社員寮に入居する前に知っておきたいプライバシー侵害事案
社員寮におけるプライバシーの侵害事案①:慣れあいによるもの
社員寮では、二人以上で一部屋を使用する相部屋を導入しているケースがあります。相部屋にはルームメイト同士で信頼関係を築いて仲間意識をはぐくむことができるというメリットがありますが、プライバシーという観点から見れば、侵害される確率も高くなる環境なのです。
慣れあいがプライバシー侵害に繋がる
自室で一人になりたいと思う時というのは人間だれしもありますが、相部屋の場合そうはいきません。そっとしておいてほしいのに、あれこれと話しかけられたりしたら、プライバシーの無さにストレスが溜まってしまい社員寮を出たいという考えになるでしょう。
過度な慣れあいは、お互いのプライバシー侵害に繋がる恐れもあるのです。ルームメイトに全く悪気が無かったとしても、プライバシーを侵害されていると感じるケースがあるかもしれません。
社員寮におけるプライバシーの侵害事案②:無断侵入
相部屋ではなく入寮者それぞれに個室が与えられている社員寮の場合、自室はプライベートな空間になります。
しかし、社員寮では部屋主に無断で他人が室内に侵入しプライバシーを侵害するケースも少なくありません。そのひとつが管理人によるチェックです。定期的な確認なら事前通告が行われますが、寮の管理者が部屋の現状確認という名目で抜き打ち点検をする人もいるのです。
部屋に鍵が取り付けられていない社員寮も多い
管理者の立場になってみれば寮の部屋がきちんと使われているかどうかを確認したいと思うものですが、寮の個室はプライベートな空間であり本来みだりに立ち入ることはできません。生命や財産に危機が及んでいるのでもない限り、第三者が部屋主の許可なく勝手に室内に立ち入ることはプライバシーの侵害に当たるのです。
本来であれば部屋主のプライバシー侵害に当たる無断入室は厳しく制限されなければいけないのですが、残念なことに多くの社員寮では寮を管理するという名目の元、無断で入室して部屋の様子を点検するということがごく普通に行われています。寮の部屋に鍵が取り付けられていないことも多く、自衛もままならないのが寮生活の現状です。
社員寮におけるプライバシーの侵害事案③私物点検
社員寮で生活しているといっても、個人が所有する私物については当然社員それぞれに所有権があります。たとえ寮の管理者であっても無断で使用したり点検したりすることは許されません。
しかし、寮生活では必ずしも自分の私物のすべてを完ぺきに管理することができません。昼間働いていて留守にしている寮の自室にある私物を管理人が無断で点検している可能性は十分にあるのです。
手紙や郵便物に関するトラブルが社員寮では発生しやすい
特に深刻なプライバシー侵害に当たるのが、手紙や郵便物です。寮に個人用の郵便受けが無く届けられた郵便物を管理人が一括で受け取って仕分けする決まりの場合、管理人がこっそりと手紙の内容を読んでいたケースもあるのです。
残念なことに意識の低い管理人がいる社員寮では手紙に対する重大なプライバシー侵害が行われることは珍しくありません。たとえ内容を盗み読みされていなかったとしても、届けられる郵便物の差出人を受取人以外の人間に漏らされるようなことがあればプライバシー侵害に当たる可能性はあります。
プライバシーを侵害されている場合は会社に相談する
ルームメイトの距離感や管理人によるプライバシー侵害を感じ、社員寮を出たいとまで考えているのでされば、まずは会社に相談するようにしましょう。いきなり警察に行く、いきなり退寮を申し出るのは得策とは言えません。せっかく福利厚生のひとつとして社員寮へ入っているのです。まずは、会社に現状を伝えて改善策を取ってもらうのです。万が一、会社が管理人とグルであったなどの場合には、労働組合に相談するのもひとつの方法でしょう。
社員寮において過度な慣れあい・無断侵入・私物点検はプライバシーが侵害へと繋がる可能性が高い
社員寮のような集団生活の場ではプライバシーも一定の制限を受けるべきという考え方もありますが、人間として最低限守られるべきプライバシーに関しては寮といえどもルールとマナーを守る必要があります。出たいと感じるほどのプライバシー侵害が発生したら、会社側に改善を要求しましょう。それでも改善が見られないときは、労働組合に相談するのもひとつの方法です。どのような形でプライバシー侵害が起きるのかを知り、社員寮での生活に備えましょう。
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