野球選手の転職歴に迫る!引退後のシビアな現実
野球選手の引退後は華やかとは真逆!シビアな現実とは?
野球選手といえば、活躍すればテレビにも出るし、億単位の年収ももらえて、美人な女子アナと結婚できるという、華やかなイメージがありますよね。
しかし、勿論スポーツ選手ですから老いには勝てません。年齢を重ねたら、引退が待っているのです。また、まだ若くても活躍できなければ、戦力外通告、いわゆるクビ宣告を受けたり、怪我をしてプロの道を諦めるしかなくなったりするケースもあります。
そんな野球選手が引退した後はどのようにして生計を建てていくのか、非常に気になりますよね。我々のイメージでは監督や野球中継の解説者という道がぱっと思い浮かびますが、実際はどうなのでしょうか?
第一線で活躍できるのはごく一部
まず、野球選手といっても1群で活躍できるのはほんの一部です。実は、プロ野球選手は個人事業主なので、球団から交通費は出ません。そのため、野球選手とは言っても、交通費や体のメンテナンス費用を考えたら、実際に使えるお金は普通のサラリーマンと変わらないという選手も多いのです。
そして、目覚ましい活躍ができなかった選手は3~5年でクビになるケースも多いようです。つまり、野球選手として、長いキャリアを積める人は限られてくるのです。それでも30~40代で多くの選手が引退していきます。
引退後の理想キャリア「指導者」になるのは難しい
野球選手を引退した後の道として考えるのが、球団の監督・コーチなどの指導者ですよね。しかし、勿論球団の監督やコーチのポストというものは、限られています。引退した選手全員が就ける訳ではないのです。
さらに、せっかくコーチの職につけても1年契約がほとんどなので、毎年引退してくる選手の中で生き残らなければ、無職になってしまいます。コーチ職を狙っても1年先は闇ですから、安定を望んで一般企業就職の道を選ぶ野球選手もいるようです。
また、コーチや監督の職は、人脈がものをいう世界。人脈がなければ、どんなに現役時代に活躍した選手でもコーチ職を掴むのは難しいようです。
活躍しても引退後が厳しい理由とは?
このように現役時代どんなに活躍した選手でも、引退後の就職は難しいのが現実だと分かりましたね。しかし、そもそもどうしてそこまで引退後の道はシビアになっているのでしょうか?
プロ野球選手の世界に入るのはそれだけですごいことです。並みの努力ではできません。その位の経歴があれば、野球以外の道でも評価されそうな気はしますよね。一体何が理由なのか見ていきましょう。
理由①:テレビ業界の不振で解説者は需要減
先程、理想キャリアとして考えられるコーチや監督になるのは“難しい”という話をお伝えしました。しかし、ユニフォームを着れなくても、野球選手の強みを活かせる道として、野球中継の解説者職がありますよね。しかし、実は解説者の道も狭き門となっているのが現実なのです。
現在はテレビ中継自体が減少しているため、昔よりも中継の解説者の仕事が少なくなってきています。また、不景気の影響で例え仕事につけたとしても、ギャラまで少なくなっているようです。
昔は平均50万円もらえたものが、今では10万~20万円まで減っています。これがCSになれば、ギャラはさらに5万円まで下がるという話です。これでは解説者の仕事だけで食べていくのは難しいですね。
理由②:プライドが高い
意外な話ですが、引退後の就職はそれなりに活躍した選手の方が厳しいようです。なかなか目立った成績を残せず20代半ばで引退した選手の場合は、そこまでプライドが高くないので、野球をスッパリと諦められます。まだ若いので就職先も見つかりやすいという点もあるでしょう。
しかし、長年レギュラーで活躍した打者や数年間で70勝くらいした投手の場合は、野球界で活躍した自信とプライドがあります。引退後に他の業界にいっても、なかなかスイッチが切り替えられず、転職を繰り返したり、仕事を辞めてしまったりするケースが多いようです。
さらに、周囲もそれなりに活躍してプライドのある人間に、どう対応して良いのか困るというのも本音のようです。また、それなりに活躍して30代・40代で引退したとなると、そこから民間に就職するというのは、厳しい話です。それぐらいの年齢ですと、経験ある転職者と競わねばなりません。
理由③:戦力外通告の時期が遅すぎる
野球の戦力外通告の時期は10月1日~全球団のレギュラーシーズン終了の翌日まで」となっているようです。そうなると、早くても10月以降から就職活動を始めることになります。しかし、新人を募集する多くの企業では10月にはすでに内定者が決まっている所が多いです。
そうなると、企業がまた募集をする機会を待つか、経験者と戦うことになる転職業界で無謀にも戦わなければなりません。引退後は同業で裏方として働く訳ではない場合、このシステムだと引退後の野球選手は不利な立場に立たされるのも仕方ないのです。
理由④:高卒の場合、頼れる人脈がない
さらに、野球選手も引退後は学歴が関係してくるといいます。今も民間企業では学歴社会の傾向があり、特に未経験で雇うとなると、高卒では仕事が見つからないと言います。
さらに、安定している野球関係の仕事には球団スタッフがありますが、これには学閥というものが存在するらしいのです。学閥といえば、民間企業ではよく聞く言葉ですが、野球業界にもあるとは驚きですね。このため、高卒の野球選手は球団スタッフになるのも難しいのです。
野球選手たちの「その後」は?
引退後の野球選手が直面する厳しい就職状況を紹介しましたが、実際の野球選手たちの「その後」が気になりませんか?ここでは、野球選手とは違う道を選んだ3人の選手のその後を見ていきます。
神島崇(元日本ハムファイターズ)
1人目は、元日本ハムファイターズの神島崇選手。彼は、家業を継ぐという道をとりました。球団から戦力外通告を受けるとともに、引退を決めて、実父の勧めで神職になるべく國學院大学に入学。その後は神職に就いたようです。
宇都格(元近鉄バッファローズ)
続いて紹介する2人目は元近鉄バッファローズの宇都格。彼は、野球ではなく、ダーツの道を選びました。飲食店勤務の後、ダーツバーの経営会社に入っています。その後、現在はトーナメントでも優勝するプロダーツプレイヤーとして活躍しながら、ダーツバーの経営者を務めているようです。
高橋智(元ヤクルトスワローズ)
3人目に紹介するのは元ヤクルトスワローズの高橋智。引退後は妻の勧めで整体師などのアルバイトをしていたといいます。どうしても野球選手のプライドが捨てきれなかったが、妻の叱咤激励もあり、現在はエレベーター保守の仕事に落ち着いているそうです。
引退後に指導者や解説者になれる野球選手はごく一部!就職も厳しい
いかがでしたか?野球選手になるのはとても難しいのに、活躍できる人は限られ、その時期も短いという現実。そして、引退後の就職状況は条件的になかなかシビアにならざるを得ないのです。
今はスポーツ選手専用の転職サイトなどもありますが、何かに一生懸命打ち込んでいた人たちが、転職してもまた活躍できる世の中になるといいですね。
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