給与の遡及手続きが必要になるケースについて
給与の遡及(遡及)とは過去の給与計算を今行う事
給与計算を行う際に、遡及という作業が必要となるケースがあります。これは本来、過去の給与計算を行う時点で行うべきことを後で清算という形で行うものです。その期限は2年間と定められています。そのような手続きを必要とするケースは色々なものがあるので、特に人事に関わる人は是非知っておきたいことを具合的に挙げていきます。
給与の遡及が必要となるケースとして計算違いが挙げられる
まず単純に、計算間違いをしているケースが挙げられます。例えば1日の労働時間が8時間を超えた分に関しては、時間外手当として計算する必要が出てきます。特にアルバイトなどの給与計算をするケースに、基本給で計算してしまっていると判明したならば、遡及して計算することになります。そして不足分を次の支払い金額に加算して支給する流れとなります。注意が必要なのは、2年を過ぎると時効となるので、従業員も必ず計算が合っているかチェックしておくことです。
昇給したケースも遡及手続きが必要になる場合もある
給与の遡及が必要となるのは、他にもあります。どうしても制度上避けては通れないのが、昇給に関するものです。例えば新年度からの給与の算出には、前年度における業務実績が反映されることになるのが通常です。けれどもその査定には時間が必要となるもので、どうしても間に合わないというケースは良くあるものとなります。
給料の査定が間に合わなかった際によく使われる
昇給査定を行うのは、当然ながら4月以降となります。そして4月分の給与計算までに査定が間に合えば良いのですが、それ以降にまで及ぶケースには、とりあえず4月分の給与はこれまでと同じとなります。そして査定が出た時点で、過去に遡及して不足分を次の支給分に加算して支給することになります。ボーナスのケースには、不足分は月給に加算しますが、賞与支払届は差し替えという形で処理することになります。
給与の遡及で注意する事は社会保険の手続き
給与の遡及作業において注意すべきこともあります。それは社会保険に関する手続きです。遡及は過去の給与計算を訂正するという意味合いがあるので、本来はそれぞれの月の給与に応じて社会保険料も計算すると思いがちです。けれども実際には、社会保険料算出の対象となる月に幾ら支払われたかが基準となります。
ある時期に給与が間違われると保険料まで連鎖するので慎重になる必要がある
社会保険料は4月から6月の給与が算出のための参照対象となります。つまり、この期間の給与が必要以上に増えてしまうと、社会保険料も増加してしまうのです。もちろん企業側としても負担は増えますが、従業員も不必要に負担を増やすことになります。そのために、毎月の給与支払い明細はきちんとチェックをしておくことが大切です。できる限り遡及措置を行わずに済むようにすることが大切です。もちろん企業側もミスがないように心掛けることが大事です。
給与の遡及手続きは昇給した時や計算間違いが起こったケースに必要になる
給与計算に不備があったり、あるいは査定評価を反映させることが間に合わないようなケース、後の給与支給の際に調整する遡及を行うことができます。ただし注意が必要なのは、社会保険料への反映です。不必要に保険料を増やすことのないように、むやみに遡及措置を行わずに済むようにすることも大切です。従業員としても、ミスがないかをきちんとチェックすることが大事です。
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