「最近の若者」はコミュニケーション能力が低い?上司のあなたが接するための考え方
古代から「最近の若者は」と言われてしまうことはあった
このページをご覧いただいている皆さんの中で。「最近の若者は●●ができてない」とか、「これだからゆとりは」とつい口にしてしまったことはありませんか。「ゆとり世代」とひとくくりにしてしまえばそれまでですが、「最近の若者は」というセリフはここ数年で使われだしたものではありません。エジプトのピラミッドにも当時建設していた人たちが下落書きの中にも「最近の若者は」というボヤキがあったほど、いつの時代にもジェネレーションギャップというものはありました。ただ、ここ数年の最近の若者は、昔とはまた変わってきています。
最近の若者はコミュニケーション能力が低いと評価されがち
そんな中、最近の若者の代表格とされるゆとり世代は、コミュニケーション能力が低いと年上の管理職から評価されがちです。例えば自分から積極的に話しかけてこない、提案がない、上司や先輩から話しかけてきても事務的な対応で終わり。飲み会に誘っても断るなど、挙げてしまえばキリがありませんが、その行動スタイルは、これまでモーレツ社員として働いてきた管理職の世代にとっては拍子抜けするような行動であるがゆえに、どうしてもコミュニケーション能力が低いと判断するのかもしれません。
目立つことが苦手でハングリー精神が弱い面がある
このようにコミュニケーション能力が低いといわれてしまう、現代の日本の若者の特徴とは一体何でしょうか。10代後半~20代後半の世代は「ゆとり世代」とされ、競争よりもみんなで一緒に生きていこうといった趣旨の教育を受けてきました。それゆえに没個性的になり、目立つことが苦手になってしまったのです。管理職の年代の教育は常に競争がありましたから、その点が1番違うところでしょう。また、兄弟が多く地域全体で子育てをしていた時代とは違い、少子化世代は核家族で育った若者も多く、自己主張しなくても欲しい物がある程度手に入る環境にありました。そのため他人を押しのけてでも這い上がっていくというハングリー精神に欠けています。そういった意味で上司からするとなんとも頼りなく感じてしまうのも無理はないかもしれません。
若者がコミュニケーション能力が低いとされるのは否定されたり嫌われるのが怖いから
ゆとり教育で育ったからといって全員が全員コミュニケーション能力が低いというわけではありません。ただ、比較的割合として多い傾向にあるのは「否定されたり、嫌われるのが怖いから」ではないでしょうか。上記にある通り、自己主張をするのではなく、みんなで一緒に行動するのがいいことだとして育ってきた若者にとって、嫌われたり存在を否定されるのは一番恐れる問題です。自分が出しゃばったことをして、上司や先輩に嫌われないかとの思いが根底にあるがゆえに、なかなか上司に声を掛けようとする勇気が持てないのです。
相手の心情を察することのできるコミュニケーション能力を上司も養う必要がある
若者を部下に持つ皆さんは、「嫌われるのが怖い」と思っている事実についてどう思うでしょうか。もし「わがまま、駄々をこねている」と思ってしまうのであれば、すぐにその認識を変えてください。上司の皆さんは若者にとってはかなりプレッシャーのかかる存在です。相手のコミュニケーション能力が低いのは、もしかするとあなたの普段の態度がそうさせているかもしれないのです。相手が積極的に声をかけてくるためには、上司であるあなたのコミュニケーション能力も改善したほうが良いかもしれません。
若者とのギャップはつきものだと認識して円滑なコミュニケーションを図る必要がある
コミュニケーション能力を上司も変える必要があると上記では伝えましたが、何かあればセクシャルハラスメントやパワーハラスメントを突きつけられるのでは、と部下との付き合いに消極的になっている方も多いでしょう。ただ一緒に仕事をしていくチームとしては、やはりお互いに気持ちのいい関係を築きたいというのが本音ではないでしょうか。世代も育ってきた環境も違うため始めはギャップを感じても当たり前です。重要なのはそのギャップを認識して円滑なコミュニケーションを図るために少しじたばたしてみる、ということです。
先入観や固定概念を捨てる
コミュニケーション能力とは決して個人の能力さえ高めればいい、というものではありません。いくら個人でコミュニケーション能力を高めようとも、それが上手く発揮できる環境があって初めて活かされるのです。社長室を無くしたり、オフィス内にカフェや居心地やメニュー重視の食堂を作ったりするという工夫をし、働きやすい環境づくりに取り組んでいる企業も多くあります。大々的な改革はできなくても、従来の会議に加えて社長と新人社員だけ、または女性だけ、2~3人でといったように意見を言いやすい場を設けることで、今まで思っていた人物像とは違う面を発見することでしょう。こういった場では、話を聞く前から「どうせ~だろう」という考えを一切捨てることが大切です。
若者のコミュニケーション能力が低い時は上司自身も改善する必要が求められる
「最近の若者はコミュニケーション能力が低い」という偏見は、自ら部下を潰し、また自分自身の指導力が低いことを認めていることになります。「相手を知ろうとすること」をもうすこし努力してみましょう。職場でのコミュニケーションにも差が出てくるのではないでしょうか。
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