ストックオプションに対する源泉徴収と発生する税金について
ストックオプションとは優遇された価格で自社株を入手できる制度である
ストックオプションとは、会社に勤めている従業員や役員が、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で勤め先の会社の自社株を購入できる権利のことを指します。ストックオプション権利を行使することによって、優遇された価格で自社株を入手することができるため、株式を売却することによって市場価格との差額を利益として得ることができます。そのため、ストックオプションは役員や従業員に対するボーナス報酬のようなものだと考えることができます。
税制非適格の場合は源泉徴収の対象となる
ストックオプションには条件によって、税制優遇を受けられる税制適格と、受けることができない非適格があります。税制適格の場合には、ストックオプション権利を行使した際には課税されません。しかし、非適格の場合には、行使時の時価と行使価格の差額が給与所得として課税され、源泉徴収の対象となります。
税制非適格ストックオプションは課税される
税制非適格のストックオプションの場合には源泉徴収だけでなく、権利行使時に行使価格と時価の差額(含み益)に課税されることに加えて、株式の売却益にも課税がかかります。権利行使時の課税は含み益に対する課税になるため、現金収入がないのに課税されることになってしまい、税金を支払うことすら難しくなってしまう場合もあります。
権利行使時に給与所得になるため源泉徴収が必要である
また、行使時の課税については給与所得という扱いになるため、源泉徴収が必要になります。この場合には、権利を行使した個人が、会社に対して源泉徴収分の税金を支払う必要があるため注意が必要です。このほかにも、課税総所得金額が1800万円を上回る場合には、所得税40%・住民税10%課税される可能性があります。このため最大50%の税率になる可能性があるため、重い税金負担が課せられる場合があります。
税制適格ストックオプションの場合税金の面で優遇されている
税制適格のストップオプションは税制面で優遇されています。税制適格のストックオプションではでは、非適格のように権利行使時に課税されることがありません。そのため源泉徴収が必要ないだけでなく、現金収入がないのに課税されることがないため税金の支払いに困ることがありません。
税制適格と非適格では税率の面でも大きな差がでるので注意が必要である
また、給与所得と譲渡所得の両方に課税される税制非適格のストックオプションに比べて、税制適格のストックオプションの場合には譲渡所得にのみ課税されます。そのため、税制適格のストックオプションの場合、上場株式では10%、非上場株式では20%の税率となり、最大50%の税率となる非適格のストックオプションに比べて、大幅な税負担の軽減が可能となります。このように、税制適格のストックオプションは源泉徴収分の支払いの手間がないだけでなく、税率の面からも大きく優遇されています。特に、課税総所得金額が1800万円上回る方の場合には大きな差となってきます。
税制適格のストックオプションに源泉徴収はない
上記のように、税制適格のストックオプションの場合には源泉徴収されることはありません。しかし非適格のストックオプションの場合には自分で会社に対して源泉徴収分の支払いをする必要があります。税制適格は非適格に比べて大幅に税率が低くなる場合があるため、しっかりと確認をすることによって税負担を減らすことができる可能性があります。
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