消費税の滞納率が高い現状とその解決方法
平成26年度の消費税滞納率は55.7%
平成26年度の消費税滞納率は、なんと55.7%にも及んでいます。一見、消費税は消費者が商品を購入した時点で納税しているように見えますが、実際はその購入先が国に支払うのです。この滞納率は、そのお店から国に行き渡る段階で発生しています。消費税の滞納率が多い原因には、何があるのでしょうか。
一時的に消費税を商業用に回すことが滞納率を上げる原因
消費税の滞納率は、お店と国の間で発生すると言いましたが、決してお店に悪気があるわけではありません。大前提として、会社や店舗の経営の資金は常に潤沢なわけではないのです。そして、会社や店舗を存続するために一時的に消費税分のお金を商業用に使用したりします。特に納税まで余裕がある時はその傾向が多く見られ、いざとなったら消費税としてお金が無い事態になります。これが消費税の滞納率を上げる原因だと言えるでしょう。もちろん政府も督促状などで滞納率を下げる努力は行っていますが、なかなか効果は目立たないようです。
不況の最中に消費税が上がるとその年の滞納率は高くなる
2016年6月、「消費税10%」が、2019年10月に導入されることが決まりました。これについては世間では賛否両論巻き起こっていますが、消費税がアップしたとしても滞納率がアップするわけではありません。消費税がアップするとその分払わなければならない額が増加し、不況の最中で増税すると、その年の滞納率は高くなるのです。
不況と増税が同時に来ると悲惨なことになる
1997年4月、当時の橋本龍太郎総理大臣は消費税5%を導入しました。これまで消費税は3%だったため、たった2%の引き上げではありましたが、平成10年度の消費税滞納額は前年比1,000億円で増加したのです。もちろん、滞納率も増加しました。これは日本列島総不況(アジア通貨危機)と呼ばれるアジア地域全体での不況に見舞われたこともありますが、不況と増税がセットで来ると納税額は悲惨なことになるのです。
消費税の滞納率を減らすには納税の意識を持ってもらうことが大切
消費税の納税率をアップするには、事業者により消費税の納税意識を持ってもらう必要があります。とある企業向けの様々なサービスを展開している事務所では、「消費税はプールしましょう」と書かれていることからもわかるように、事業者の消費税の納税意識はここ20年の不況でかなり薄れているのかもしれません。そして、納税意識を持ってもらうには取締を厳しくする必要があります。滞納率を減らすためにも、納税率アップは大切です。
納税意義の周知や税金の使い道を透明化することが大切
また、厳しく取り締まる他に、消費税の納税意義を周知させるのも大切です。本来税金は公共サービスに使うものですが、長年生きているとそれを忘れかけている人も多いのではないでしょうか。昨今は政治と金の問題も多発しています。その他にもお金の流れを透明化させることにより、税金への信頼性を高め、納税してもらうようにする必要がありそうです。
消費税滞納率は50%超えをしているのが現状なので納税の意識を上げるのが大事
消費税滞納率が50%を超えている背景には、経営者に消費税の納税義務が十分に伝わっていないのだと言えます。確かに、消費税を納税するより近くにいるお客さんに還元したい気持ちや経営を安定化させたい気持ちも分からなくはありませんが、それでも納税は国民の義務です。事業者に消費税の大切さを周知させたり、税金の使われ方を透明化させたりする必要があるでしょう。
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