クロスドミナンスの特徴と活かせる職業
クロスドミナンスとは用途ごとに利き手が変わる現象
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、クロスドミナンスとはある特徴的な利き手を表す言い方です。たとえば、筆記具は右手で使う一方、食事の時は箸やスプーンを左手で使うなど、このように用途ごとに利き手が変わる特徴的な現象を指します。日本語では「交差利き」や「分け利き」と表現されるケースもありますが、クロスドミナンスといった方が伝わりやすいでしょう。
必ずしも左右の手を何にでも使えるわけではないのが特徴
クロスドミナンスと両利きは、似ていますが違うものです。両利きとは、何を行うにしても、左右どちらの手をも違和感なく使い分けられることです。それに対してクロスドミナンスは、必ずしも左右を何にでも使えるわけではない、というところに特徴があります。自分自身のことを左利きだと思い込んでいた方が、よくよく考えてみると右手でできることのほうが多いと気付くなどして、クロスドミナンスを自覚することになります。
クロスドミナンスは全て後天的なもの
一般的には、クロスドミナンスは全て後天的なものであると考えられています。生まれながらにしてクロスドミナンスの特徴を持った方はおらず、経験や訓練によって後から獲得する特徴です。もともと左利きの方が右利きになるよう矯正された結果、一部の道具に対してのみ右利きになり、クロスドミナンスの特徴を得るというのが最も多い理由です。
利き手の怪我がきっかけになるケースもある
左利きから矯正されてクロスドミナンスになる以外にも、怪我がクロスドミナンスのきっかけになるケースもあります。たとえば事故などで利き手を損傷し、使用に制限がかかる生活を強いられた場合に、そちらを使うクセがついた場合もクロスドミナンスです。無理やり非利き手を使い続けるうちに、十分に使いこなせるようになったり、特定の道具においてはかえって非利き手のほうが便利に感じるようになったら、立派なクロスドミナンスと言えるでしょう。
クロスドミナンスの特徴を活かせるのは電卓を使う職業
用途に合わせて両方の手を使い分けるクロスドミナンスは、電卓を日常的に使う職業で有利です。右手で筆記をし、左手で電卓を使うことによって、作業効率は確実に上昇します。具体的には、会計士や税理士、経理事務など、お金の計算に関わる分野で特徴が活かせるでしょう。そのために訓練を積み、クロスドミナンスになる方もいれば、日々の業務のなかでいつの間にかクロスドミナンスになれたという方もいます。
プロダクトデザインの発達により過ごしやすくなってきている
近年ではユニバーサルデザインという概念が発達してきており、誰にとっても使いやすく、使い方も理解しやすい製品が登場しています。そうしたプロダクトデザインの分野においても、クロスドミナンスは無関係ではありません。左右どちらの利き手でも使える特殊な設計のハサミを筆頭に、利き手をめぐる製品の進化はこれからも続いていきます。特徴的な利き手事情を持つクロスドミナンスですが、このようなプロダクトデザインの発達によってより過ごしやすくなってきていると言えるでしょう。
クロスドミナンスは用途ごとに利き手が変わるのが特徴で電卓を使う職業に活かせる
クロスドミナンスの特徴と活かせる職業について見ていきました。クロスドミナンスの特徴は、主に電卓を頻繁に扱う職業で業務効率アップにつながります。訓練によって後天的に取得できる特徴なので、一種のスキルとも言えます。またユニバーサルデザインの概念に基づいた、誰にとってもストレスのない製品開発の分野でもクロスドミナンスの意見は重宝されます。スキルアップとしても、プロダクトデザインの推進にしても、クロスドミナンスにはビジネスチャンスが残っているのです。
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