変形労働時間制の会社で働くメリットと月の労働時間
ひと月の労働時間には上限が定められている
「あれ、今月の労働時間って長すぎない?」
仕事が忙しい月には、こんな疑問を持つ人も多いと思います。 そもそも労働者は労働基準法によって、ひと月に働く労働時間などの上限が定められており、それを超える場合は、時間外手当を会社側が支給する義務があります。 行き過ぎた時間外労働の強制は法律で罰せられます。
ひと月の労働時間は160時間が妥当
労働基準法により、労働者は原則として「1日8時間」「1週間で40時間以内」を超えて働かせてはいけない、と明記されています。その上、8時間以上の労働時間の場合は、1時間の休憩を与える必要があり、なおかつ4週間で4日以上の休日を与える必要があります。 つまり月の労働時間は、基本的に160時間程度(31日の月でも170時間程度)が妥当であり、それ以外に労働する場合は時間外労働手当てを会社に要求する権利があるのです。
変形労働時間制とは労働時間を「偏らせる」制度
最近は、「変形労働時間制」という制度を利用する会社も増えてきました。変形労働時間制は、上記の労働基準法の範囲を超えない前提で、労働時間を「偏らせる」ことが認められています。「1か月単位」「1年単位」「1週間単位」の3つの方法があります。
例えば、1週間単位で変形労働時間制を利用すると、「1週間で40時間」の前提は守りながら、1日ごとの労働時間を変えられるのです。
例えば1週間のうち3日間は4時間ずつ働き 2日間は14時間ずつ働くことが可能
具体的に言うと、週休2日制をとっている会社があり、月~金が出勤日だとします。その場合、月曜日から水曜日までは1日4時間労働にして、木曜日と金曜日は14時間ずつ働くということができます。月火水で12時間+木金で28時間=40時間だからです。
本来なら8時間以上の勤務時間は時間外手当が支給されるはずですが、変形労働時間制をとっている場合は、時間外手当は支給されません。
月の労働時間が200時間を超える場合もある!
変形労働時間制においては以下の4つが労働基準法で規定されています。
■1ヶ月単位変形労働時間制
■フレックスタイム制
■1年単位変形労働時間制
■1週間単位変形労働時間制
1年単位変形労働時間制を採用してる会社の場合、月の労働時間が200時間を超える時期があります。使用者は当該の労使協定を所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
1年単位変形労働時間制だと、1日の労働時間は10時間、1週間の労働時間が50時間ほどの月もあります。つまり、月の労働時間が200時間を超える月もあるということです。
変形労働時間制には会社と労働者の両方にメリットがある
なぜ、このような変形労働時間制をとる会社が増えているのでしょうか?それは繁忙期と閑散期が、はっきりしている会社があるからです。週の前半は暇ですることがない、週末は忙しいと分かっている会社の場合、変形労働時間制を導入すると、時間外手当を払わなくて済むメリットがあります。
変形労働時間制を事前に理解していれば、労働時間が短い日にプライベートを充実させたり、スキルアップのための時間に充てたりできるので、労働者にとっても大きなメリットでしょう。
特に労働者にメリットがある!プライベートを充実させやすいためストレスフリーに
変形労働時間制のルールに従うと、1年単位で変動労働時間制をとっている会社で働く場合は、月の労働時間が大きく変わる可能性があります。季節ごとの商品を扱っているメーカーなどは、この変動労働時間制を利用するケースがこれからも増えてくると予想されます。
月の労働時間を把握しておけば、労働時間が短い月はプライベートを楽しんだり、スキルアップに時間を費やしたりなど、充実した生活を送れるでしょう。プライベートを充実させると、ストレスも溜まりにくくなり、精神的負担がかからなくなります。
変形労働時間制で週や月の労働時間が偏ると私生活を充実させストレスフリーで働ける
月の労働時間は労働基準法に沿って考えて、これまでは160時間から170時間前後が標準的でした。しかし、最近では変動労働時間制の採用により、ある月の労働時間は100時間で、ある時の労働時間は200時間という職場も増えてきました。
月や週によって労働時間が変化するため、「変形労働時間制の会社は働きにくい」と思う人も多いでしょう。ただし、変形労働時間制は会社と労働者の双方にメリットがあり、特に労働者は私生活を充実させる働き方ができるという大きなメリットがあります。
今後も、週や月の労働時間が変化する、変形労働時間制を導入する会社は増加するでしょう。
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