神道のお葬式で弔電を送る際の注意点と文例
神道形式のお葬式は仏式と大きく異なる
神道におけるお葬式は“故人の御霊をその家にとどめ、守護神となってもらう”という目的があります。神道においては、人の死を「帰幽(きゆう)」といい、葬儀のことは「神葬祭(しんそうさい)」といいます。また、仏式におけるお通夜を「通夜祭(つやさい)」といい、通夜祭の後に「遷霊祭(せんれいさい)」が引き続いて行われます。そして翌日には仏式における告別式の「葬場祭(そうじょうさい)」が行われ、火葬場でも「火葬祭(かそうさい)」と墓地で「埋葬祭(まいそうさい)」を行います。このように、神道形式のお葬式は仏式等と大きく異なります。
弔電に神道以外の宗教用語を入れない
弔電を送る場合に気を付けなければいけないとしては、他の宗教に関する言葉を入れてはいけないことです。海外から伝来したキリスト教と異なり、神道は古来から仏教と同様に親しまれてきたことから、特に仏教と混同してしまうことがよくあります。お悔やみの気持ちを伝えようとしても、「成仏」「供養」「冥福」「あの世」「往生」といった言葉は仏教から派生しているので、神道のお葬式への弔電の文章に入れてはいけません。また、仏式と同様に『忌み言葉』があり、「重ねる」「重ね重ね」「返す返すも」「再三」「くれぐれも」といった単語を弔電に使うこともよくありません。
神道のお葬式へ弔電を送るときは民間の電報業者の文例を参考にする
他の宗教に関する言葉を入れず、また、いわゆる『忌み言葉』も入れなければ、弔電の文章としては問題ありません。NTTやKDDIに民間の電報業者では、宗教を問わずに使える文例を多数用意しています。その文例の中から個人名を入れ替えて使用するのが一番良いでしょう。ここでは、NTTや民間の電報業者で作成した文例集の中からいくつか紹介します。
神道で使える弔電の文例(一般的なもの)
・ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
・ご訃報に接し、心から哀悼の意を表します。
・お悲しみをお察し申しあげますとともに、衷心より哀悼の意を表します。
・ご生前の厚情に深く感謝するとともに、故人のご功績を偲び謹んで哀悼の意を表します。
・お悲しみに対し弔問かなわぬ非礼をおわびし、謹んで哀悼の意を表します。
神道のみで使える弔電の文例はそんなに多くない
次に、神道で使われる言葉を入れて弔電を送る場合を考えてみます。電報業者では一般的な弔電の文例を用意しています。しかし、神道のみで使える文例は多くありません。したがって一般的な弔電の文例の中から選ぶことになりますが、仏教用語を入れないように注意しなければいけません。ここでは、NTTや民間の電報業者で作成した文例集の中から紹介します。
神道形式での弔電の文例
・ここに眠る御霊の安らかなることをお祈りいたします。
・在りし日のお姿を偲びつつ、故人の安らかなお眠りをお祈りいたします。
もし、ご遺族と亡くなった人との関係性がわかったら、その敬称を文例に付け加えてもいいでしょう。例えば、お父様なら「ご尊父様」であり、お母様なら「ご母堂様」であり、旦那様なら「ご主人様」です。
神道のお葬式の弔電の文例は一般的なものを参考にして他宗教と忌み言葉を使わないように注意する
一般的な弔電の文例には「冥福」という言葉が入ったものが多く存在します。しかしこれは仏教用語なので、神道形式にはそぐわないから注意が必要です。それから、一般的な文例に何か一言だけでもオリジナルの文章を入れると、ご遺族の心に届く特別な弔電になるのではないでしょうか。例えば「公私とも大変お世話になり感謝の気持ちでいっぱいです」や「ご功績の偉大さに、心から敬意を表したいと存じます」といった具合です。神道の弔電の文例は多くはありませんが、一般的なものを参考にしてみてください。くれぐれも他宗教のものと忌み言葉を使わないように注意してください。
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