失業手当の手続きと受給日数・金額の算出方法
失業手当の手続きについて
失業手当の手続きについて説明しましょう。第一に知っておいてほしいのは、失業手当は申請したらすぐに支給されるものではない、ということです。この点を勘違いしている人も多いので、注意してください。
受給条件は雇用保険の加入期間が12カ月以上あること
条件を満たしていなければ、失業手当は受給できません。失業手当の受給条件は以下の通りです。
■過去2年間で雇用保険に加入していた期間が12カ月以上ある
(会社都合退職の場合は過去1年間で6カ月以上加入していればOK)
■就職の意思があり、いつでも就職できる状態にある
申請手続きに必要な書類一覧
失業手当の申請に必要な書類を一覧にまとめました。不備のないように注意し、スムーズな申請手続きを行いましょう。
■離職票ー1
■離職票ー2
■雇用保険被保険者証
■本人確認書類
■本人名義の預金通帳
■印鑑
■証明写真2枚(3カ月以内に撮影したもの)
ハローワークで書類を提出→求職の申し込みを行う
失業手当の受給条件を満たしている、そして申請に必要な書類もすべてそろえたら、管轄のハローワークで書類を提出し、休職の申し込みを行います。受給資格が確認されたら、受給説明会に参加します。そこに参加すると、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されるのです。合わせて雇用保険制度・今後の手続きの流れに関する説明がありますので、聞き逃さないようにメモしておくと良いでしょう。第1回目の失業認定日もここで知らされます。失業認定を受けるまでは求職活動を行います。原則として4週間に1度、失業の認定が実施されます。失業認定申告書に求職活動について記載し、雇用保険受給者資格証とともに提出します。失業認定が完了した後、失業手当の受給開始となります。
失業手当を受給できる日数は?
失業手当は再就職が決まるまで支給される、というわけではありませんよ。さらに失業手当の受給日数は一律ではなく、退職理由によって異なります。退職理由は離職票に記載されています。失業手当の受給日数に影響するため、間違っていないか、必ず確認しましょう。会社都合退職なのに自己都合退職と書かれていた、というケースは珍しくありません。
退職理由が自己都合の場合は最長150日
退職理由が自己都合である場合、失業手当の申請後の7日間の待機期間に加えて、受給までは3カ月間の給付制限があります。受給日数も会社都合よりも短くなります。受給日数は雇用保険に加入していた期間で決まります。雇用保険の加入期間が10年未満なら給付日数は90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日となります。
退職理由が会社都合の場合は最長330日
退職理由が会社都合退職である場合は、雇用保険に加入していた期間だけでなく、退職時の年齢も考慮されます。以下のようにまとめたので参考にしてください。
失業手当の受給金額はいくら?
失業手当の受給金額は、ハローワークで聞かなければわからないと思っていませんか?
ハローワークで聞かなくても計算できます。どの程度もらえるのかは受給前に知っておきたいですよね。失業手当の受給額のとは?
退職前6カ月間の給料と年齢によって決定する
失業手当の受給金額を決定するのは、退職前6カ月間の給料と年齢です。
まず退職前6カ月間の給料の総額を算出してください。その総額を180で割ります。たとえば、毎月の給料が30万円なら、30万円×6カ月=180万円となり、さらに180で割ると180万円÷180=1万円ですね。この1万円が賃金日額となります。賃金日額と年齢によって計算式は異なり、計算式に当てはめると、1日あたりの受給額が算出されるのです。
だいたい退職前6カ月間の給料の50%から80%が支給されます。
失業手当の受給中に再就職が決まった場合
失業手当の受給中に再就職が決まった場合、失業手当は打ち切られます。受給日数が残っているのに失業手当を打ち切られるのは、損をしているような気分にもなりますよね。
失業給付の受給中に再就職が決まった場合は、残っている失業手当を別の形で受け取ることができます。
「再就職手当」として支給される
失業手当を受給している間に再就職が決まり、受給日数も残っている場合、再就職手当として支給されます。ただし、残っている失業手当の全額が支給されるわけではありません。再就職手当の支給額の計算方法は以下の通りです。
■受給日数が所定給付日数の3分の2以上
失業手当の残り日数×60%×失業手当日額=支給額
■受給日数が所定給付日数の3分の1以上
失業手当の残り日数×50%×失業手当日額=支給額
たとえば、失業手当の受給日数が240日、日額が5,000円の人が受給が開始されて80日で再就職した場合、計算は以下のようになります。
(240日-80日)×60%×5,000円=480,000円
それまでに受け取った失業給付金と合わせると880,000円になります。失業手当(失業保険)を満額受け取った場合、総額は「240日×5,000円」で1,200,000円なので、差額は320,000円となりますね。
すぐに退職すると残った失業手当がもらえる
再就職したとしても、何らかの理由によって退職した場合は前回の失業中に受け取らなかった失業手当が受け取れます。ただし条件があり、受け取れるのは「1度目の退職日の翌日から1年以内におさまる給付日数分」です。
先ほどの例で考えてみましょう。再就職手当を申請していない、かつ再就職先をすぐ退職したとします。2度目の失業手当として、残っている160日分の失業手当すべてが支給されるのではなく、1度目の退職日の翌日から1年以内におさまる日数分が支給されるのです。
再就職手当を申請して受け取っていた場合は、再就職手当の支給額を日額で割り、何日分を受け取ったのかを計算します。先ほどの例に当てはめると、480,000円÷5,000円=96日分の失業手当を再就職手当として受け取ったということになります。よって、160日-96日=64日分を2度目の失業給付で受け取れるというわけです。
失業手当の受給日数・金額は退職理由や年齢で異なる!計算間違いには注意
失業手当の受給日数や金額は、退職理由や年齢、雇用保険への加入期間によって異なります。計算する際は、間違えないように注意しましょう。
申請のために必要な書類は、退職する会社から受け取るものが複数あります。漏れなく会社から受け取り、退職理由に間違いがないか、必ず確認してください。会社任せにせず、自分でもしっかり確認しておくことで、失業手当の手続きの際に役立ちます。
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