豊田章男社長「会議には資料もPCも要らない」の真意
昨年、過去最高の営業利益を出したTOYOTA社の役員会議とは!?
会議は資料やデータを用いない。自分の頭と体があれば充分
毎週火曜日の朝にTOYOTAの本社で行われている会議。TOYOTAグループ33万人のトップに立つ豊田章男社長をはじめ、副社長クラスが顔を揃える会議の鉄則は「資料を持ち込まない」こと。これを認めると、部下に資料作成をさせる時間が発生して、それはムダな時間になるという。
上司への報告のための時間なんて、会社を何も前に進めている事にもならないからだ。にもかかわらず、一般的には非常に多くの時間を使っているのが大企業だ。
そもそもデータを集めて資料を作る時間がムダ
資料やデータの不要性を説いているのは、TOYOTA社に限った話ではありません。FacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏、Amazonのベソス氏なども、パワーポイントなどの資料に頼らない「人間力」の重要性について言及しています。
例えて言うならば、演奏も照明も何もない場所で歌うオペラ歌手。ものすごく力強くてエネルギッシュに見えますよね。観客との距離がゼロになるような臨場感、一体感が生まれます。
会議は発表会ではなく、「本音で語り合う場」だという事
いかに対等な目線で話すことが出来るか、を重視した環境づくりに力を入れる事が重要と語ります。
上座や下座を設けない円卓で会議を実施
TOYOTAの会議は、上座や下座を設けない円卓で行われています。円卓で行う事により、膝を付け合せて話す事が出来たり、お伺いを立てる様な姿勢ではなくそれぞれが対等な目線で自由にディスカッションをする環境を作り出しているといいます。
そうした中で、更に豊田社長が大切にしているのはスピード感。「決断は3秒以内」というルールの元に動いているTOYOTA社は、常にクルマ社会の最先端に降臨しています。日本一の企業が行う会議は、常に新しいものを生み出す原動力となっています。
会議でリーダーに必要なのは「聞く耳を持つ」力である
マネジメントをするビジネスマンにとって欠かせない能力と言われているのは、人を見る力と、人の話を聞く力。いわゆる「見聞力」です。
資料で受け取った数字やデータ、あるいは人伝いに聞いた情報も大切ですが、実際に自分の目で見た情報、自分の耳で聞いた情報が一番確かだからです。マネジメントをする上で、そこがもっとも重要です。
松下幸之助も、聞く事の大切さを説いていた
会議を組織力が高まる場に出来ているかがポイント
資料やデータを用いないで行う会議によって生まれるのは、本音で話せる団結力や結束力です。社長以下の役職者と現場との距離が離れている企業は、円滑に回らないと言われています。部署のトップ同士がまず本音で話す事。そしてそれを部下の社員に落としこんでいく事。もちろん同時進行で、現場で働く社員の声を聞く事も忘れません。そうして強い組織が形成されていくのです。
そういった意味で大切になってくるのが、会社のトップの意向を全社員が把握して共感する事です。全社員が同じ方向を向かって進んでいる会社ほど、会社そのものの力が強いと言っても過言ではありません。
会社やチームでの理念の統一は、マネジメント職でもっとも大切な仕事である
大企業になればなるほど、上層部と各支店とで意思の疎通が取れていないケースが発生してしまいがちです。上に立ってマネジメントをする人にとって、組織全体の理念を統一させる事は、もっとも重要な仕事と言っても過言ではありません。その為に大切なのが、社員同士が本音で接する事なのです。
【まとめ】理念に共感して働くことが組織としての強さ。
企業のすべき事を明確に解っていれば、下で働く社員の士気はあがります。そしてそれは、結果にもつながりやすいという事が言えます。その為に各役員は、頻繁に支店を回ったり、実際に働いている社員と本音でコミュニケーションを取ったりしています。そうする事で全社員の理念の統一を図っているのです。
働く上で大切なことは、会社全体の意向を把握すること、そしてそれに共感して団結することができれば「いい仕事」ができるようになっていくことを覚えておきましょう。
会議は報告、ディスカッションの場だと思っていた人達は、本当に重要な事が何なのか?を今一度見直す良い機会かもしれません。
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