解任と退任の意外と知らない違いについて
解任と退任には明確な違いがある
解任と退任の違いについて知っておいて、最初に知っておいて欲しい事はその言葉が意味する内容です。まず、「解任」の意味ですが、これは職務をやめさせる事や、任務を解くことという意味合いです。次に「退任」という言葉の意味ですが、今の任務をやめてしまう事です。
解任は「周囲の意志」によって退任は「自らの意志」で辞めること
解任が自分以外の誰かの力によって辞めさせられてしまうのに対し、退任は誰の意思かは関係ありません。解任と退任はその使用する意図に明らかな違いがあります。ただやめるだけでしたら、退任を使用すれば問題ありません。退任は、誰の意思かどうかは関係せずに、今行っている任務を退く事ですから、やめる事は伝わるはずです。しかし、解任の場合には、自分以外の誰かの反対によってやめるという意味合いが強くありますので、そういう意図を前面に出すなら解任が適切です。
解任と退任以外にも間違いやすい言葉がある
解任と退任も似たような言葉ですが、その他にも似たような言葉は沢山あります。特にサッカーや野球などのスポーツで、チームの監督がやめるような場合には、様々な言葉が利用されます。解任と退任に似たような、良く使われる言葉はそのどれも意味する所が違いますので、しっかり確認しておく必要があります。
「勇退」「辞任」「更迭」等がある
解任と退任は似ている言葉ですが、それ以外にも似たような言葉は存在します。「勇退」は、解任のように辞めさせられる事ではなく、後進に道を譲るため、自分から官職などを退くような時に使用します。「辞任」は自らの意思でやめる時にしようし、「更迭」は、その人を止めさせて、他の人に代える事を指す言葉ですので、それぞれの違いを理解して、間違えないようにしましょう。
不祥事等の責任を取る場合の形式は「解職」ではなく「解任」
中小企業で、代表取締役が不祥事などを起こしてしまった場合には、退任ではなく解任の措置を取らなければいけません。ここで混同して欲しくないのが解任と解職です。解職は、代表取締役のような人を代表権のない取締役にする事で、解任は、取締役の地位から退かせる事になります。同じく代表権は失われますが、その後の立場に違いがあります。こういった違いも併せて覚えておきたいですね。
解職させるには会社法に基づく手続きが必要
代表取締役を解任と退任ではなく解職する場合には、会社法の手続きが必要になります。代表取締役の解職は一人の反対ではできません。取締役会決議を行い、その出席取締役の過半数の賛成が必要です。取締役会決議には、取締役会の議長が必要ですので、代表取締役が兼任していた場合には、事前に議長となる人を選任しておく必要があります。
解任と退任には誰の意志による決定かの違いがある
ここまで、解任と退任の違いについて紹介してきました。解任と退任に関わるような業務を行う場合には、通常のお仕事以上に神経を使わなければいけません。特に退任ではなく解任ともなると、人の人生が大きく変わってしまう内容の人事になりますので、しっかりと対応する必要があります。本当にその人を解任させても良いのかをしっかり判断するためには、解任した時のデメリットもしっかり確認してから判断を行いましょう。今回紹介した違いをしっかり理解しておきましょう。
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