公務員は避けられない!副業で作家になる問題の解決策
公務員の副業は許されるのか
公務員と言えば地位が安定していて高収入というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。たとえば公立学校の非常勤講師として雇用されている場合には、給与も正規職員に比べ低く、契約が年単位であるため雇用が安定しているとは言えません。公務員であっても、生活のために副業をする必要が出てくる場合があります。しかし公務員は地方公務員法や国家公務員法によって副業をすることが原則的に禁止されています。それでは公務員は、どのような副業であってもできないのでしょうか?
公務員が副業禁止の理由は「特定人物」や「組織」との便宜を防ぐ為
公務員は、納税者である国民に行政サービスを提供する担い手です。そこで重要とされるのは国民に対して等しく行政サービスを提供することで、公務員にとって公平性と中立性が何よりも大切なものとされています。ここで公務員が副業をしてしまうと、特定の人物や組織と深い関係になってしまい特別な便宜を提供したりしかねません。
公務員でも例外的に副業が許される場合もある
公務員の副業が禁止されていると言っても、あらゆる副業が禁止されているわけではありません。これから後述する2名の作家は問題にされませんでした。作家業のように特定の人物や組織と利害関係がなく、公務員としての品位を汚さない副業であれば許される場合もあるのです。
公務員をしながら作家になった2名の例
日本では、公務員をしながら作家として活躍した例が複数存在します。作家という副業は、公務員の副業禁止規定には影響がなかったと言えます。
宇都宮市職員:「立松和平」
宇都宮市として働きながら、作家として栃木に関する作品を多数執筆し、その後、作家活動に専念しました。『道元禅師』で泉鏡花文学賞を受賞や、他にも『遠雷』や『卵洗い』などでも多数の賞をとりました。テレビの報道番組などでも活躍した立松和平氏がその代表格です。
福岡市職員:「三崎亜記」
また近年では、福岡市職員として勤務しながら小説を執筆し『となり町戦争』で小説すばる新人賞を受賞して、作家デビューした三崎亜記氏も公務員をしながら作家になった存在です。『失われた町』や『鼓笛隊の襲来』も有名な作品で直木賞候補にも選出されていました。
公務員でも副業で作家になることは可能
小説の執筆は、単独で行われ、特定の人物と利害関係を築くものではありません。また執筆は、肉体的に疲労するものではないことから本業の業務に与える影響は僅少です。ただし公務員には守秘義務が課されています。業務上知り得た事項については、許可なく外部に漏らしてはいけません。執筆内容が守秘義務に抵触する場合には、公務員法違反となって問題になる場合があるため注意が必要です。そこで守秘義務に抵触しない内容の小説を公務員が執筆することは、何らの問題もないと考えられます。
副業をする為には任命権者の許可申請が必要
公務員が副業をするには、任命権者の許可というものを受ける必要があり、事前に申請して許可されなければなりません。その際には、副業をしても本業である公務員としての業務に支障をきたさないことを、説明、約束する必要もあるため、どのような副業をするのかについては慎重な検討が必要となってきます。
作家になる上では執筆活動を副業として成立できるかが問題
ここで問題となるのはむしろ、執筆活動を副業として成立させられるかについでです。作家になるには、執筆した小説が新人賞を受賞しデビューしなければなりません。そして執筆を副業にするには、書いた小説が出版され、その印税収入が発生しなければならないのです。
公務員をしながら作家になった上述の例は、作家としての収入だけでは生活できないので公務員をしていたというのが実情です。
公務と作家の両立を真剣に考えていくことが大事
本当は作家業に没頭したかったのだが、結果として作家業を副業にせざるを得なかったのです。公務員は作家業を副業にはできますが、実際に作家業で収入を得るには作家としてデビューする必要があり、そこには困難な道が待ち受けているのです。
公務員の副業は原則禁止だが作家は公務への支障が少ないため執筆活動は可能
公務員が作家になる為に避けられない副業問題についてご紹介いたしました。公務員は、国民に対して中立性、公平性を保つために副業が禁止されています。特定の利害関係を持たず、業務に支障をきたさなければ、例外的に許可されます。作家業は単独で行われ、肉体的に披露することもないため、公務員が作家として活動することは副業禁止規則に違反せず、問題ないと考えられます。
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