経常利益の意味とは?いまさら聞けない営業利益に関する計算方法

2016年12月8日経理

経常利益と営業利益とは?

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世の中には知っているようで知らない言葉だらけではないでしょうか。何気なく聞いているだけで、いざ意味を聞かれると正しく答えられなくて、恥をかいてしまう場合も。今回は、企業の中間発表などで聞かれる「経常利益」、「営業利益」などの言葉の意味を見ていきたいと思います。言葉の意味を理解すると、「経常利益」、「営業利益」をもとに「経常利益率」や「総資本経常利益率」が計算できます。はじめに経常利益と営業利益とはいったいなんでしょうか。

営業利益とは売上総利益からコストを差し引いた額

営業利益とは売上総利益からコスト(人件費や材料費などの一般管理費)を差し引いた額です。まずは売上総利益から説明します。売上総利益は、商品力によって、稼いだ利益という意味です。商品力とは、「商品の魅力によって利益を稼ぎ出す力」と言い換えられます。計算式は、「売上高-売上原価=売上総利益」です。

売上高とは、本業を軸に業務での収入すべてを合計したものを指します。そのため、売上高の大きさは、その会社の事業規模を表します。また営業収益と呼ばれる場合もあります。

売上総利益がわかると、営業利益が計算できます。営業利益の計算式は「売上総利益-販売費及び一般管理費=営業利益」となります。

経常利益とは会社の本業以外の営業活動で稼いだ利益

経常利益とは、営業利益に営業外収益を足して、営業外費用を引いた数字です。営業外収益とは、たとえば、株の売買や受取利息や配当金といった利益です。金融的な部分での収益といえるでしょう。

また、金融にまつわる費用、支払利息が、営業外費用として計上されます。そうして、経常利益が算出されるのです。もちろん、貸金業が本業の場合には、金融にまつわる費用でも営業外収益とされません。

計算式は、「営業利益+営業外収益—営業外費用=経常利益」です。

経常利益率の計算方法

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経常利益と営業利益については、おわかりになりましたでしょうか。経常利益と営業利益は決算の要といえるでしょう。決算期に自社の経常利益と営業利益に注目してください。経常利益と営業利益の意味を理解したなら次のステップにいきましょう。それは経常利益と営業利益をもとに計算する経常利利益率です。

経常利益率=(経常利益÷売上高)×100

経常利益率は一般的に売上高経常利益率といいます。売上高経常利益率とは、会社の売上高に対する経常利益が占める割合が財務指標で、%で表します。

売上高経常利益とは、会社の本業と副業及び金融収支とを合わせた、企業の実力を示す利益です。そのため、売上高経常利益率は企業の経常的な収益性を示す指標となります。

また、本業の収益力を示す営業損益に、普段行っている財務活動などの損益を加減して計算しているので、企業の事業活動全体から得られる総合的な利益獲得力を示します。

売上高経常利益率から企業の実力が把握できる

売上高経常利益率は企業の実力を見るうえで欠かせない数字といえるでしょう。

たとえば、A社とB社とで、売上総利益、営業利益が同等であっても、金融収支や副業の収支などの経常利益で大きく差が開く場合があります。

売上高経常利益率の全業種の平均値は2.5%前後です。職種や業種にもよりますが、売上高経常利益率が10%以上あれば優良企業と言えます。

売上高経常利益率は、企業における本業や副業の利益や、金融収支などを加味した、企業の総合的な収益性を判断するのに役に立ちます。

総資本経常利益率の計算方法

経常利益、営業利益から計算する売上高経常利益率については、おわかりになりましたでしょうか。複雑な計算に見えますが、仕組みがわかってしまえば混乱することはないでしょう。

では続いて、総資本経常利益率の計算方法についてみていきます。総資本経常利益率は収益を分析する際に欠かせない考え方です。

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総資本経常利益率=経常利益/総資本×100

総資本経常利益率は、企業の経常的な活動による業績の良し悪しを示すものです。収益性分析を行う場合の最も基本となる指標となります。

投下した資本に対して、どの程度の利益を生み出したのかを判断できます。

しかし総資本経常利益率には直接本業には関係のない遊休資本(投資先・貸付先がなくて活用されていない資本、遊資)なども含まれています。また経常利益には金融収支が含まれるため、より厳密に収益性を見極めたい場合には総資本から遊資を差し引いた経営資本と、生産と販売活動によってもたらされる営業利益を用いた経営資本営業利益率を使います。

経営資本営業利益率の計算は以下の通りです。

経営資本営業利益率=営業利益/経営資本×100

経常利益以外に知っておきたい専門用語

総資本経常利益率の計算方法については、おわかりになりましたでしょうか。最後に経常利益、営業利益以外で知っておきたい専門用語を紹介します。単語の意味を理解することで経済ニュースに対する受け方がまったく変わりますよ。

起業が最終的に稼いだ利益の当期純利益

当期純利益は最終利益とも呼ばれます。税引前当期純利益(税金を納める前の利益)から法人税や都道府県税などを差し引いて、当期純利益が計算されます。当期純利益とは、最終的に稼いだ利益です。一年間にどれだけ稼いだのか、利益の最終金額がわかります。

経営成績を示す損益計算書

損益計算書とは、「期間ごとの経営成績(もうけ具合)を表すもの」という意味です。この損益計算書を読み解くことにより、企業が稼いだ金額や、稼ぐためにかかった費用や営業利益や経常利益まで把握できます。つまり、ここまで説明した専門用語がこの損益計算書に記載されているということになります。

経常利益や営業利益の意味を理解して企業の成長率を把握しよう

今回はいまさら聞けない営業利益や経常利益の意味や経常利益率や総資本経常利益率に関する計算方法についてみていきましたが、参考になりましたでしょうか。

言葉の意味が解ると決算時やまた株式投資で役に立ちます。

企業の成長率を具体的に説明するにも経常利益や営業利益は欠かせない言葉ですので、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか。

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Posted by BiZPARK