春闘要求書の書き方と文例
春闘要求書の正しい書き方①基本給向上の要望を含める
基本的に労働組合が提出する春闘要求書では、労働組合に加盟するすべての労働者が希望することが凝縮されています。春闘要求書を提出する先の企業に関わる方が共通して望むことは、給与に対しての要望です。そのため、まず春闘要求書では基本給に関しての向上要求が記されることが多いです。
給与の向上額は大会で合意に基づく
労働組合は組織的に各企業との労働条件向上を目指す機関であり、所属する各個人がバラバラに要求を出しても叶わない希望を集約し、正当な要求として経営者に提出します。
そのため、給与の向上額、その他の要望に関しても執行がしっかりと取りまとめを行い、大会などで合意を得た内容を文書にしています。
春闘要求書の正しい書き方②労働環境の実態を反映している
給与を上げてほしいということは働く誰もが望むことではありますが、その他にも労働環境の改善も重要視されます。労働組合が業界単位で構成されている場合も多く、そのような場合、各要求書の内容を知ることができれば各業界で働く方が現実的に抱えている問題を知ることができます。
労働時間や有給取得のシステムに関しても要望を出す
長らく社会問題になっている労働時間に関する改善要求や、有給休暇を取得できるシステムに関しても春闘では明確に要望を出します。
さらに、職務を遂行する際に用いる設備などに関しても質を向上してもらえるように希望を出すなど、ただ待遇を良くするだけではなく、しっかりとした仕事が実現できるような希望を込めるのもポイントです。
春闘要求書の正しい書き方③要求事項は箇条書きで記載されている
春闘の要求書と聞くと、なんだか小難しい書類の書き方があるのではないか、と連想してしまう方がいるかもしれません。しかし実際には小難しい書き方をする必要はなく、むしろはシンプルな書き方、つまり箇条書き状のもので構いません。春闘要求書自体は、1枚の書類にまとまっていて、誰が読んでも即座に内容を理解することができる書き方で記されています。春闘要求書書き方としては以下のようになっているので、この機会に確認しておくと良いでしょう。
誰宛に、いつ、誰が出したものなのか記載する
一般的な書き方に沿った春闘要求書についてご紹介します。
どのような書き方かと言えば、まず、
左肩に提出先の企業の経営者、
右肩には提出する日付、
そしてその下に労働組合の責任者名を印、捺印を施します。
その下に「要求書」として、要求事項を列記していきます。実施日に関する要望や、要求への回答期限もしっかりと記します。
最後は右下に以上と記します。
それでは文例を見てみましょう(なお文例はあくまで参考です。この文例のフォーマットとは異なる要求書あります)。
労働組合が提出する春闘の要求書の文例
×年×月×
××××株式会社
代表取締役社長 ××××殿
××××労働組合
執行委員長 ××××(印)
要 求 書
××労働組合は×月×日、第×回大会において下記の要求を決定しましたので、
労働者の実情を十分理解の上、誠意をもって応えるよう要求します。
記
・現行賃金を1か月当たり××円引き上げること。(現行歩合率を××%とすること。)
・実施は、×年×月×日からとすること。
以上の要求について、×年×月×日までに回答されること。
労働組合が提出する春闘の要求書は簡潔な書き方をしよう
春闘における要求書の書き方と文例について見ていきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。労働組合が提出する春闘の要求書は、文例を参考に簡潔な書き方をしましょう。
長く続く企業、業界では働く人が労働組合に加盟することが当たり前、という企業もあります。業界によっては春闘の求書を毎期提出することが常識になっている場合もあります。
そのような企業に転職した際には、春闘に対しての理解、要求書の書き方、内容への意思表示等をできるようにしておく必要があります。そのため今回ご紹介した春闘要求書については、一般常識として押さえておく事が大切です。
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