調整手当がもつ意味と意外な支給理由
調整手当とは?
給与における調整手当とは、精勤手当や資格手当などとは異なり、会社によってその意味合いはさまざまです。調整手当がどのような理由で支給されているのか、いくつかあげてみましょう。
バランスを保つために必要な手当。会社によって意図はさまざま
給与の一部として調整手当が支給されるのには、
■基本給与やそのほかの手当を合算しても、その人の能力に見合う給与額に満たないため
■転職前の給与額との均衡をはかるため
■ほかの従業員との均衡をはかるため
■残業の対価として
といった理由があります。
勤続年数で増えたり減ったりと、会社によって調整手当の意味や定義は異なります。
「調整手当」という言葉は、企業それぞれが都合よく使っているようです。
新卒の初任給で調整手当が出ている場合は、よほどの技術職などではない限り、残業代の一部として支給されていることが多いようです。
調整手当が支給されるのはどんなとき?
給与における調整手当の意味合いは、企業によって異なるとわかりました。
調整手当に共通して言えるのは、社員のためのものでもあり、会社がスムーズに運営されるためのものでもあるということです。では、給与においてどんなときに調整手当が支給されるのか、詳しく見ていきましょう。
調整手当が支給される理由① 社員の能力を見極めかねるとき
たとえば、技術があると見込んで採用したものの実際はあまり技術がなかった…という場合。高い給与で採用してしまうと、なかなか下げることができません。
基本給30万円で採用するよりも、「基本給22万円+調整手当8万円」と提示しておいて、「調整手当は採用後6ヶ月で見直す。○○の能力がなかった場合は支給を停止する。」というような規定を盛り込むことにより、もし能力がなかった場合でも給与として22万円さえ支払えばいいというわけです。
採用してみて仮に能力がなかった場合は、試用期間で解雇することも可能ですが、調整手当で解決したほうが労務リスクは少なくなります。
調整手当が支給される理由② 給与の大幅な増減を防ぎたいとき
一方で、調整手当が社員の助けとなる場合もあります。
たとえば仕事で大きなミスをして能力給が大幅に下がったとします。その結果、給与が大幅に下がって働く意欲がなくなると、最悪の場合、辞職してしまうかもしれません。
企業としては、貴重な人材ですから、このような事態を避けるため、能力給が大幅に下がった場合などは調整手当を少し増やし、実質的な手取りがあまり変動しないようにする処置をとることがあるのです。
転職するときは調整手当がクセモノに?
新入社員の方はまだ転職など考えていないとは思いますが、この先何があるかわかりません。
念のため、転職の際に気をつけるべき調整手当の意味について見ておきましょう。求人内容の給与欄に「調整手当」とあったら、要注意です!
給与を高く見せるため、給与調整が使われていることがある
企業は優秀な人材を引き入れるため、求人内容に高い給与を提示しようとすることが多いです。とはいえ大っぴらにウソをつくことはできませんよね。
そんなとき、極端な例ですが、「月収18~40万円(基本給16万円+調整手当2~24万円)」と提示しておけば、入社後は企業の規定にしたがって調整手当を上げたり下げたりすればいいのです。
求人内容の給与欄に調整手当があり、ましてや金額の幅が広いという場合は、かならずその意味を考えましょう。
調整手当=能力手当とする企業もある!
多くはありませんが、調整手当を能力手当として意味づけている企業もあります。
優秀な人材がしっかり仕事をした対価を調整手当として、ほかの人より多く支払ったり、他の企業に転職してほしくないから高めに支払ったりするのです。
自分の能力に自信があるのであれば、調整手当の幅が広い企業にあえて挑戦するのもいいでしょう。
給与調整手当は会社都合のためや能力手当として支給される場合もある
給与において、調整手当がどういう意味を持っているのかを考えてきました。
調整手当は会社にとってメリットとなる場合もあれば、社員にとってのメリットとなる場合もあり、企業によってその意味はさまざまです。
ここでは、調整手当の意味について考えてみましたが、給与において意味のわからない項目があったり疑問を抱いたりしたらしっかり調べてみましょう。働くからにはその対価として給与を支払われる権利があります。
給与面で、意味がわからないことをそのままにせず、人事や経理に聞くなどして、損をしないように気をつけてくださいね!
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