物です。どこから、お屠蘇気分という言葉が生まれたのか謎が深まります。

お屠蘇気分は浮かれた気分!お屠蘇はおいしい作り方と伝統的な飲み方をマスターしよう

お屠蘇は、お正月に長寿や健康を願って飲む飲み物です。作り方はとても簡単で、日本酒と本みりん、そして市販の屠蘇散があれば、すぐに作れます。また、伝統的な飲み方がありますので、ぜひ覚えておきましょう。

さらに、お屠蘇気分はお正月特有のダラダラした気分を指しますが、お屠蘇自体は、浮かれた飲み物ではありません。お屠蘇気分は、早めになくせるよう努力したいですね。

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2017年1月16日ビジネス

Posted by BiZPARK